Lonnie Liston Smith - Love Is The Answer (1980)
Lonnie Liston Smith『Love Is The Answer』
コズミック・ジャズ/スピリチュアル・フュージョンの先駆者である鍵盤奏者、ロニー・リストン・スミスが1980年に発表したアルバム。フライング・ダッチマン期の『Expansions』などで知られる彼が、メジャーのColumbiaに移籍して放った同レーベルでの掉尾を飾る作品である。ニューヨークのElectric Lady Studiosで録音・ミックスされ、ロニー自身がセルフ・プロデュース(Cosmic Productions)を手がけた名盤である。
制作背景・参加ミュージシャン
本作はロニーの卓越したキーボード・ワークを中心に、手堅い名手たちが集結した。ベースにはピー・ウィー・フォード、ドラムにリノ・レイエス、ギターにアブドゥル・ワリとドク・パウエル、サックス/フルートにデイヴ・ハバード、そしてパーカッションにローレンス・キリアンが参加。さらに前作に引き続きジェームズ・“クラブ”・ロビンソンがリード・ヴォーカルを務め、洗練されたアーバン・ソウルの魅力を吹き込んでいる。
録音とミックスは名手デイヴ・ウィットマンが担当し、マスタリングはCBSスタジオのブラド・メラーが手がけた。クリアで奥行きのある音像が、ロニーの描くコズミックな世界観を鮮やかに際立たせている。
サウンドと聴きどころ
アルバムのオープニングを飾る「In The Park」は、涼やかなフェンダー・ローズの音色と躍動するリズムセクションが青空のように広がる爽快なフュージョン・ダンサー。タイトル曲「Love Is The Answer」や「Speak About It」では、ジェームズ・“クラブ”・ロビンソンの甘美な歌声とホーン・セクションが美しく溶け合う極上のソウル・グルーヴを聴かせる。
さらに「On The Real Side」のタイトなファンク・ビートや、「The Enchantress」での幽玄なシンセサイザーのレイヤーなど、ロニーの真骨頂であるスピリチュアルな浮遊感とアーバンなメロウネスが見事な調和を見せている。
時代の文脈
1970年代の深遠なスピリチュアル・ジャズの探求を経て、1980年代の幕開けとともに制作された本作。当時隆盛を極めていたクワイエット・ストームやアーバン・コンテンポラリー、ディスコ・ファンクの要素を巧みに取り入れ、ジャズの即興性とポップ・ミュージックの親しみやすさを極上のブレンドで提示した。
後世への影響
1990年代以降のアシッド・ジャズやレアグルーヴ、ヒップホップ・カルチャーの台頭によって劇的な再評価を獲得した。特に幻想的なフェンダー・ローズが響く「Bridge Through Time」は、ベイエリアの女性ヒップホップ・デュオ、ザ・コンシャス・ドーターズにサンプリングされるなど、メロウ・フュージョン/チルアウト・クラシックとしての評価が定着している。80年代の洗練されたアーバン・ジャズ・ファンクの傑作として、今なお多くのリスナーに愛され続ける一枚だ。
トラックリスト
- A1 In The Park 4:19
- A2 Love Is The Answer 4:47
- A3 Speak About It 5:56
- A4 Bridge Through Time 4:02
- B1 On The Real Side 5:46
- B2 The Enchantress 4:57
- B3 Give Peace A Chance (Make Love Not War) 6:00
- B4 Free And Easy 3:10
動画プレイリスト
このアーティストについて
Lonnie Liston Smith(ロニー・リストン・スミス)は、1940年12月28日生まれ、アメリカ・バージニア州リッチモンド出身のジャズ・ピアニスト、キーボ...
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