L.T.D. - Love To The World (1976)
L.T.D.『Love To The World』
L.T.D.の『Love To The World』は、1976年6月にA&Mから出た3作目のスタジオ・アルバム。グリーンズボロで結成され、サム&デイヴのバックも務めていた流れから育ったグループが、ロサンゼルスに拠点を移したのちにA&Mと組み、ジェフリー・オズボーンを主軸にした体制でまとめた作品である。タイトル曲に加えて、「Love Ballad」が広く知られる一枚でもある。
制作背景・エピソード
本作はラリー・マイゼルとフォンス・マイゼルの共同プロデュースで、Chuck Davisも共同プロデュースに名を連ねる。収録曲の多くはマイゼル兄弟、またはロドニー・マイゼルを含むクレジットで、L.T.D.側ではベースのHenry Davisとオズボーンの共作「Get Your It Together」、Henry Davis作の「Let The Music Keep Playing」も入っている。録音とミックスはロサンゼルスのThe Sound Factory、マスタリングはArtisan Sound Recordersで行われた。
「Love Ballad」はSkip Scarboroughの作。Scarboroughは、Creative Sourceのヴォーカル・アレンジを手がけていた人物で、バミューダのホテルで時差ぼけのまま深夜に20分ほどで書いたという。男女どちらでも歌えるよう、歌詞は性別に縛られない形で用意され、L.T.D.がそれを受け取った。オズボーンは以前、Creative Sourceのギグでドラムとヴォーカルの代役を務めたことがあったという。曲にははっきりしたサビやフックがなく、タイトルを付けにくかったため、Scarboroughが歌詞カードに書いた「Love Ballad」がそのまま曲名になったという話も残る。なお、このフレーズ自体は歌詞には出てこない。
アルバムの最後には「Love To The World Prayer」が置かれ、子どもたちの声も入る構成。ストリングス・アレンジはWade Marcusが担当している。
時代の文脈
マイゼル兄弟は、モータウンの制作チーム「ザ・コーポレーション」でジャクソン5の「I Want You Back」「ABC」などを手がけたのち、Sky High Productionsを設立し、ドナルド・バード『Black Byrd』以降のブルーノート作品やブラックバーズで知られる仕事を重ねていた。本作はそのマイゼル兄弟がソウル/ファンク・バンドを手がけた作品で、彼らは1978年にはA Taste of Honeyのデビュー作も制作している。
L.T.D.にとって『Love To The World』はブレイク作となり、「Love Ballad」は1976年11月にR&Bシングル・チャートで2週連続1位、全米20位を記録し、バンド初のポップ・トップ20ヒットになった。アルバム自体もR&Bアルバム・チャートで7位、Billboard 200で52位を記録している。続く『Something to Love』(1977年)はゴールドを獲得し、「(Every Time I Turn Around) Back in Love Again」がR&B1位となった。ジェフリー・オズボーンは1980年ごろにソロへ転じている。
後世への影響
「Love Ballad」はその後も多くの歌い手に取り上げられた。もっとも成功したカバーはジョージ・ベンソン版で、1979年の『Livin' Inside Your Love』に収録され、R&B3位、全米18位、全英29位を記録している。ほかにもゲイリー・バーツ、ジョージ・デューク、K-Ci & JoJo、パティ・ラベル、テンプテーションズが取り上げ、オズボーン自身もソロでライヴ版を残した。
サンプリング面では、デ・ラ・ソウルの『The Grind Date』収録曲や、シアラの『Goodies』、ネットスキーの「Love Has Gone」、オーガスト・アルシーナの「You Deserve」などで使われている。
AllMusicのAndrew Hamiltonは本作を5つ星中3つ星と評価している。
トラックリスト
- A1 Love To The World 5:07
- A2 Time For Pleasure 5:20
- A3 Love Ballad 4:35
- B1 Get Your It Together 4:48
- B2 Let The Music Keep Playing 4:22
- B3 The Word 5:30
- B4 Love To The World Prayer 3:49