Many Voices Speak - Gestures (2022)
Many Voices Speak 2022

Many Voices Speak - Gestures (2022)

Pop Indie Pop

Many Voices Speak『Gestures』

スウェーデンのMany Voices Speakによる『Gestures』は、Matilda Mård名義の2作目のアルバム。2022年発表で、レーベルはFalun拠点のStrangers Candy。Bandcampではアナログ盤の初回200枚、うちAmber Colored Vinylは100枚限定と案内されていた。

制作背景と録音の流れ

制作はMårdとPetter Nygårdhを中心に進み、Nygårdhがプロデュース、Erin Tonkonがミックス、Hans Olssonがマスタリングを担当している。Bandcampのクレジットでは、MårdとNygårdhに加えてPaulina Mellkvist、Kristian Matsson、Oskar Bondの参加が確認できる。

制作の経緯が語られているのは「Seat For Sadness」。Mårdは、この曲の歌い出しは一気にできた一方で、残りの部分を見つけるのに時間がかかったと話している。曲作りの時期にはベルリンで音楽学校のピアノ室を借り、そこで断片を探りながら作業を進めたという。帰国後にスウェーデンでNygårdhと録音を始めてから、ようやくサビのメロディが生まれたとも語っている。

さらに、近隣の改修工事の騒音を避けるため、機材を郊外の家へ持ち込んで録音したことも明かされている。その場所で見つけたアコースティック・ギターが、この曲とアルバム全体の重要な要素になったという。制作の手触りが、そのまま作品の核に置かれている。

時代の文脈と作品の位置

Many Voices Speakは、Matilda Mårdが2010年代半ばにストックホルムからボルレンゲへ移ったことをきっかけに動き出したプロジェクト。『Gestures』は、2018年のデビュー作『Tank Town』に続く2枚目のフルレングスで、前作から4年ぶりのアルバムになる。

Stereogumは、2020年の「Want It Kept」が“COVIDで世界が止まる直前”に出たことに触れたうえで、その後に『Gestures』が登場した流れを紹介している。AllMusicやSpotify系のプロフィールでも、Mårdの声とソングライティング、初期ドリームポップからの影響、地方移住の文脈がこのプロジェクトの軸として示されている。

批評では、作品は“夢見心地”“静謐で陰影のある”ドリームポップとして受け取られている。StereogumのChris DeVilleは「Seat For Sadness」を「subtle stunner」と評し、ベルリンで書かれた断片が録音の過程で形を得ていく点に注目した。The Line of Best FitのAndrew Hannahは、Mårdの音楽を「cinematic melancholy」と表現し、「Away For All Time」を“gloomy and gleaming”と記している。NorwegianのPopklikkでは、Alice Bomanに通じる80年代的なドリームポップ/シューゲイズの系譜として紹介された。Bandcampの説明文では「lush detailing」「stargazing mood」とされている。

批評集約ではAlbum of the Yearが批評家スコア70、ユーザースコア69を記録。規模の大きなチャート実績は確認されていないが、NACCへの追加登録日など、流通面の動きは見えている。

トラックリスト

  1. A1 Want It Kept 4:08
  2. A2 Seat For Sadness 4:06
  3. A3 Within Reach 6:10
  4. A4 Worthy 3:41
  5. B1 Phase Out 5:23
  6. B2 Nothing's Gone 5:43
  7. B3 Assured 4:56
  8. B4 Visual Fields 4:11

動画プレイリスト

公開: 2026年11月
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