Marillion - Marbles (2004)
Marillion『Marbles』
Marillionの『Marbles』は、2004年に発表された2枚組スタジオ作で、ここで扱うのは2021年にUKのKscopeから出た3LPゲートフォールド仕様の盤。収録曲には「Genie」「The Only Unforgivable Thing」「Ocean Cloud」「The Damage」が含まれ、これらはそれまでアナログ盤では未収録だった。マスタリングはSuper Audio Masteringで行われ、録音、作曲、ミックスはバッキンガムシャーのThe Racket Clubで、2002年、2003年、2004年初頭にかけて進められている。
制作背景・エピソード
制作の流れは、デイヴ・ミーガンが各曲の編集版や気に入った断片をまとめ、そこからメンバーが自宅やスタジオで素材を広げていく形だった。スティーヴ・ホガースは2003年夏以降、自室兼スタジオで歌詞とボーカル作業を進めたと述べている。公式資料では、収録曲の一部が制作セッション用のデモから生まれたことも示されている。
また、『Glass Half Full Making of Marbles』には、制作中の参考用として録られた素材がまとめられている。発売前には大規模な先行試聴会やキャンペーンが行われ、予約特典として18,000人超の購入者名がブックレットに掲載された。盤面のクレジットでは、著作権がIntact Recordingsにあり、Snapper Music Plcへの独占ライセンスであることも記されている。
時代の文脈
2000年代前半のMarillionは、メジャー・レーベル主導の活動から離れ、ファン主導の資金調達や直接販売を強めていた時期にあたる。『Marbles』はその流れの中で制作・発表された作品として位置づけられている。2004年5月3日の発売時点で、バンドは13作目のスタジオ作を届けたことになる。
同時代のロックの主流とは距離を置きつつ、長尺曲や叙情的な構成を前面に出したアルバムとして紹介されている。発売前後の資料やレビューでは、Hogarth期のMarillionを代表する作品として扱われており、Fish在籍期とは異なる現在形のバンド像に触れる文脈で語られている。
シングル「You're Gone」は全英シングル・チャート7位を記録し、Hogarth期では最大のヒットとなった。アルバム本体のチャート順位については、今回参照した範囲では詳細が限られているが、商業面でもバンドの再浮上を印象づけた作品として記録されている。
サウンド面の評価
批評では、豊かな音像、長尺曲のドラマ性、ホガースの歌唱、スティーヴ・ロザリーのギターが高く評価されている。AllMusicは、リズムの強い反復とホガースの歌唱にU2を思わせる場面があるとしつつ、「The Invisible Man」を沈鬱で内省的な大曲として評した。DPRPは、序盤の長い展開や、ボートを思わせる音の演出、XTC的な気配など、細部の作り込みに触れている。The Scotsmanのジェイ・リチャードソンは、ホガースの声が「Invisible Man」に暗くオペラ的な深みを与えていると評している。
こうした評は、『Marbles』が制作面でも発表面でも細かく組み立てられた作品として受け止められたことを示している。アナログ再発盤では、オリジナル時にLP化されていなかった曲も加わり、3枚組の構成で収められている。
トラックリスト
- A1 The Invisible Man 13:37
- A2 Marbles I 1:42
- A3 Genie 4:54
- B1 Fantastic Place 6:12
- B2 The Only Unforgivable Thing 7:13
- B3 Marbles II 2:02
- C1 Ocean Cloud 17:58
- C2 Marbles III 1:51
- D1 The Damage 4:35
- D2 Don't Hurt Yourself 5:48
- D3 You're Gone 6:25
- E1 Angelina 7:42
- E2 Drilling Holes 5:11
- F1 Marbles IV 1:26
- F2 Neverland 12:10
動画プレイリスト
このアーティストについて
Marillion(マリリオン)は、1979年にイギリス・バッキンガムシャー州エイルズベリーで結成されたプログレッシヴ・ロックバンドである。1970年代のプ...
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