Mzylkypop - Kiedy Wilki Zawyja? (2018)
Mzylkypop 2018

Mzylkypop - Kiedy Wilki Zawyja? (2018)

Rock Jazz Folk, World, & Country Experimental Psychedelic Rock Jazz-Rock

Mzylkypop『Kiedy Wilki Zawyja?』について

Mzylkypopの『Kiedy Wilki Zawyja?』は、2018年に発表されたアルバムで、シェフィールド周辺のDIY/インディペンデントな流れの中から出てきた作品として知られている。リリース国はUK、盤としては2019年にDo It Thissen RecordsのDIT-003として出ている。レーベルのBandcamp掲載情報では、ポーランド語のタイトルは英訳すると「When Will The Wolves Howl?」となる。

アーティスト名のMzylkypopは、Michael Wardを中心にしたプロジェクトとしてクレジットされている。関連情報では、シェフィールドの音楽文脈に近い人脈がうかがえ、録音はSimon Lewinski、マスタリングはDean Honerが担当している。参加者も多く、個人プロジェクトというより、地域のネットワークを背景にした制作物という印象が強い。

作品の位置づけ

このアルバムは、後にDiscusからCDおよびLPで再発されたことが確認できる。元の2018年盤は赤盤の限定LPで、2019年の盤はその流通形態を受け継いだものとして位置づけられる。再発後に作品が広く見つかるようになったタイプで、先に小さな規模で出て、その後に別レーベルで改めて届けられた流れといえる。

内容面では、架空の2030年イングランドを思わせる設定が背景にあり、政治的な空気や社会の不穏さを含んだコンセプト作品として受け止められている。制作のきっかけとしては、書き始めた時期が数年前にさかのぼること、当時の英国社会の空気、反移民や極右的な動きへの反応、自然保護や環境問題への関心などが挙げられている。単なる思いつきではなく、現実の空気を踏まえた構想であることがうかがえる。

音の手触り

ジャンル表記はJazz、Rock、Folk、World、& Countryとなっているが、実際の受け止められ方としては、プログレッシブなロック、ジャズロック、フォーク、実験音楽、ポストパンク寄りの感触が混ざった作品として語られることが多い。レビューでは、シェフィールドの系譜、たとえばClock DVAやCabaret Voltaire周辺を連想させるという見方が出ている。Stephen Mallinderの名前が挙がることもあり、土地の音楽史との接点が意識されているようだ。

実際の演奏については、アコースティックな響きと電子的な処理が同居し、曲ごとに手触りが変わる構成が目立つ。フォーク的な語り口の中に、ジャズ由来の間合いや、ロックの推進力、ラジオ劇のような場面転換が入り込む。ライブラリー・ファンクやアート・ロックに近い場面もあり、ひとつの型に収まらない組み立てになっている。

盤としての特徴

2019年のDo It Thissen Records盤は、赤盤の180枚限定ではなく、全240枚の赤盤ゲートフォールド仕様として案内されている。うち100枚はDiscusレーベルに割り当てられ、2021年9月のCD版リリースを支える形でも流通した。外装のシュリンクにはバーコードが付く個体もあり、レーベル間で役割分担された流通が見える。こうした点も、通常の一般流通盤というより、DIYレーベル同士の連携で成立した盤という印象につながる。

同時代との接点

この作品は、2010年代後半のUKインディー/実験音楽の文脈に置くと理解しやすい。シェフィールド周辺の電子音楽、ポストパンク、アートロックの系譜に加え、フォークやサイケデリックな要素も交差している。比較対象としては、Richard Dawson、Belle and Sebastian、Ghost Box周辺、Public Image Ltd. などの名が挙がっており、ジャンルの境界をまたぐ作りが意識されている。

評価面では、独立系の紹介やレビューで創意に富んだDIY作品として扱われている。大きなヒット曲が前面に出るタイプではなく、アルバム全体の構成やコンセプトで聴かれる作品だろう。『Kiedy Wilki Zawyja?』というタイトルそのものも、英語題「When Will The Wolves Howl?」と対応し、作品の不穏な空気をそのまま示している。

まとめ

Mzylkypopの『Kiedy Wilki Zawyja?』は、2018年に生まれ、2019年の盤で広く見えるようになった、シェフィールド圏のDIY精神と政治的想像力が重なったアルバムである。ジャズロック、フォーク、実験性、サイケデリックな感触が混ざりながら、地域の音楽史ともつながっている。個々の曲を追うより、アルバム全体でひとつの世界を組み立てるタイプの作品として記憶される一枚だ。

トラックリスト

  1. A1 Witch Drones
  2. A2 She Turns To Dust
  3. A3 Slumber Pin
  4. A4 Sylwia's List
  5. A5 The God Of Claws
  6. B1 Last Exit To Lublin
  7. B2 Elphame
  8. B3 Red White And Blue
  9. B4 Narky Monkey
  10. B5 TV Lives

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