Vivien Vee - Vivien Vee (1979)
Vivien Vee 1979

Vivien Vee - Vivien Vee (1979)

Electronic Funk / Soul Disco Italo-Disco

Vivien Vee『Vivien Vee』(1979)

Vivien Veeの同名アルバム『Vivien Vee』は、1979年にイタリアのBanana Recordsから出たデビュー作で、のちにイタロ・ディスコとして整理される流れの、かなり早い段階に置かれる作品だ。アーティスト自身はトリエステ出身のイタリア人シンガー兼モデルで、18歳のときにクラウディオ・シモネッティとジァンカルロ・メオに見出されたという経歴を持つ。このアルバムは、その出発点をそのまま記録した一枚として見てよさそうだ。

制作面では、シモネッティが作曲・編曲を担い、メオがプロデュース面を支えた。録音はローマのBus Recording、マドリードのEurosonic Studios、さらにTrafalgar Studiosで行われ、ミックスもTrafalgar Studiosで仕上げられている。イタリア国内だけでなく、ヨーロッパの複数都市をまたいで作られた点も、この時期のディスコ作品らしい動きだ。レーベルはBanana Records、品番はBAN 40502。Banana Recordsは、後年のイタロ・ディスコを代表するレーベル群のひとつとして知られる。

サウンドの輪郭

この時期のイタリア産ディスコは、アメリカのディスコをそのままなぞるというより、シンセサイザーの比重を少しずつ強めながら独自の形に寄っていく途中段階にある。このアルバムもその位置にある作品で、厚みのあるシンセ、前へ進むビート、そしてVivien Veeの軽い歌い口が前面に出る構成。声の置き方は強く押し出すというより、トラックの上にすっと乗るタイプで、リズムの流れを切らずに進むところが印象に残る。

後年のイタロ・ディスコに見られる、機械的な反復や冷えた質感に比べると、このアルバムにはまだディスコ期の華やかさが残っている。一方で、単なるファンク寄りのダンス・ポップでもなく、電子音の扱いにすでにジャンルの輪郭が見える。クラウディオ・シモネッティが関わっていることを踏まえると、後の映画音楽やイタリア産エレクトロニック・サウンドにつながる感覚も感じ取れる。

代表曲「Give Me a Break」

この作品でまず名前が挙がるのは「Give Me a Break」だろう。イタリアのラジオDJやディスコ・フロアで支持を集め、クラブ寄りのヒットとして広がったことが確認されている。アルバム全体の存在感以上に、この曲がVivien Veeの名を広めた中心になった、という見方は自然だ。曲の推進力と、彼女の声の軽さがかみ合っていて、1979年という時点での欧州ディスコの手触りをよく示している。

イタリアの週間アルバム・チャートにも掲載されており、国内で一定の流通と注目を得ていたことも分かる。とはいえ、のちの回顧ではアルバム全体よりもシングルの印象が強く、作品全体は“ヒット曲を含む初期の重要作”として語られることが多い。Vivien Veeにとっては、単独のアルバムというより、シーンの入口で自身のイメージを決定づけた一枚という位置づけが近い。

ジャケットと作品の印象

このアルバムは、赤い盤色や印象的なジャケットでも知られている。視覚面の強さも含めて、当時のディスコ作品らしい商品設計が見える。音だけでなく、アーティスト像そのものを前に出す作りで、モデル出身というVivien Veeのプロフィールともつながっている。歌唱、ルックス、レーベルの方向性が一体になった企画性の高い作品、と捉えることもできる。

同時代の比較で言えば、イタリア産ディスコの流れの中では、クラウディオ・シモネッティ周辺の仕事や、Banana Recordsに集まったアーティスト群との近さが目立つ。Easy Going、Kasso、Claudio Simonetti、David Zedといった名前が並ぶレーベルの文脈の中で、このアルバムは初期の看板のひとつとして置かれている。アメリカの大型ディスコとは別の、ヨーロッパらしい作り込みと軽快さが同居した一枚だ。

まとめ

『Vivien Vee』は、1979年という時点でイタロ・ディスコ前史を形にした作品であり、Vivien Vee自身のキャリアでも出発点にあたるアルバムだ。シモネッティとメオの制作、複数都市での録音、Banana Recordsという環境がそろい、当時のイタリア・ディスコの輪郭をよく伝えている。代表曲「Give Me a Break」を軸に、アルバム全体がその時代の空気をそのまま残す記録になっている、そんな一枚だ。

トラックリスト

  1. A1 Remember... 9:08
  2. A2 Love In Spain 8:26
  3. B1 Travelling 6:32
  4. B2 Forgive Me 5:50
  5. B3 At Last 6:29

動画

Share
記事一覧に戻る

あわせて聴きたい "Disco"

toast