Kasso - Kasso 2 (1984)
Kasso 1984

Kasso - Kasso 2 (1984)

Electronic Italo-Disco

Kasso『Kasso 2』(1984)について

Kassoの『Kasso 2』は、1984年にイタリアのF1 Teamからリリースされた作品で、クレジット上のメンバーはClaudio Simonetti。電子的なサウンドを軸にしたItalo-Discoの流れの中に置くと、かなり分かりやすい位置にある1枚だ。80年代前半のイタリア産ダンス・ミュージックらしく、打ち込みのリズム、シンセサイザーのフレーズ、反復を活かした構成が前面に出る作りで、クラブ向けの機能性と、家庭用のレコードとしての聴きやすさが同居している。

Kassoという名義自体は、Claudio Simonettiの活動と強く結びついて語られることが多い。Simonettiは、イタリアの映画音楽やシンセサウンドの文脈でも知られる人物で、その感触はこの作品にも通じている。ディスコの枠組みを保ちながら、メロディの置き方や音色の選択に、映画音楽由来の輪郭のはっきりした感覚が見える点が印象的だ。単にビートを刻むだけで終わらず、音の層を積み重ねていく作りが、この時代のイタロ・ディスコの中でも耳に残るところ。

作品の立ち位置

1984年という年は、Italo-Discoがひとつの型を作り上げていく時期にあたる。シンセベース、機械的なドラム、短いフレーズの反復といった要素が定着し、各レーベルから似た手触りの作品が次々と出ていた。その中で『Kasso 2』は、派手に流行を追うというより、当時のイタリア産ダンス・ミュージックの標準形をきちんと押さえた作品として聴ける。F1 Teamというレーベルのカタログに並ぶ他作と比べても、クラブ向けの実用性が前に出る一方で、音作りには一定の個性がある。

また、この作品を聴くと、同時代のイタロ・ディスコを代表するプロジェクト群、たとえばKoto、Hypnosis、Baltimora周辺の整ったシンセ使いとも地続きに感じられる。とはいえ、Kassoではより素直に反復を軸にした構成が目立ち、ダンスフロアでの持続性を意識した作りに寄っているように思える。

サウンドの特徴

全体としては、シンセのリフ、跳ねすぎない四つ打ち寄りのビート、低音の推進力が柱になっている。音の密度は高すぎず、各パートがはっきり分かる配置で、80年代中盤のイタロ・ディスコに見られる「明快さ」がある。ボーカルが前面に出るタイプというより、インストゥルメンタル寄りの快感や、短いフックを繰り返して引っ張る作りが目立つ。レコードとして聴くと、A面からB面へ進んでもテンションの保ち方が大きく崩れず、一定の温度で走り切る印象だ。

また、Claudio Simonettiの関与を踏まえると、単なるダンス・トラック以上に、音の選び方に緻密さがある。シンセの音色が前に出る場面でも、過度に派手へ振り切らず、輪郭を保ったまま積み上げていく。そのため、同じ時代の華やかなユーロ・ディスコと比べると、やや硬質で、機械的な整い方が目立つ。そこがこの作品の性格を決めている部分でもある。

注目したいポイント

この種の作品でまず耳に入るのは、冒頭の数曲で提示される基本設計だろう。シンセの短いモチーフを反復しながら、リズム隊がじわじわと推進力を作っていく流れは、Italo-Discoの王道に近い。ただし『Kasso 2』では、その王道をなぞるだけでなく、音の抜き差しが比較的はっきりしていて、フレーズの切り替えにメリハリがある。聴き進めるうちに、派手な展開よりも、同じ素材を少しずつ変化させる構成の面白さが見えてくる。

代表曲として語られることが多いのは、やはりアルバムの中でフックが立っている曲群だろう。メロディが前に出る場面では、イタロ・ディスコらしい分かりやすさがありつつ、シンセの音色に少し冷たい質感が乗る。この温度差が、単純な陽性だけでは終わらない聴後感につながっている。レコードで聴くと、低域のまとまりと中高域の抜けが程よく、ダンス・トラックとしての機能が見えやすい。

同時代とのつながり

1984年のイタリア産エレクトロニック・ダンス作品を並べてみると、『Kasso 2』は、スペース・ディスコの派手さよりも、シンセ主導の実直な構成に寄っている。F1 Teamのリリース群に見られる、ライセンス盤中心のカタログとは少し距離を保ちながらも、時代の空気そのものはしっかり共有している。イタロ・ディスコの中でも、メロディの分かりやすさと機械的な反復のバランスを楽しめる1枚として、位置づけやすい作品だ。

『Kasso 2』は、80年代前半のイタロ・ディスコが持っていた「踊れること」と「音そのものを聴かせること」の両方を、無理なく同居させたアルバムとして見えてくる。Claudio Simonettiの名前が示す通り、単なる匿名的なダンス・プロダクトではなく、音色の組み立てに作り手の輪郭がある。作品全体を通して、その整った感触を確かめるのが、このレコードのいちばん分かりやすい聴きどころだろう。

トラックリスト

  1. A1 Baby Doll
  2. A2 I Love The Piano
  3. A3 Dancing On The Beach
  4. A4 Staten Island
  5. A5 Sound Of Rimini
  6. B1 Running
  7. B2 Dream
  8. B3 Round Dance
  9. B4 Dig-It
  10. B5 A New Life

動画

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