Rick James - Come Get It! (1978)
Rick James 1978

Rick James - Come Get It! (1978)

Funk / Soul Funk Disco

Rick James『Come Get It!』について

Rick Jamesの『Come Get It!』は、1978年にUSのGordyから出たデビュー・アルバム。のちに「パンク・ファンク」と呼ばれるRick Jamesの方向性が、この時点ですでにかなりはっきり見えている作品である。Funk / Soulを土台にしながら、ディスコ期の空気も取り込み、ベース、リズム、歌の押し出しで曲を前へ進める構成。Stone City Bandを従えた最初の大きな記録でもあり、Rick James本人のキャリアを語るうえで出発点に置かれる一枚。

制作の背景と位置づけ

録音は1977年から78年にかけて、ニューヨーク州クラレンスのCross-Eyed Bear StudiosとニューヨークのRecord Plantで行われた。プロデュースはRick James自身とArt Stewart。バックを支えたStone City Bandは、後のRick James作品でも重要になる演奏集団で、このアルバムではその初期形が確認できる。タイトル曲ではなく、むしろアルバム全体の流れの中でRick Jamesの声とリズム感が前に出る作りで、ソウルの歌唱とファンクの反復が同居している。

Rick Jamesはそれ以前から長い下積みを重ねていた人物で、60年代にはカナダでThe Mynah Birdsを組み、Neil YoungやBruce Palmerと同じ場にいた時期もある。そうした経歴を踏まえると、『Come Get It!』は単なる新人の1枚ではなく、複数の現場を経てようやく形になった初の大作という性格が強い。

収録曲とヒット曲

このアルバムで特に重要なのは「You And I」と「Mary Jane」。どちらもRick Jamesの代表曲として知られている。「You And I」はBillboard R&Bチャートで2週連続1位、Hot 100では13位を記録し、アルバムの知名度を一気に押し上げた。「Mary Jane」もR&Bチャート3位のヒット。Stone Diamond Music Corp.出版、Motown制作というクレジットの通り、当時のモータウン系R&Bの枠組みの中にありながら、音の芯はかなりRick James自身の色が濃い。

実際に聴くと、「You And I」の引きの強さはすぐ分かる。シンセベースのうねりが前面に出て、歌がその上を強く押し切る形。リズム隊は細かく刻むというより、反復で圧をかける設計で、曲の長さ以上にグルーヴの持続が目立つ。「Mary Jane」も同じくベースラインがはっきりしていて、歌のフックがそのまま曲の推進力になっている。歌詞の内容も含めて、Rick Jamesらしい直線的な作り。

サウンドの特徴

『Come Get It!』の音作りは、70年代後半のディスコ期の空気を持ちながら、一般的なディスコの滑らかさだけには寄っていない。ドラムは前に出て、ベースは粘る。鍵盤やシンセは装飾というより、リフの一部として機能している。ここが後のRick Jamesの代名詞となる「Punk Funk」の出発点として語られる理由でもある。Jamesのボーカルも、甘さよりも押し出しが先に来るタイプで、曲全体を支配する力がある。

同時代のファンクやソウルと比べると、Sly Stone的なラフさや、Parliament/Funkadelicの宇宙的な拡張とは少し違い、より都市的で、輪郭がはっきりしている。モータウン系の洗練も残しつつ、演奏はかなり攻撃的。そこにRick Jamesのキャラクターが重なって、この作品固有の硬さが生まれている。

作品としての意味

『Come Get It!』は、Rick Jamesが後に80年代へ持ち込む個性を最初に大きく示したアルバム。ヒット曲を含み、ゴールド認定につながったことで、彼の名前を広く浸透させた。なお、アルバムの成功は「You And I」と「Mary Jane」の存在が大きく、シングルの強さがそのまま作品全体の評価に結びついている。

録音クレジットやレーベル表記を見ると、Motownの流れの中にありながら、Rick James本人の主導性がかなり強い。1978年のUSオリジナル盤としては、Gordyレーベルのモータウン系R&B作品の中でも、ファンクの圧が前に出た一枚として印象が残る。Rick Jamesの出発点を確認するには、かなり重要な記録である。

トラックリスト

  1. A1 Stone City Band, Hi! 3:27
  2. A2 You And I 8:04
  3. A3 Sexy Lady 3:49
  4. A4 Dream Maker 5:14
  5. B1 Be My Lady 4:46
  6. B2 Mary Jane 4:58
  7. B3 Hollywood 7:25
  8. B4 Stone City Band, Bye! 1:06

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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