Heatwave - Central Heating (1977)
Heatwave 1977

Heatwave - Central Heating (1977)

Funk / Soul Disco

Heatwave『Central Heating』について

Heatwaveの『Central Heating』は、ディスコとファンクの要素を軸にしたセカンド・アルバムで、1978年作として語られることが多い作品だが、ここで扱う盤は1977年のUKオリジナル盤にあたる。『Boogie Nights』の成功で一気に名前を広めた後の時期に置かれるアルバムで、バンドにとっては、単発のヒットを持つグループではなく、アルバム単位でも存在感を示した時期の記録になっている。

Heatwaveは、アメリカ人のJohnnie Wilder Jr.を中心にヨーロッパで結成された国際色の強いグループで、Rod Tempertonのソングライティングを大きな核にしていた。前作『Too Hot to Handle』で『Boogie Nights』が強い印象を残し、その流れで作られたのが『Central Heating』という位置づけになる。GTOからのリリースで、当時のUKディスコ/ソウルの文脈の中でも、しっかり商業的な手応えを持った作品だったことがうかがえる。

アルバムの中身

収録曲の中心にあるのは、やはり『The Groove Line』だろう。シングルとしても大きく動いた曲で、Heatwaveの代表曲として今もよく挙げられる。リズムの刻みが明確で、ベースとギターの動きが前に出る作り。そこにテンポのよいボーカルが乗る構成で、ディスコのフォーマットを使いながら、バンド演奏のまとまりがはっきり伝わる。

一方で、アルバム全体はアップテンポ曲だけで押し切る形ではない。バラードや中間テンポの曲が挟まれ、熱量の高い曲と落ち着いた曲の並びが作られている。AllMusicでも、Barry Blueのプロデュース、John Cameronのアレンジ/指揮、Rod Tempertonの作曲と鍵盤、Johnnie Wilder Jr.とKeith Wilderのボーカル面が確認でき、制作の役割分担がかなり明確な作品として見える。

実際に聴くと、音の置き方がかなり整理されている印象が強い。ドラムとベースが土台を作り、その上にホーンや鍵盤が重なっていく流れがわかりやすい。派手さだけで進むのではなく、各パートの入り方が丁寧で、曲ごとの輪郭が崩れにくい。ディスコ期の録音としては、踊らせるための推進力と、歌を聴かせるための余白が両立しているタイプのアルバムだと感じられる。

ヒット曲と評価

この作品を語るうえで外せないのは、『The Groove Line』の存在だ。R&Bチャート3位、ポップ・チャート7位という成績を残し、Heatwaveのカタログの中でも特に広く知られる曲になった。『Boogie Nights』がバンドを世に出した代表曲だとすれば、『The Groove Line』はその勢いをアルバム単位へつなげた曲、という見方ができる。

当時の評価は一様ではなかった。Robert Christgauはこの作品をかなり辛めに見ていて、ディスコ的な既製品として扱っている。一方で、後年の回顧では、Rod Tempertonの作曲力や、ソウル/ディスコを滑らかにまとめる手つきが見直されている。Heatwaveの音楽は、同時代のEarth, Wind & FireやThe Commodoresのように、ファンクの推進力とポップな聴きやすさの接点にあるものとして捉えやすい。

作品の位置づけ

『Central Heating』は、Heatwaveの初期キャリアの中でも重要な地点にある。『Boogie Nights』で名前を広め、『The Groove Line』でその勢いを維持し、アルバムとしての完成度も示した時期の記録だからだ。しかもこのあと、Johnnie Wilder Jr.の事故やメンバーの離脱など、バンドには大きな変化が続く。そう考えると、このアルバムは、Heatwaveが最も勢いを持っていた時期のまとまりとして聴こえてくる。

また、Rod Tempertonが後にMichael Jacksonの楽曲群へ深く関わっていくことを踏まえると、この時点でのHeatwaveには、後の80年代ポップ/R&Bへつながる作曲感覚も見えている。派手な仕掛けより、リズムの流れ、歌の置き方、フックの作り方で引っ張る手つき。その積み重ねが、このアルバムの骨格になっている。

UKオリジナル盤として

今回のUK盤はGTOのGTLP 027。レーベルがCBS傘下へ移る前の時期に出た盤で、Heatwaveの初期ディスコ期をそのまま伝える一枚になる。B3の『The Star Of The Story』は、レーベル表記では『The Star Of The Story (X)』となっている点が特徴で、こうした表記の違いも当時のオリジナル盤らしい要素として見ておきたいところだ。

『Central Heating』は、Heatwaveの代表曲を含みつつ、バンドの演奏力とソングライティングの両方を見せるアルバムとしてまとまっている。ディスコの時代性が強い作品ではあるが、単なる流行の記録というより、70年代後半のソウル/ファンクの作法をきっちりアルバムに落とし込んだ一枚、という印象が残る。

トラックリスト

  1. A1 Put The Word Out 6:36
  2. A2 Send Out For Sunshine 4:28
  3. A3 Central Heating 4:42
  4. A4 Happiness Togetherness 3:59
  5. B1 The Groove Line 4:14
  6. B2 Mind Blowing Decisions 4:16
  7. B3 The Star Of A Story 5:35
  8. B4 Party Poops 3:51
  9. B5 Leavin' For A Dream 3:24

動画

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