Roger Bunn - Piece Of Mind (1970)
Roger Bunn 1970

Roger Bunn - Piece Of Mind (1970)

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Roger Bunn『Piece Of Mind』について

Roger Bunnの『Piece Of Mind』は、1970年にUKのMajor Minorから出た唯一のソロ作品である。ギタリスト/シンガーソングライターとしてのBunnを知るうえで、まずこの1枚が本人の代表的な記録として位置づけられる。録音は1969年に行われ、作品としては70年の空気をまといながら世に出た盤で、フォーク・ロック、サイケデリック・ロック、ポップ・ロックのあいだを行き来する内容になっている。

作品の輪郭

このアルバムは、ソウル寄りのブラス、アシッド・ロック、ジャズ、フォーク、ポップが混ざった構成で知られている。曲ごとのまとまりよりも、演奏の流れや音の切り替わりに耳が向くタイプの作品で、ロック・アルバムとしてはかなり実験色が強い部類に入る。とはいえ、極端に難解な方向へ振り切るのではなく、歌ものとしての輪郭を残しているのが特徴である。

実際に聴くと、ギターを中心に置きながらも、楽曲によってはブラスの存在感が前に出たり、リズムの取り方がジャズ寄りに寄ったりする。サイケデリックな響きがある一方で、メロディはポップ寄りに着地する場面もあり、ひとつのジャンルに収まらない作りになっている。派手なヒット狙いのアルバムというより、曲ごとの表情の違いを追っていく面白さがある盤だ。

発表までの経緯

『Piece Of Mind』は、制作から発表までの時間差がある作品でもある。録音後、Major Minorにライセンスされ、リリースには遅れが生じたとされる。結果として、Bunn本人の活動の流れの中では「先に録られ、後から出た」アルバムという性格が強い。こうした経緯もあって、当時の商業的な話題作というより、後年に掘り起こされて評価が定着したタイプの作品として語られている。

Major Minorは、1960年代後半のUKで独特の存在感を持ったレーベルで、幅広い音楽を扱っていた。『Piece Of Mind』もそのカタログの中では、売れ線のロック作品というより、少し変わった手触りを持つ録音として収まっている。UKサイケやフォーク・ロックの流れを見渡すと、同時代の作品群の中でも、より素朴さと実験性が同居した1枚として見えやすい。

アーティストとしての位置づけ

Roger Bunnは、1942年にノリッジで生まれ、2005年にロンドンで亡くなったUKのギタリストであり、人権活動家でもあった。『Piece Of Mind』は、そんな彼のソロ作として残された重要な記録で、後の活動へ向かう起点のような位置にある。本人のキャリアを知るうえでも、このアルバムは単なる初期作ではなく、音楽性の核が見える作品として扱われている。

AllMusicなどでは、この盤は長く埋もれていた名盤として紹介されている。派手な売上や主要チャートの記録よりも、ミュージシャン側やカルトなリスナーのあいだで評価が積み上がった作品で、そうした再評価の流れもこのアルバムの性格と合っている。音の作り込みや曲順の流れを追うと、70年前後の英国ロックにあった、少し荒くて、しかし手触りのある制作感がそのまま残っている。

再発盤との関係

オリジナルは1970年のUK盤だが、その後に再発が整い、作品の輪郭が見えやすくなった。再発盤では、長く入手しづらかった時期を経て、改めてこのアルバムの位置づけが確認されることになった。初出当時は広く知られたヒット作ではなかったが、後年になるほど「埋もれていた英国サイケ/フォーク・ロックの記録」として参照される機会が増えた盤である。

同時代とのつながり

文脈としては、David BowieやNick Drakeのように、60年代末から70年代初頭のUKでフォークとロックのあいだを探った作品群、あるいはサイケデリックな響きを残した英国のカルト盤と並べて語られやすい。もっとも、『Piece Of Mind』は大作志向というより、個人の感覚が前に出た小回りの利くアルバムで、その点に独自性がある。Roxy Music初期へつながる前史としてBunnを見るときにも、この1枚は外せない記録になっている。

『Piece Of Mind』は、完成度を誇示するタイプの作品ではないが、曲、編成、音の置き方に当時ならではの試行が見えるアルバムである。1970年のUKロックのなかで、少し脇道に見える場所から出てきた作品として眺めると、その存在感がよくわかる1枚だ。

トラックリスト

  1. A1 Road To The Sun
  2. A2 Jac Mool
  3. A3 Fantasy In Fiction
  4. A4 Crystal Tunnel
  5. A5 3 White Horses
  6. A6 Cattatonia
  7. A7 Suffering Wheel
  8. B1 Gido The Magician
  9. B2 Powis Square Child
  10. B3 Old Maid Prudence
  11. B4 Humble Chortle
  12. B5 Jasons Ennui
  13. B6 110° East +107° North

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