Instant Funk - Instant Funk (1979)
Instant Funk 1979

Instant Funk - Instant Funk (1979)

Funk / Soul Funk Disco

Instant Funk『Instant Funk』(1979)

Instant Funkのセルフタイトル作『Instant Funk』は、1979年にSalsoul Recordsから出たアルバムで、グループの存在感を一気に押し上げた重要作だ。アーティストはニュージャージー州トレントン出身のソウル/ファンク・グループで、もともとは1970年代初頭にThe Music Machine名義で活動を始めた。のちにInstant Funkへ改名し、フィリー・ソウルの文脈に接続しながら、ダンス・フロア向けの強いグルーヴを武器にしていく流れがある。

この1979年作は、そうした経歴の中でも特に分かりやすく成果につながった作品だ。制作面では、バンドを見出したBunny Siglerの関与が大きい。Siglerはフィラデルフィア周辺のソウル/ディスコに深く関わった人物で、本作でもプロデュースを担当している。バンドの持つ演奏力と、Siglerの現場感覚がそのまま結びついたアルバムという印象が強い。

代表曲「I Got My Mind Made Up」

このアルバムを語るうえで外せないのが「I Got My Mind Made Up (You Can Get It Girl)」だ。シングルとして大きく反応を得た曲で、R&Bチャートとディスコ・チャートで1位、Hot 100でも20位を記録した。アルバム全体の知名度を押し上げた中心曲であり、Instant Funkの名前を広く知らしめた存在でもある。

レコードのクレジットでは、この曲はスリーブ上で5分20秒表記だが、ラベルには7分13秒と記されている。実際に収録されているのは、クレジット上では明記されていないものの、よく知られたミックスのほうだ。ディスコ期らしい長尺の展開を持つ曲として扱われてきたことが、当時のクラブ志向とも重なる。

サウンドと演奏の特徴

演奏は、いわゆる“踊らせるためのバンド”としての機能がはっきりしている。Raymond Earlのベース、Scotty Millerのドラム、Kim Millerのギターを軸に、ホーン隊やキーボードが厚みを作る構成。録音はフィラデルフィアのAlpha International Recording Studios、Sigma Sound Studios、Philadelphia Music Worksで行われ、ミックスはニューヨークのBlank Tapes, Inc.、マスタリングはSterling Sound。制作の場所からも、フィリー・ソウルとニューヨークのディスコ文化が交差する位置にある作品だと分かる。

聴感上も、リズムの押し出しが先に立つ。ベースとドラムが細かく動き、上物がその上で整理された形で鳴るため、曲の輪郭が崩れにくい。ファンクの骨格を保ちながら、ディスコ向けの推進力を持たせている点が、この時期のSalsoul作品らしいところだ。派手な装飾よりも、リズムの反復とパートの噛み合わせで引っ張る作りである。

Salsoul時代の文脈

レーベルはSalsoul Records。1970年代ディスコの象徴的なUSレーベルのひとつで、商業12インチ・シングルの初期導入でも知られる。1978年以降はRCA Recordsが製造・流通を担っており、この盤もRCA Records Pressing Plant, Indianapolisでのプレスを示す“I”スタンプがランアウトに入る。ラベルまわりの仕様からも、当時のSalsoulが大手流通のもとで展開していたことがうかがえる。

Instant Funkにとってこのアルバムは、単なる2作目というより、グループの立ち位置を決めた作品として見るほうが自然だ。初期のバンド活動から、Bunny Siglerのバックを経て、自分たちの名義で前に出る流れ。その到達点がこの1979年作にある。フィリー・ソウルの職人性、ディスコの即効性、ファンクの粘りが同居した一枚と言える。

まとめ

『Instant Funk』は、チャート上の成功だけでなく、バンドの演奏力とプロデュースの方向性が噛み合った記録として残る作品だ。「I Got My Mind Made Up」の存在感が強い一方で、アルバム全体にも同じ方向の推進力が通っている。1979年というディスコの盛期に、フィラデルフィア周辺のソウル・シーンがどうファンクを更新していたか、その一端が見える内容である。

クレジットには、Bunny Siglerのプロデュース、PhiladelphiaとNew Yorkをまたぐ制作、そしてSalsoulらしいダンス志向が明確に刻まれている。Instant Funkというグループの名前どおり、グルーヴをつかんだ瞬間の強さが、そのまま盤面に残ったアルバムだ。

トラックリスト

  1. A1 I Got My Mind Made Up (You Can Get It Girl) 7:13
  2. A2 Crying 6:00
  3. A3 Never Let It Go Away 4:24
  4. A4 Don't You Wanna Party 4:00
  5. B1 Wide World Of Sports 3:25
  6. B2 Dark Vader 6:59
  7. B3 You Say You Want Me To Stay 3:54
  8. B4 I'll Be Doggone 7:00

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