S.S.O. - Give A Damn (1976)
S.S.O.『Give A Damn』
S.S.O.(The S.S.O. Orchestra / The Soul Sensation Orchestra)は、1970年代初頭にベルギーへ移住したアメリカ人ミュージシャンたちと、現地の精鋭プレイヤーによってブリュッセルで結成されたファンク/ディスコ・オーケストラ。1976年にベルギーの名門RKM(Roland Kluger Music)からリリースされた『Give A Damn』は、同年にアメリカ本国で『Shine Your Light』(Shadybrook盤)として発表された名盤のベルギー原盤である。
制作背景・エピソード
制作を率いたのは、敏腕プロデューサーのラルフ・ベナター(Ralph Benatar)とジョン・スルズニー(John Sluszny)。アメリカ出身の実力派トランペット奏者ダグラス・ルーカス(Douglas Lucas)をはじめ、後に「フランシス・ゴヤ(Francis Goya)」名義で世界的なヒットを放つ名ギタリストのフランシス・ウェイヤー(Francis Weyer)、そして女性コーラス・グループのザ・シュガー・シスターズ(The Sugar Sisters)らが参加した。なお、本作に集ったミュージシャンたちの多くは、後に世界的なディスコ・メガヒットとなるパトリック・エルナンデス(Patrick Hernandez)の「Born to Be Alive」(1979年)のレコーディング・バック演奏を務めたことでも知られている。
時代の文脈とサウンド
1970年代半ば、フィラデルフィア・ソウル(フィリー・ソウル)の世界的な隆盛に呼応するように、ヨーロッパ各地でも洗練されたディスコ・オーケストラが次々と誕生した。本作はその最高峰の一角であり、アメリカ直系の骨太で粘り気のあるファンク・グルーヴと、ヨーロッパ特有の流麗でメロウなストリングス/ブラス・アレンジが見事に結実している。
「Right Here Right Now」や「Shine Your Light」に見られる華やかで疾走感あふれるディスコ・ファンク、タイトル曲「Give A Damn」の小気味よいグルーヴ、そしてスティーヴィー・ワンダーの名曲をファンキーに昇華した「I Was Made To Love Her」など、フロア直結の充実したナンバーが並ぶ。
後世への影響
本作の評価を世界的なものに押し上げたのが、A面ラストに収録された至高のメロウ・チューン「Faded Lady」である。夕暮れに溶け込むようなエレピのコードワークと哀愁漂うホーン・セクションが織りなすこの曲は、90年代ヒップホップ黄金期の金字塔であるダイアモンド・D(Diamond D)「I Went for Mine」(1992年)のサンプリング・ソースとして発掘され、世界中のヒップホップ・ファンやディガーに衝撃を与えた。さらに2006年には、バスタ・ライムス(Busta Rhymes feat. Swizz Beatz)のヒット曲「New York Shit」(プロデュース: DJ Scratch)でも大々的にサンプリングされた。
日本においても、DJ MUROの伝説的ミックステープ『Diggin' Ice '96』に収録されたことで、フリー・ソウル〜メロウ・レア・グルーヴ屈指のキラー・クラシックとして語り継がれている。ユーロ・ファンク/ディスコの枠を遥かに越えて愛され続ける珠玉の一枚である。
トラックリスト
- A1 Right Here Right Now
- A2 Shine Your Light
- A3 Won't You Try
- A4 Bring It Up Front
- A5 Faded Lady
- B1 Give A Damn
- B2 I'm Your Baby
- B3 What It Be Foxy Baby
- B4 I Was Made To Love Here
- B5 SSO Theme