Sylvia Striplin - Give Me Your Love (1981)
Sylvia Striplin 1981

Sylvia Striplin - Give Me Your Love (1981)

Funk / Soul Boogie Funk Soul Disco

Sylvia Striplin『Give Me Your Love』(1981)

Sylvia Striplinの『Give Me Your Love』は、1981年にUSのUno Melodic Recordsから出たソロ作で、彼女にとって唯一のソロ・アルバムとして知られている。レーベルの中心にいたのはRoy Ayersで、本作もAyersとJames Bedfordのプロデュース。収録曲の並びは、ブギー、ソウル、ディスコ、ファンクの要素を軸にしながら、ジャズ・ファンク寄りの洗練された作りを持つ。派手に押し切るタイプではなく、音の配置と歌の置き方で引っ張るアルバム。

Sylvia Striplinはニューヨーク育ちのシンガー/ソングライターで、Aquarian DreamやRoy AyersのLadies of the Eightiesでも活動していた人物。本作は、そうした周辺での経験を踏まえて、ソロ名義でまとめた一枚という位置づけになる。バックボーカルや舞台経験を経てきた歌い手らしく、声の通し方に迷いが少ない。高く張り上げる場面よりも、リズムの上にすっと乗る歌い回しが印象に残る。ジャズやソウルの現場で育った歌手らしい感触がある。

表題曲と代表曲

タイトル曲「Give Me Your Love」は、本作の顔になっている楽曲。後年、Armand Van Heldenが「Full Moon」でサンプリングしたことでも知られる。原曲は、軽く跳ねるベースラインと、角の取れたコードワークが前に出る作りで、ディスコ直後の時代感を残しながら、ジャズ・ファンクの手触りもある。リズムが細かく動きすぎず、歌のフレーズをきれいに見せる配置になっているのが特徴的だ。

もうひとつ重要なのが「You Can't Turn Me Away」。こちらはシングルのB面でありながら、のちに大きな存在感を持つ曲になった。Junior M.A.F.I.A. feat. The Notorious B.I.G.の「Get Money」に使われたことで広く知られ、Erykah Baduも2010年に「Turn Me Away (Get MuNNY)」として取り上げた。原曲の持つ歌の粘りと、伴奏の間の取り方が、そのまま別の時代のヒップホップやR&Bへ接続していった形だ。

作品の位置づけ

1981年という時期は、ディスコの熱が落ち着き、ソウルやファンクがより洗練された形へ移っていく頃にあたる。本作もその流れの中にある。派手なクラブ・ヒットを狙うというより、Ayers系の流麗なグルーヴを土台に、歌を前へ置いた作り。近い文脈では、同時代のレア・グルーヴやジャズ・ファンク周辺の作品群、たとえばRoy Ayers周辺、あるいは洗練された女性ヴォーカルものと並べて語られることが多い。

Sylvia Striplin自身にとっては、これまでのグループ参加や舞台経験を集約したソロ作品であり、のちの評価の中心になった一枚でもある。発売当時は大きなヒットにはつながらなかったが、後年になってレア・グルーヴ愛好家の間で注目が高まり、オリジナル盤の存在感も強まった。Uno Melodicの濃いグリーンのレーベル面を持つ初回盤は、その後の再評価のなかで特に意識される存在になっている。

音の印象

実際に耳を通すと、全体の温度は高すぎず低すぎず、一定のテンポ感を保ったまま進む。ドラムとベースが前に出る曲でも、音数で押し込む感じは薄い。代わりに、キーボードやギターの細かな動きが歌を支え、ヴォーカルがその上で自然に流れていく。ソウル、ブギー、ディスコ、ファンクの境目を行き来しながら、どの曲も過剰に装飾しないところにまとまりがある。

収録曲の中で特に知られている2曲は、どちらもサンプリングやカバーを通じて後世に残った。つまりこのアルバムは、当時のチャート成績だけで測るより、のちの音楽制作に与えた素材として見るほうが輪郭がはっきりする作品だ。Roy Ayersが築いたソウル/ジャズ・ファンクの文脈の中で、Sylvia Striplinの声がどこに置かれているかを確認できる一枚でもある。

1981年のUSオリジナル盤は、当時の空気をそのまま閉じ込めた記録として扱われている。後年の再評価を前提に聴かれることの多い作品だが、曲単位で見ても、そしてアルバム全体で見ても、当時のニューヨーク周辺のソウル/ファンクの作法がよく出た内容になっている。

トラックリスト

  1. A1 Look Towards The Sky 4:33
  2. A2 Toy Box 4:17
  3. A3 You Can't Turn Me Away 5:28
  4. A4 All Alone 5:14
  5. B1 Give Me Your Love 6:20
  6. B2 Will We Ever Pass This Way Again 4:36
  7. B3 Searchin' 6:29
  8. B4 You Said 5:00

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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