The Beginning Of The End - Funky Nassau (1971)
The Beginning Of The End 1971

The Beginning Of The End - Funky Nassau (1971)

Rock Jazz Funk / Soul Latin Funk Jazz-Funk Psychedelic Calypso

The Beginning Of The End / Funky Nassau

バハマ、ナッソー出身のファンク・クァルテット、The Beginning Of The Endが1971年に発表したアルバムが、このだ。レイ・マニングス、フランク・マニングス、リロイ・マニングスの3兄弟にフレッド・ヘンフィールドを加えた4人組で、バハマのローカルな空気とアメリカン・ファンクを結びつけた作品として知られている。タイトル曲「Funky Nassau」の存在感が強く、バンドの代表作であり、結果的にグループの名前を広く残した一枚でもある。

このアルバムの背景には、ナッソーのクラブ文化がある。マニングス兄弟の父親は、ナイトクラブ「The Cat and Fiddle」を営んでおり、そこにはカウント・ベイシーやナット・キング・コールのような大物も出演していたという。幼いころから生演奏に触れる環境があり、そのままバンドの感覚につながっていった流れが見える。バハマの音楽とアメリカのR&B、ファンクが地続きに並ぶのではなく、実際の生活の中で混ざっていった印象が強い。

「Funky Nassau」の成り立ち

代表曲「Funky Nassau」は、レイ・マニングスとタイロン・フィッツジェラルドの共作。レイ自身が、ファンクを土台にしながらバハマ固有のジャンカヌーの要素を取り入れたかったと振り返っている。実際、その音はアメリカ本土のファンクと、カリブ海の祝祭音楽が同じ曲の中で動いているような作りになっている。リズムの押し出しは強いが、単に重いだけではなく、管楽器のフレーズやコーラスの入り方に島の気配が残る。

制作はマイアミのCriteria Studiosで行われ、借金2000ドルを元手にしたというエピソードも残っている。完成後はまずバハマで反響を呼び、ナッソーの人口規模を考えると大きな売れ方を見せた。その後アメリカ本土でもヒットし、Billboard Hot 100で15位、R&Bチャートで7位を記録した。地方発の録音がそのまま全米チャートまで届いた例としても印象的だ。

アルバムとしての輪郭

アルバム全体は、タイトル曲の強さが先に立つ一方で、単なるヒット曲頼みの構成にはなっていない。ジャズ、ロック、ラテン、ファンク/ソウルという分類が付いているが、実際にはジャンルの棚をきれいに分けるより、演奏の現場感をそのまま置いたような手触りがある。演奏はきっちりしていて、リズム隊の押しとホーンの切り返しが分かりやすい。音の輪郭がはっきりしているので、ファンクの反復だけでなく、カリプソやサイケデリックの気配も無理なく入ってくる。

聴き進めると、「Funky Nassau」だけが特別に浮いているのではなく、バンドがもともと持っていた混成的な感覚の延長にある曲だと分かる。アメリカのソウルやファンクを参照しながら、バハマのダンス感覚を前に出していく作り。ここには、後年のクロスオーバーやアフロ・カリビアン系ファンクの先取りのような要素も見える。大きな編成で押し切るタイプではないが、少人数ならではのまとまりがある。

オリジナル盤と再発盤

この作品は1971年のオリジナル盤が黒盤で出ており、のちに同じカタログ番号で1990年代に再発された。さらに、その再発の中にはグリーン・ヴィニール仕様も存在する。コレクターの文脈では、オリジナル盤と再発盤の違いが話題になりやすいが、作品そのものの価値はやはり1971年の初出時点にある。Alston Recordsからのリリースで、同レーベルはマイアミ拠点のR&B、ソウル、ディスコ系レーベルとして知られ、The Beginning Of The Endの「Funky Nassau」を代表的な成功例として記憶されている。

この作品の位置づけ

The Beginning Of The Endは70年代に2枚のアルバムを残して解散したとされるが、その中でこのは決定的な一枚になっている。バンド名そのものより曲名が先に記憶されるケースは多いが、この作品の場合はそれが自然に見える。バハマのローカルな感覚、アメリカ南部のR&B回路、そしてマイアミ録音という条件が重なって、短い期間にしか成立しない音になっているからだ。

後年も再発が重ねられ、2017年にはStrutレーベルからの再発も行われた。ファンクの定番曲として、またカリブ海圏の音楽がアメリカのソウル/ファンク市場に入っていった例として、今も参照され続けている。作品を通して聴くと、単発のヒットではなく、島のバンドが自分たちの土壌を持ち込みながら時代のファンクに接続した記録として残っている。

トラックリスト

  1. A1 Funky Nassau (Part 1) 3:10
  2. A2 Funky Nassau (Part 2) 3:20
  3. A3 Come Down 4:20
  4. A4 Sleep On Dream On 3:00
  5. A5 Surrey Ride 4:29
  6. B1 Monkey Tamarind 3:10
  7. B2 In The Deep 4:50
  8. B3 Pretty Girl 4:52
  9. B4 When She Made Me Promise 4:11

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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