Vangelis - Beaubourg (1978)
Vangelis『Beaubourg』――1978年の抽象的な電子音楽作品
Vangelisの『Beaubourg』は、1978年にロンドンのNemo Studiosで録音された作品で、同年に日本盤もRCA(RVP-6312)から出ている。ヴァンゲリスがほぼ単独で鍵盤と多重録音を使い、作品全体を組み立てていた時期の一枚で、抽象性と実験性が前面に出た内容として知られている。AllMusicのSteven McDonaldは本作を「大きく暗いシンセのトーン詩」と評し、彼が『Heaven and Hell』で示した方向をさらに押し進めたものとしている。
制作背景・エピソード
『Beaubourg』の制作について、公的に確認できる細かな証言は多くないが、1978年当時のヴァンゲリスはNemo Studiosを拠点に、鍵盤と多重録音を中心とした制作体制を確立していた。録音はロンドンで行われ、作品は旋律を立てるよりも、音の塊や持続音、断片的なフレーズの組み合わせに重点が置かれている。AllMusicでは、こうした方向性が『Heaven and Hell』の延長線上にあるものとして扱われている。
この作品には、参加ミュージシャンやプロデューサーの役割を大きく前面に出す情報は見当たらず、ヴァンゲリス自身の制作主導が強いタイトルとして整理されている。日本盤には和文の解説シートとワイド帯が付属していた。
時代の文脈
1970年代後半のヴァンゲリスは、『Albedo 0.39』『Spiral』などで、シンセサイザーをオーケストラ的に扱う作風でも注目を集めていた。その流れの中で発表された『Beaubourg』は、メロディのわかりやすさよりも音響実験を前面に出したため、ファンのあいだでも特に聴きづらい作品のひとつとして語られている。AllMusicでも、彼の代表的な叙情路線というより、前衛電子音楽やミニマリズムの文脈に寄った異色作として位置づけられている。
1978年という年は、プログレッシブ・ロックの流れが細分化し、電子音楽の方向性も分かれていった時期にあたる。そうした中で『Beaubourg』は、ヴァンゲリスのキャリアのなかでもかなり実験色の強い地点を示す一枚として残っている。
サウンドと受け止められ方
AllMusicのレビューでは「暗いシンセのトーン詩」とされ、同時に「聴きづらい作品」とも述べられている。ユーザーレビューでは、抽象的な音の衝突、不穏な質感、断片的に現れる旋律性が注目され、「大胆で過激」「アシッド的に聴こえる」といった反応も見られる。明快な曲展開を追うというより、音そのものの圧や配置に耳が向く作品として扱われている。
盤の情報
日本盤はRCAのRVP-6312。1978年リリースで、タイトルの初出年と同年の盤となる。ジャケットや帯を含む日本仕様の体裁も、この時代の輸入盤とは異なる魅力を持つ一枚だ。
トラックリスト
- A Beaubourg Part I
- B Beaubourg Part II
動画プレイリスト
このアーティストについて
Vangelisは、ギリシャ出身の作曲家、編曲家、演奏家だ。名前はEvangelos Odysseas Papathanassiouで、1943年3月29日にギリシャ・テッサリア地方の海辺...
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