Various - The Psychedelic Snarl (1984)
Various 1984

Various - The Psychedelic Snarl (1984)

Rock Psychedelic Rock

Various『The Psychedelic Snarl』

『The Psychedelic Snarl』は、Bam Carusoが1984年にUKで出したコンピレーションで、同レーベルの「Rubble」シリーズ第1弾として登場した作品です。英60年代のサイケデリック・ロックとフリークビートのシングル、B面曲を集めた編集盤で、Phil Smeeが編者を務めています。ジャケット裏には「Choice U.K. Psychotic Freakbeat from the sixties.」「From the original mastertapes.」とあり、Phonogram LtdとD.J.M. Recordsからライセンスを受けたことも明記されています。

制作背景・エピソード

この盤の特徴は、単なる拾い集めではなく、権利処理と資料性を意識して組まれている点です。後年の回顧では、Bam Carusoの仕事は詳細なライナーで各曲の来歴を補強することまで含めて語られており、実際に本作にはバンドごとの解説や当時のギグ広告の複製を収めた8ページの中綴じブックレットが付属しています。盤は厚手の黒いインナー・スリーブ入りで、ランアウトの刻印は機械打ちが中心、片面には手書きで「GET ME TO THE WORLD ON TIME」と入っています。

レーベル面のクレジットも詳細です。A面では「2,4,7,8」がPhilips録音、「1,6」がFontana、「3,5」がDJM、B面では「2」がPhilips、「1,4,5,6,7,8」がFontana、「3」がDJMの原盤録音とされ、収録曲ごとの権利関係が整理されています。なお、Living Daylightsのクレジットには誤りがあり、Curt CresswellとBob Heatherはこのバンドのメンバーでも、この録音の参加者でもないと注記されています。

時代の文脈

1984年当時、この種の英国サイケ再評価はまだ珍しく、『The Psychedelic Snarl』は“ポストNuggets”時代の入口として扱われています。収録曲はヒット曲中心ではなく、モッズ周辺からサイケへ接続したローカルなバンドや、埋もれていた珍曲が並びます。AllMusicでは、Wimple Winch、Craig、The Hush、Open Mindといった名前がこの編集盤の核として挙げられています。

この盤の初版には1983年に組まれた形跡があり、12インチの見開きインサート付き版の存在も確認されています。盤そのものは1984年のリリースですが、コンピレーションとしての構想と編集はその前年から動いていたことがうかがえます。Bam Carusoは、のちにRPM Records経由で旧カタログ再発の対象にもなっており、同レーベルの「Rubble」シリーズは後続の再発掘企画の土台になりました。

後世への影響

後年の資料では、『The Psychedelic Snarl』は英国60年代フリークビート/サイケ再評価の先駆けとして参照されています。とくに『Rubble』シリーズは、後続の編集盤群に影響した存在として語られており、再発掘の流れを作った一枚として扱われています。収録曲の中では、Wimple Winch、The Hush、Open Mindの楽曲が繰り返し言及され、再評価の対象として定着しています。

聴きどころについては、AllMusicのRichie UnterbergerがWimple Winchの3曲を「素晴らしいフリークビート」、Craigの「I Must Be Mad」を「demented」、The Hushの「Grey」を「英国サイケの名曲級」と評しています。一方で、盤全体については「半分ほどは普通」とも述べており、強い曲と資料的価値の両方で見られていることがわかります。

チャート実績や大きな売上数字は確認できていません。少なくとも今回の範囲では、商業的な成績よりも、編集盤としての内容整理と再評価の流れの中で重要視されている作品です。

トラックリスト

  1. A1 Wimple Winch Atmospheres
  2. A2 The Mirror Faster Than Light
  3. A3 Caleb Woman Of Distinction
  4. A4 Martin Cure & The Peeps It's All Over Now
  5. A5 The Living Daylights Always With Him
  6. A6 The Misunderstood Never Had A Girl Like You Before
  7. A7 The Open Mind Cast A Spell
  8. A8 The Dakotas The Spider And The Fly
  9. B1 Wimple Winch Rumble On Mersey Square South
  10. B2 The Open Mind Magic Potion
  11. B3 The Living Daylights Let's Live For Today
  12. B4 The Craig I Must Be Mad
  13. B5 Unit 4+2 I Will
  14. B6 The Hush Grey
  15. B7 Wimple Winch Save My Soul
  16. B8 The Mindbenders The Morning After

動画プレイリスト

公開: 2026年10月
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