Affinity - Affinity (1970)
Affinity『Affinity』
Affinityの『Affinity』は、1970年にVertigo Recordsから出たバンド唯一のスタジオ・アルバムで、ここで紹介するのは2000年にイタリアのAkarmaから出た再発盤。オリジナルは1970年作で、録音は1968年から1970年にかけてTrident StudiosとIsland Studiosで進められ、John Anthonyがプロデュースを担当した。ジャケットはMarcus Keefのデザイン。Akarma盤には180グラム盤の単売スリーブ仕様があり、同時にゲートフォールド版も用意されていた。
制作背景・エピソード
このアルバムは、Affinityにとって最初で最後のオフィシャルなスタジオ盤。前身は大学時代のジャズ・トリオで、ロンニー・スコットの後押しを受けて発展し、マネジメント面でも彼が関わっていた。録音は1970年2月のTrident Studiosで行われ、Mo Fosterは、当時のライブ活動で鍛えられた編成だったと回想している。収録曲には自作に加えて、Bob Dylan、Everly Brothers、Lovin’ Spoonful、Alan Hullの楽曲の再解釈も含まれる。さらに、John Paul Jonesが一部のブラス/ストリングス・アレンジを担当した点も重要な要素として挙げられている。
曲目の注記として、(A)3の曲名はしばしば「I wonder if I'll care as much」と誤記されるが、正しくは「I wonder if I care as much」。細かな部分だが、再発盤や紹介記事で見かける際には気になるところ。
時代の文脈
1970年前後の英国では、ジャズ、ブルース、サイケデリック、ロックが交差する動きが強まり、Affinityもその流れの中にいたバンドとして語られている。Vertigoの“swirl”レーベルからのデビューという点も、当時のアンダーグラウンド志向を示す要素としてしばしば触れられる。バンドの輪郭を決めたのはLinda Hoyleの歌で、彼女のブルージーな歌声が大きな個性として扱われている。
アルバムの評価では、AllMusicがLinda Hoyleの歌を「Bessie Smith、Grace Slick、Sandy Dennyを混ぜたよう」と表現し、Lynton NaiffのHammondにも強い個性があるとしている。また、John Paul Jonesのブラス・アレンジが全体にソウルフルな色合いを与え、Brian Auger/Julie Driscoll系の感触を思わせるとも評された。別のレビューでは、11分超の「All Along the Watchtower」が特に取り上げられ、ギターとオルガンの応酬が聴きどころとして挙げられている。
後世への影響
この作品は、後年の再発と再評価の流れで知られるようになった盤でもある。Cherry Red傘下のEsotericによる拡張版の紹介では、レアな英国アンダーグラウンドの名盤として扱われており、再発盤や拡張版が続いたことが確認できる。影響を受けたアーティスト名を直接示す資料は限られるものの、少なくとも再紹介の過程で、ジャズ・ロック/プログレの文脈で見直されてきた作品として位置づけられている。
商業面では大きなチャート実績やヒットの記録は見当たらないが、内容面での評価と再発の継続が、このアルバムの存在感を支えている。オリジナルのVertigo盤と比べると、Akarma盤は2000年の再発として流通し、180グラム盤やゲートフォールド仕様が用意された点が特徴になる。
トラックリスト
- A1 I Am And So Are You 3:31
- A2 Night Flight 7:15
- A3 I Wonder If I Care As Much 3:20
- A4 Mr. Joy 5:02
- Bonus Track
- A5 Eli's Coming (Bonus Track) 3:26
- B1 Three Sisters 4:57
- B2 Coconut Grove 2:35
- B3 All Along The Watchtower 11:36
- Bonus Track
- B4 United States Of Mind 2:44