Bodkin - Bodkin (1972)
Bodkin 1972

Bodkin - Bodkin (1972)

Rock Prog Rock Hard Rock

Bodkin『Bodkin』について

スコットランドのファルカークで1970年に結成されたBodkinが残した『Bodkin』は、1972年の作品として知られるアルバムだ。ジャンル表記はロック、スタイルはプログレッシブ・ロックとハード・ロック。70年代前半の英国ロックらしい、重さと展開の多さをあわせ持つ時代の空気がそのまま詰まった1枚として位置づけられる。

2022年にはUKのSeelie Courtから再発盤が出ている。Seelie Courtは、1960〜70年代の英国アンダーグラウンドや、埋もれた録音の発掘に力を入れてきた再発レーベルで、この盤もそうした文脈の中に置かれる作品だ。オリジナル盤の時代感を伝える資料としてだけでなく、当時の英国ロックの周縁にあったバンドを掘り起こす流れの中でも重要な一枚と見られる。

バンドの背景

Bodkinは、フロントの派手さで押すタイプというより、バンド全体のアンサンブルで聴かせるグループとして見ていくとわかりやすい。メンバーはDick Sneddon、Zeik Hume、Mick Riddel、Doug Rome、Bill Anderson。スコットランド出身のバンドらしく、英国本流のプログレやハード・ロックの要素を受けながらも、ローカルな地下シーンの手触りを残した存在だったように思える。

同時代の英国では、Deep PurpleやUriah Heepのようなハード・ロック勢と、King CrimsonやYesに代表されるプログレ勢が並走していた。Bodkinの『Bodkin』は、そのあいだを行き来するような立ち位置にある作品として捉えやすい。演奏の密度を上げながらも、曲の推進力を落としすぎないところが、同時代の英国ロックらしい。

2022年再発盤の意味

2022年盤はSeelie Courtによる再発で、オリジナルの1972年盤から半世紀を経たタイミングでの復刻になる。こうした再発盤は、単に聴きやすくしただけのものではなく、埋もれていた録音を改めて流通させる役割が大きい。Bodkinのようなバンドは、当時の大きな成功譚として語られるより、資料的な価値とともに再評価されるタイプの存在だ。

オリジナル盤と再発盤の違いとしては、時代の物理的な音質や入手性の差がまず挙げられる。2022年盤は、過去の記録をいまの環境で聴き直せる形に置き直したものとして受け取るとよい。Seelie Courtのカタログ全体にも共通するが、こうした再発は「有名盤の再販」ではなく、「見落とされてきた盤の再提示」という性格が強い。

注目曲・聴きどころ

収録曲ごとの詳細なクレジットやシングル情報は手元の情報では確認しにくいが、アルバム全体としては、曲の導入からリフを立て、そこから展開を広げていく構成が聴きどころになる。ハード・ロック寄りの押し出しと、プログレッシブ・ロック的な組み立てが、1曲の中で切り替わる場面に耳が行く。ギター、オルガン、リズム隊の役割分担がはっきりした、70年代初頭の英国らしい鳴り方だ。

特定のヒット曲で広く知られる作品というより、アルバム全体を通してバンドの輪郭をつかむタイプの作品といえる。派手な一発で押し切るのではなく、各曲の中でテンポや強弱を変えながら、バンドの演奏のまとまりを見せる流れ。こうした作りは、当時の英国の中堅プログレ/ハード・ロック盤にしばしば見られるもので、Bodkinもその系譜の中で理解しやすい。

総括

『Bodkin』は、1972年の英国ロックの空気を、スコットランドのローカル・バンドという視点から切り取った作品だ。大きく語られる名盤というより、再発によってようやく輪郭が見えやすくなったタイプの一枚で、Seelie Courtの仕事とも相性がいい。プログレッシブ・ロックとハード・ロックの接点にある、当時の地下シーンの記録として、静かに存在感を持つアルバムである。

トラックリスト

  1. A1 Three Days After Death (Part 1) 9:28
  2. A2 Three Days After Death (Part 2) 7:09
  3. B1 Aunty Mary's Trashcan 10:48
  4. B2 Aftur Yur Lumber 5:12
  5. B3 Plastic Man 5:59

動画

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