Manfred Mann's Earth Band - Nightingales & Bombers (1975)
Manfred Mann's Earth Band『Nightingales & Bombers』(1975)
Manfred Mann's Earth Bandが1975年に発表した6作目のスタジオ・アルバムが『Nightingales & Bombers』である。前年までの流れを受けながらも、ロック色を前面に出しつつ、プログレッシブ・ロック寄りの構成や編集感覚をはっきり押し出した一枚で、バンドの中期を代表する作品として扱われている。UKではBronze、USではWarner Bros.からのリリースで、今回のUS盤はWarner Bros. Records(BS 2877)名義の1975年盤。ジャケットやレーベルの表記にも、当時のワーナーらしい「Burbank, Home of Warner Bros. Records」仕様が見える。
バンドの流れの中での位置
Manfred Mannは60年代にポップ・グループとして成功し、その後のManfred Mann Chapter Threeを経て、1971年にManfred Mann's Earth Bandを結成した。ここでの中心は、モーグ・シンセサイザーを軸にした音作りで、キーボードとギターを軸にしたロック・バンドとして独自の形を作っていく。本作はその中でも、70年代半ばの充実期に置かれる作品で、のちの大ヒット曲「Blinded By the Light」へつながる流れの前段階にもあたる。ギター/ヴォーカルのMick Rogersが一度離れる直前の時期でもあり、バンド編成の面でも節目の一枚だ。
タイトルの由来とアルバムの核
アルバム・タイトルは、第二次世界大戦中の録音に由来する。サリー州でナイチンゲールの声を録音しようとした際、偶然に爆撃機の飛行音が入ってしまったという記録が元になっており、その音源は収録曲「As Above So Below」に組み込まれている。こうした実録音の引用は、この作品の性格をよく示している。単なるロック・アルバムではなく、素材の切り貼りや音響効果を含めた編集型の作品として聴こえる。
実際に耳を通すと、曲間のつながりや音の重ね方に、70年代中盤の英国ロックらしい手つきがある。演奏は硬質で、リズム隊は前に出る。そこにManfred Mannの鍵盤が加わり、ギターが線を引く。派手な技巧見せよりも、曲の骨格をはっきりさせる組み立てで進む印象だ。
「Spirits In the Night」の意味
冒頭曲「Spirits In the Night」は、Bruce Springsteenの楽曲を取り上げたもので、Manfred Mann's Earth Bandにとって初のSpringsteenカバーとして知られる。原曲をそのままなぞるのではなく、かなり大胆に組み替えたアレンジで、10/4拍子を含む独特の流れを持つ。のちに彼らがSpringsteen楽曲で大きな成功を収めることを考えると、この時点ですでにバンドの重要な方向性が見えている。
この曲はシングル化もされ、アルバムの入口として強い役割を果たしている。Springsteenの曲をロック・バンドのレパートリーとして再解釈する手法は、当時としてはかなり目立つものだったはずで、ブルース・ベースのアメリカン・ロックとは違う、英国側の解釈が前面に出る。
収録内容とUS盤の特徴
US盤の中心的な特徴のひとつは、B2にあたる曲がアメリカ盤のみの収録で、ヨーロッパ盤には入っていない点である。こうした地域差は70年代のLPでは珍しくなく、この盤を追う面白さのひとつになっている。レーベル表記では曲名が「Nightingales And Bombers」となっており、センター・ラベルにはWB Music Corp.管理の表記や、各曲の出版情報が細かく記されている。
また、US盤はWarner Bros.の1975年Burbank Palm Trees系デザインの時期にあたり、レーベル下部の住所表記や周辺文字にも当時の仕様が反映されている。コレクター目線では、同じ1975年盤でもラベルの細部で時期差を確認できるタイプのタイトルだ。
同時代の文脈
この時期のManfred Mann's Earth Bandは、英ロックの中でも、プログレッシブ・ロック、ハード・ロック、シンセ主体のアレンジが交差する地点にいる。比較対象としては、同時代の英国ロック勢、とくにキーボードを前に出すバンドや、曲の再構成を得意とするアーティストが挙がることが多い。だが本作は、演奏技術の誇示よりも、既存曲の解釈とオリジナル曲の配置でアルバム全体を組み上げている点に特徴がある。
批評面では評価が割れた記録もあるが、その一方で年間ベストに挙げる向きもあり、のちの再評価につながる流れは早くからあった。派手なヒット作ではないものの、Manfred Mann's Earth Bandが70年代半ばにどの地点にいたかを示す資料性の高いアルバムで、バンドのカタログの中では、転換点と成熟期の両方を含む一枚として見えてくる。
まとめ
『Nightingales & Bombers』は、1975年のManfred Mann's Earth Bandをそのまま封じ込めたような作品である。Springsteen曲の再解釈、戦時録音の引用、鍵盤とギターを軸にした硬いバンド・サウンド、US盤ならではの収録差。そうした要素が並び、単なるロック・アルバム以上の輪郭を持つ。聴きどころは、曲の勢いだけでなく、音の配置と編集の意識にある。
トラックリスト
- A1 Spirits In The Night 6:26
- A2 Countdown 3:06
- A3 Time Is Right 6:33
- A4 Crossfade 3:39
- B1 Visionary Mountains 5:42
- B2 Quit Your Low Down Ways 3:35
- B3 Nightingales And Bombers 4:52
- B4 Fat Nelly 3:20
- B5 As Above So Below (Recorded Live) 4:15
動画プレイリスト
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Manfred Mann's Earth Band Spirit in the Night with Lyrics in Description
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Manfred Mann's Earth Band Countdown
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Manfred Mann's Earth Band Time is Right with Lyrics in Description
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Manfred Mann's Earth Band Crossfade
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Manfred Mann's Earth Band Visionary Mountains with Lyrics in Description
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Manfred Mann's Earth Band Quit Your Lowdown Ways with Lyrics in Description
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Manfred Mann's Earth Band Nightingales and Bombers
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Manfred Mann's Earth Band Fat Nelly with Lyrics in Description
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Manfred Mann's Earth Band As Above So Below LIVE