Rage Against The Machine - The Battle Of Los Angeles (1999)
Rage Against The Machine 1999

Rage Against The Machine - The Battle Of Los Angeles (1999)

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Rage Against The Machine『The Battle Of Los Angeles』レビュー

Rage Against The Machineの3作目にあたる『The Battle Of Los Angeles』は、1999年11月に発表されたアルバムだ。バンドは1991年にロサンゼルスで結成され、ヒップホップの語法、ハードロックの骨格、ファンクのうねり、そしてパンクの切迫感をひとつにまとめてきた。ここではその持ち味が、スタジオ作品としてかなり密度の高い形でまとまっている。US盤はEpicからのリリースで、レコードとしても同年の登場になる。

作品の位置づけ

このアルバムは、Rage Against The Machineにとって3枚目のスタジオ・アルバムであり、オリジナル曲で構成された最後のフル・アルバムでもある。2000年にザック・デ・ラ・ロッチャが脱退するため、バンドの初期活動の一区切りとしても見られる作品だ。全米Billboard Top 200で1位を記録し、商業面でも大きな到達点になった。アルバム単位で見ても、バンドの主張と演奏力が最もはっきり表れた時期の記録として扱われることが多い。

制作と録音の集中力

制作にはBrendan O'Brienが参加し、録音は1998年9月から10月にかけて短期間で進められた。Henson Recording、Sunset Sound、Westlake、Royaltone、Silent Sound、Southern Tracksといった複数のスタジオを使い分けながら作業が行われている。録音場所が多い一方で、音像は散らばらず、むしろ各曲の輪郭がくっきりしている。ギター、ベース、ドラム、ヴォーカルだけで全ての音を作ったというクレジットも、この作品の性格をよく示している。

聴いていてまず目につくのは、Tom Morelloのギターが単なるリフではなく、効果音やノイズの役割まで担っている点だ。リズム隊のBrad WilkとTim Commerfordは、拍をきっちり支えながらも、曲ごとに圧を変えていく。Zack de la Rochaのヴォーカルは、ラップとシャウトの境目を行き来しつつ、言葉の切れ味を前面に押し出す。音数は多くないのに、情報量はかなり多い。

代表曲とアルバムの流れ

シングルとしては「Guerrilla Radio」「Sleep Now In The Fire」「Testify」が知られている。特に「Guerrilla Radio」は2001年の第43回グラミー賞でBest Hard Rock Performanceを受賞し、アルバム全体の代表曲としても機能している。イントロから一気に押し切る構成で、Rage Against The Machineらしい政治性とグルーヴがそのまま出ている曲だ。

「Sleep Now In The Fire」は、ライブ感の強い推進力と引っかかるようなリフが印象に残る。制作時のエピソードとして、Tom Morelloのギター・エフェクターが偶然拾った韓国のポップス・ラジオ局の音声が入り込んだという話がある。意図的なサンプリングではなく、偶発的な混入が曲の一部として残っている点が面白い。こうした細部も、このバンドの録音が持つ生々しさにつながっている。

「Testify」は、アルバム後半で緊張感を再度持ち上げる役割を担う。どの曲も長々と引っ張らず、必要な部分だけを積み上げて終わるため、通して聴くと圧縮された情報の連続に感じる。派手な展開より、リフ、ビート、語り口の反復で押す構成が中心だ。

同時代との関係

1999年前後のハードロック/オルタナティヴ・メタルの中でも、このアルバムはかなり輪郭がはっきりしている。デジタルな加工に寄らず、バンド演奏そのものの強度で押し切る作りが中心で、同時代のラップメタルやファンクメタルの中でも独特の立ち位置にある。Public Enemyのような政治的ヒップホップ、Living ColourやFishboneのようなファンク由来のロック、さらにはメタルの硬さを参照しながら、それらをRage Against The Machine流に再構成した一枚として聴ける。

タイトルの『The Battle Of Los Angeles』は、1942年に実際に起きたロサンゼルス上空での対空砲火騒動を思わせる。都市名を冠したタイトルだが、単なる地名の引用ではなく、社会状況や対立のイメージを背負った言葉として機能している。作品全体にも、その緊張感が通っている。

USオリジナル盤について

今回のUS盤はEpicのE 69630で、1999年リリースのオリジナル期の仕様になる。マット仕上げのジャケット、プリント入りインナー・スリーブ付きで、シュリンク上にステッカーが付いた個体もある。さらに一部にはスリップマットが付属した例もある。レーベル表記やクレジット類も含め、当時のオリジナル盤らしい作りだ。

総括

『The Battle Of Los Angeles』は、Rage Against The Machineの音楽的な輪郭が最も明確に出たアルバムのひとつだ。演奏の密度、言葉の強さ、録音の集中力が噛み合っていて、ヒット曲の配置も含めてアルバムとしての流れがよく整っている。1999年のロック作品としても存在感が強く、バンドの活動史の中では、初期の総決算に近い位置にある一枚だ。

トラックリスト

  1. A1 Testify
  2. A2 Guerrilla Radio
  3. A3 Calm Like A Bomb
  4. A4 Mic Check
  5. A5 Sleep Now In The Fire
  6. A6 Born Of A Broken Man
  7. B1 Born As Ghosts
  8. B2 Maria
  9. B3 Voice Of The Voiceless
  10. B4 New Millennium Homes
  11. B5 Ashes In The Fall
  12. B6 War Within A Breath

動画プレイリスト

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