Too Much - Too Much (1971)
Too Much 1971

Too Much - Too Much (1971)

Rock Blues Rock Hard Rock

Too Much『Too Much』について

Too Muchの『Too Much』は、1971年に日本で発表されたブルース・ロック/ハード・ロック作品である。メンバーはJuni Rush(Junio Nakahara)のリード・ヴォーカル、Tsutomu Ogawaのリード/アコースティック・ギター、Masayuki Aokiのベース、Hideya Kobayashiのドラムス&パーカッションという編成で、1970年から1971年にかけて活動した日本のバンドとして記録されている。日本の初期ヘヴィ・ロックやブルース・ロックの流れの中に置くと、海外勢の影響を受けながらも、日本語圏のバンドとして独自の熱量を持った一枚として見えてくる。

今回の盤は2011年にAtlantic(SWAX-91)から出た再発盤で、オリジナルの1971年盤から時間を置いての復刻である。Atlanticというレーベル名はアメリカの老舗として知られるが、この再発では日本盤として流通しており、70年代初頭の日本ロックを掘り起こす文脈の中で扱われるタイトルだといえる。オリジナル盤を追うよりも、まずは作品そのものを聴ける形で残した意義が大きい。

作品の立ち位置

Too Muchは、メンバー情報がはっきり残る短命グループで、1970年から1971年というごく限られた活動期間の中でこのアルバムを残した。日本のブルース・ロックやハード・ロックが、歌謡曲やフォークとは別の回路で育っていく時期の記録として見ると、この作品はかなり早い段階の到達点のひとつに入る。後年のジャパニーズ・ハード・ロックのような洗練よりも、演奏の勢いとバンドの一体感が前に出るタイプの作品として受け止められてきた。

同時代の文脈で言えば、海外のブルース・ロック、ハード・ロック、サイケデリック・ロックの影響が強く感じられる時代で、日本でもそうした要素を吸収したバンドが少しずつ増えていた。Too Muchのこのアルバムも、その流れの中で鳴っている。ギター主体の構成、リズム隊の押し出し、ヴォーカルの前面性が作品の骨格になっている点は、当時のハードなバンド作品らしい特徴だ。

2011年盤について

2011年再発盤は、1971年オリジナルの内容を改めて聴くための入口として機能する。再発盤は、当時の日本のロック資料としての価値もあるため、作品そのものだけでなく、70年代初頭の空気を現在に伝える役割も担っている。オリジナル盤との差異を細かく追うというより、埋もれやすかった日本盤ロックの一枚を現代に接続した盤、と捉えるのが自然だろう。

サウンドの印象

この作品でまず目立つのは、ギターの前に出る作りである。Tsutomu Ogawaのギターは、リフで押す場面と、フレーズを伸ばしていく場面の切り替えがはっきりしており、曲の推進力を担っている。リズム隊は単に支えるだけでなく、曲の重さや粘りを作る役回りで、ハード・ロック寄りの緊張感を保っている。Juni Rushのヴォーカルは、その上に乗って曲の輪郭をまとめる形だ。

実際に聴くと、整いすぎた音像ではなく、バンドが一気に鳴らしている感じが残る。ブルース由来の進行を土台にしながら、曲によってはより硬質なロックの方向へ寄るため、単純に「古い」と片づけにくい。むしろ、70年代初頭の日本ロックが持っていた生々しさのほうが印象に残る作りである。

注目したいポイント

このアルバムは、ヒット曲中心の作品というより、アルバム全体でバンドの個性を見せるタイプである。特定の代表曲だけを切り出すより、ギターの攻め方、リズムの押し出し、ヴォーカルの置き方が曲ごとにどう変わるかを追うと、このグループの性格が見えやすい。ブルース・ロックを下敷きにしつつ、ハード・ロックへ踏み込む瞬間があることが、この作品の核だろう。

また、Juni Rushの存在はこのバンドの印象を決める大きな要素である。バンド名の時点で勢いを感じさせるが、実際の演奏でもその勢いがそのまま音になっている。ギター主体のロック・アルバムでありながら、ヴォーカルが埋もれず、曲の推進力を保つ点が重要だ。日本の初期ハード・ロックを聴くときにしばしば感じる、演奏の熱と記録性、その両方がこの一枚にもある。

まとめ

Too Much『Too Much』は、1971年の日本のブルース・ロック/ハード・ロックを知るうえで外せない作品のひとつである。短い活動期間の中で残されたアルバムとして、バンドの輪郭がそのまま刻まれている。2011年再発盤によって、当時の日本ロックの一側面に触れやすくなった点も大きい。海外の影響を受けつつ、日本のバンドとして鳴らされた70年代初頭の空気が、今もそのまま残るタイトルだ。

トラックリスト

  1. A1 Grease It Out
  2. A2 Love That Binds Me
  3. A3 Love Is You
  4. A4 Reminiscence
  5. B1 I Shall Be Release
  6. B2 Gonna Take You
  7. B3 Song For My Lady (Now I Found)

動画

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