Cerrone - Cerrone 3 - Supernature (1977)
Cerrone 1977

Cerrone - Cerrone 3 - Supernature (1977)

Electronic Disco

Cerrone『Cerrone 3 - Supernature』(1977)

フランスのディスコ/エレクトロ系プロデューサー、マルク・セローンの3作目にあたるアルバムが、1977年の『Cerrone 3 - Supernature』。前作『Love in C Minor』の大きな成功を受けて制作された作品で、セローンの名をヨーロッパのディスコ・シーンに強く刻んだ一枚として知られている。リリース元はCBS、盤の表記はCBS 82657、ヨーロッパ盤。録音は1977年6月から8月にかけて、ロンドンのTrident Studiosで行われた。

アルバムの位置づけ

セローンは、1970年代のユーロ・ディスコを語るうえで外せない存在。Giorgio MoroderやBoney M.周辺の流れと並べて語られることも多いが、彼の場合は、プロデュース、作曲、アレンジ、演奏の各面を自分の手で進める作家性がはっきりしている。この『Supernature』では、その方向性がさらに明確になり、ダンス・ミュージックとしての推進力と、コンセプト性の強い楽曲構成が同居している。

アルバム全体はディスコのフォーマットに沿いながらも、単なるフロア向けの連続ではなく、曲ごとの展開や音色の使い方に意識が向いている。特にロンドン録音らしい締まりのある音像が印象に残る。フランス発の作品でありながら、制作の現場がイギリスのTrident Studiosという点も、この時期のヨーロッパ・ディスコの国際性をよく示している。

表題曲「Supernature」

このアルバムを代表するのがタイトル曲「Supernature」。環境破壊をテーマにした歌詞で、人工化学物質の使用によって地中の生物が人類へ復讐する、という筋立てが置かれている。H.G.ウェルズ『モロー博士の島』からの着想も語られており、ディスコの楽曲としてはかなり物語性の強い内容だ。

制作面では、このセッションでセローンが初めてARP Odysseyを使ったとされる。シンセの音色は、当時のディスコらしい滑らかさだけでなく、少し冷たい輪郭を持ち、曲の主題とも噛み合っている。実際に聴くと、ベースラインの押し出しとリズムの反復が強く、そこにコーラスやシンセのフレーズが重なっていく構造がよくわかる。派手さだけで押すのではなく、じわじわと熱を上げるタイプの曲。

この曲は後に大きくヒットし、アメリカのダンス・チャートで1位、Billboard Hot 100でも70位を記録した。イギリスでも人気を集め、1978年には全英8位まで上昇している。セローンの代表曲として長く扱われてきたのも自然な流れだろう。のちにGoldfrappが同名の『Supernature』をアルバム題に使ったことからも、この曲名自体が電子音楽の文脈で強い印象を残していることがうかがえる。

制作とクレジット周辺の話

マスターノートによれば、歌詞はプロデューサーのリーン・ラヴィッチともう一人の共作者によるものとされる。後年、ラヴィッチは1987年にコンピレーション盤でこの曲を自ら歌い直している。こうした背景もあって、「Supernature」は単なるディスコのヒット曲ではなく、制作の裏側まで含めて語られることが多い。曲の持つ異物感や、少し不穏な空気は、当時のディスコの中でも独特の立ち位置にある。

アルバムはゲートフォールド仕様で、録音・ミックス・カッティングまでTrident Studiosで行われている。クレジットにはSACEMのCerrone Musicが記されており、セローン自身の制作体制が見える。CBS盤のこのヨーロッパ・リリースでは、裏ジャケットの54 Price Codeが黒塗りされている点も特徴として残っている。

同時代の中での聴こえ方

1977年という時期は、ディスコがクラブの現場から広くポップ・チャートへ広がっていく最中にあたる。『Supernature』はその流れの中でも、アメリカ寄りの洗練だけでなく、ヨーロッパ的な構成感と電子音の使い方が前に出た作品として聴こえる。Giorgio Moroderの機械的な推進力、Boney M.の大衆性、そしてセローンのダイナミックな作曲感覚が、それぞれ別の方向から当時のディスコを押し広げていた、そんな並びで捉えやすい。

セローン自身にとっても、本作は初期キャリアを決定づけた重要作。ソロ活動を本格化させた直後に、アルバム単位で存在感を示したことで、以後の長い活動の基盤が固まった一枚として見ておきたい。ヒット曲「Supernature」を軸にしながら、1970年代後半のユーロ・ディスコがどこまで物語性とクラブ感覚を両立していたか、その一端がわかる作品である。

トラックリスト

  1. A1 Supernature 10:20
  2. A2 Sweet Drums 3:30
  3. A3 In The Smoke 4:40
  4. B1 Give Me Love 6:10
  5. B2 Love Is Here 5:20
  6. B3 Love Is The Answer 6:00

動画プレイリスト

公開: 2026年8月
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