Cerrone - Cerrone IV - The Golden Touch (1978)
Cerrone 1978

Cerrone - Cerrone IV - The Golden Touch (1978)

Electronic Funk / Soul Disco

Cerrone『Cerrone IV - The Golden Touch』(1978)

フレンチ・ディスコの中心人物、Cerroneによる4作目のソロ・アルバムが『Cerrone IV - The Golden Touch』である。1978年作で、同時期のヨーロッパ・ディスコの勢いをそのまま大きなスケールに落とし込んだ一枚。前作までの流れを受けつつ、より洗練された演奏、録音、アレンジが前面に出ていて、彼のキャリアの中でも重要な位置に置かれる作品として扱われている。

Cerroneは1952年、フランス・ヴィトリー=シュル=セーヌ生まれのドラマー、ソングライター、プロデューサー。コンガスでの活動を経てソロへ進み、1976年の『Love In C Minor』で国際的な注目を集めた。本作はその成功の延長線上にある1978年のアルバムで、当時のディスコが持っていたクラブ志向と、ヨーロッパらしいスタジオ作業の緻密さがよく出ている。

制作背景と録音

レコードのクレジットによると、本作は1978年5月から7月にかけて、ロンドンのTrident Studio、パリのFerber Studio、Cutting Translabで録音されている。48トラック録音という記載もあり、当時としてはかなり手の込んだ制作体制だったことがわかる。Gatefold sleeve仕様で、印刷された内袋付き。ジャケット周りも含めて、ディスコ作品らしい華やかさと商品性をしっかり備えた盤面になっている。

ライナーノーツには「This album exists thanks to all those friends who helped me」とあり、制作に関わった人々への謝辞が添えられている。Cerrone Musicの出版表記、Made in Holland、CBS / Interpak / Shorewood Packaging / Printed in Holland といった記載からも、ヨーロッパ市場向けにきちんと組まれたリリースであることが見えてくる。

収録曲と代表曲

本作からは「Je Suis Music」「Look For Love」といった楽曲が知られている。「Je Suis Music」はUKシングルチャートでトップ40入りし、全米R&Bチャートでも63位を記録した。ディスコ・チャートで7位まで上昇した「Look For Love」も含め、アルバム単位の評価だけでなく、シングルの強さでも存在感を示した作品である。

こうしたヒットの存在は、本作が単なるアルバム・フォーマットのディスコ作品ではなく、当時のクラブやラジオの両方に届く設計だったことを示している。長尺のダンス・トラックを中心にしながらも、曲としての輪郭がはっきりしていて、歌とリズムの両面で引っかかりを作っている。

サウンドの印象

実際に聴くと、まずドラムとベースの推進力が強い。Cerroneはドラマー出身だけあって、ビートの組み立てに迷いがない。そこにストリングスやシンセ、コーラスが重なり、ディスコの基本形を保ちながらも、より電子的な質感へ寄せているのが本作の特徴になる。前作までのシンフォニックなディスコ路線と比べると、音の輪郭がやや硬く、クラブでの鳴りを意識した作りに寄っている。

派手さだけで押すタイプではなく、同じフレーズを少しずつ積み上げていく構成が多い。展開は長いが、リズムの細かな変化で引っ張るので、曲が進むほど熱量が上がる。耳に残るメロディと、反復の気持ちよさがきちんと両立している点が、この時期のCerroneらしいところだ。

同時代の文脈

1978年の時点で、ヨーロッパ・ディスコはすでに大きな流れになっていた。Giorgio Moroderを中心とするイタリア系のディスコ・プロダクションと並べて語られることが多いが、Cerroneはフランス側の代表格として、よりスタジオ主導の作り込みと、身体性の強いリズム感で存在感を示した。のちのエレクトロ寄りのダンス・ミュージックや、プロダクション重視のディスコ/ハウスの感覚にもつながる要素が、本作の中にはすでに見えている。

また、CBSからのヨーロッパ盤として出ている点も重要で、当時のCBSが各国で展開していた国際流通の中に、このアルバムがしっかり乗っていたことがわかる。Made in Holland表記のヨーロッパ盤らしい流通背景も含めて、70年代ディスコの実体が見えやすい一枚である。

まとめ

『Cerrone IV - The Golden Touch』は、Cerroneがソロ・アーティストとして築いたディスコ路線を、より大きなスケールと精密な音作りでまとめた1978年の作品。ヒット曲を含みつつ、アルバム全体でもビート、アレンジ、録音の密度がはっきりしている。フレンチ・ディスコの代表作として名前が挙がるのも自然な内容で、Cerroneのキャリアの中でも要所にある一枚として整理できる。

トラックリスト

  1. A1 Je Suis Music 7:48
  2. A2 Rocket In The Pocket 7:20
  3. B1 Look For Love 10:10
  4. B2 Music Of Life 6:30

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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