Linda Clifford - If My Friends Could See Me Now (1978)
Linda Clifford『If My Friends Could See Me Now』(1978)
Linda Cliffordの2作目となる本作『If My Friends Could See Me Now』は、1978年にUSのCurtomからリリースされたアルバムである。タイトル曲は、彼女の名前を広く知らしめた代表曲として扱われることが多く、ブロードウェイ由来の楽曲をディスコ時代の感覚で組み替えた1枚として見ていくと全体像がつかみやすい。ソウルを土台にしながら、クラブ対応の長尺展開とストリングス、リズムの推進力を前面に出した作品で、70年代後半のディスコ期らしい空気がはっきり残っている。
ブロードウェイ曲をディスコに変えた表題曲
表題曲「If My Friends Could See Me Now」は、1966年のミュージカル『Sweet Charity』のために書かれた楽曲で、作曲はCy Coleman、作詞はDorothy Fields。舞台版ではGwen Verdonが歌い、1969年の映画版ではShirley MacLaineの歌唱でも知られる曲である。Linda Clifford版は、そのスタンダードを約8分に迫るエクステンデッド・ディスコ・アレンジでまとめ直している。原曲の持つショウ・チューン的な輪郭を残しつつ、ビートの上で伸びる歌い回しに置き換えた構成で、クラブ向けの機能性が強い。
この曲はシングルとしてはHot Soul Singlesチャートで68位にとどまったが、作品全体の認知を押し上げる役割を果たした代表曲である。アルバム単位ではBillboard 200で22位、R&Bアルバム・チャートで9位を記録しており、当時の受け止められ方としては、シングルの数字以上にアルバムが動いた印象が強い。クラブでの浸透とアルバム評価が並走したタイプの作品。
制作とサウンドの輪郭
プロデュースはGil AskeyとCurtis Mayfield。レコーディングはシカゴのCurtom Studiosで行われている。CurtomはCurtis MayfieldとEddie Thomasが立ち上げたシカゴのソウル・レーベルで、60年代から90年代にかけて多くの作品を送り出したことで知られる。本作もその文脈の中にあり、ディスコの形式を取りながらも、単なるダンス・トラック集には寄っていない。ボーカルの押し出し、アレンジの組み立て、リズムの粘りに、Curtis Mayfield周辺のソウル制作らしい感触が残る。
実際に聴くと、タイトル曲は冒頭から歌の存在感が強く、リズムセクションが前へ進む一方で、コーラスや弦の配置が場面転換を作っている。長尺ではあるが、展開が細かく切り替わるため、同じフレーズを引き延ばすだけの作りではない。「歌を聴かせるディスコ」というより、歌の構造そのものをディスコの尺に合わせて再設計した印象がある。
収録曲の中核にある「Runaway Love」
同じアルバムに収録された「Runaway Love」も重要な曲である。こちらはダンス・チャートで5週連続1位を記録しており、クラブ側で強く支持されたことがわかる。表題曲が作品の顔だとすると、「Runaway Love」は現場での推進力を支えた中心曲という位置づけになる。歌とビートの接点を丁寧に作るLinda Cliffordの持ち味がよく出ている。
Linda Clifford自身は、R&B、ディスコ、ハウスをまたいで語られる歌手で、後年のハウス世代からもレジェンド的存在として扱われてきた。本作の時点では、彼女のキャリアを広く押し上げた段階にあたり、以後の代表曲につながる基盤がここで固まっている。後年の「Bridge Over Troubled Water」の長尺カバーや「Don’t Come Crying To Me」と並べても、このアルバムにある“歌をクラブ仕様に変換する感覚”ははっきりしている。
同時代のディスコ/ソウルとの関係
1978年という年は、ディスコが大きく広がり、ソウルの歌い手たちがクラブ市場へ深く入っていった時期でもある。Linda Cliffordのこの作品は、その中でもブロードウェイ曲を素材にした点が特徴的で、同時代のディスコ作品の中でも出自が少し見えやすい。シカゴ制作の土台、Curtis Mayfield周辺のソウル感覚、そして長尺のダンス・アレンジという組み合わせが、アルバム全体の輪郭を決めている。
『If My Friends Could See Me Now』は、Linda Cliffordの代表曲を含むだけでなく、彼女が70年代後半のR&B/ディスコの流れの中でどの位置にいたかを示す作品でもある。ヒットの数字だけでなく、ブロードウェイ由来の楽曲をクラブの文法へ落とし込んだ点、そして「Runaway Love」のように現場で強く回った曲を抱えている点に、このアルバムの役割がある。歌手の個性と時代のフォーマットが、かなり明確に重なった1枚である。
トラックリスト
- A1 If My Friends Could See Me Now 7:53
- A2 You Are, You Are 5:16
- A3 Runaway Love 7:04
- B1 Broadway Gypsy Lady 3:41
- B2 I Feel Like Falling In Love Again 5:04
- B3 Please Darling, Don't Say Goodbye 4:36
- B4 Gypsy Lady 5:42
動画プレイリスト
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Linda Clifford - "If My Friends Could See Me Now" 1978
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Linda Clifford - You Are, You Are (Curtom Records 1978)
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Linda Clifford - Runaway Love 12"
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Linda Clifford - "Broadway Gypsy Lady"
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linda clifford i feel like falling in love again
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Linda Clifford - Please Darling, Don't Say Goodbye
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Gypsy Lady - Linda Clifford - HQ