Crown Heights Affair - Sure Shot (1980)
Crown Heights Affair『Sure Shot』
ニューヨーク・ブルックリン出身のファンク/ディスコ・グループ、Crown Heights Affairが1980年にDe-Lite Recordsから発表したアルバム。バンドは1970年代半ばにDe-Liteへ移籍して以降、「Dreaming A Dream」「Every Beat Of My Heart」「Foxy Lady」「Dancin'」などのヒットを放ってきたが、本作『Sure Shot』ではその音楽性をさらに洗練させ、アーバンなブギー/ファンクへと昇華させている。プロデュースは名匠Bert DeCoteauxが手掛け、バンド自身もアソシエイト・プロデューサーとして制作に関わった。
制作背景と参加メンバー
本作はキーボード奏者のHowie Youngが離脱した布陣で録音された。リード・ボーカルのPhilip ThomasとSkip Boardleyによるツイン・フロント体制を軸に、Bert Reid、Raymond Reid、William Andersonらバンド内の中核メンバーが作曲やアレンジを主導。オープニングを飾る最大のヒット曲「You Gave Me Love」はIda Reidがペンを執り、タイトル曲「Sure Shot」や「Use Your Body & Soul」はBert Reid、Raymond Reid、William Andersonが共作した。録音はニューヨークのSound Mixers Studioで行われ、マスタリングはSterling Soundが担当している。
同時代の中での位置づけ
1980年は、1970年代後半のオーケストレーション主体のディスコから、よりタイトで引き締まったエレクトリック・ファンクやアーバン・ブギーへとシーンのトレンドが移行し始めた過渡期にあたる。De-LiteのレーベルメイトであるKool & The Gangがエウミール・デオダートを迎えて洗練されたポップ/ファンク路線で大成功を収めていたのと歩調を合わせるように、Crown Heights Affairも初期の泥臭いストリート・ファンクから洗練されたアーバン・サウンドへの見事な成熟を提示した。
バンドは1978年の「Galaxy Of Love」や「I'm Gonna Love You Forever」、1979年の「Dance Lady Dance」と国際的なヒットを重ねていたが、本作収録の「You Gave Me Love」は全英シングルチャートで10位を記録し、12週間にわたってチャートインするバンド最大の世界的ヒットとなった。
サウンドと聴きどころ
しなやかで力強いベースラインとホーンセクションの華やかな絡み合い、小気味よいギターのカッティングが生み出すタイトなグルーヴがアルバム全体を貫いている。特に「You Gave Me Love」は、流麗なストリングスと躍動するドラム、キャッチーなボーカル・コーラスが一体となった多幸感あふれるモダン・ディスコ/ブギーの決定打として名高い。タイトル曲「Sure Shot」や「Use Your Body & Soul」のフロア直撃のファンクからメロウな楽曲まで、極めて粒揃いな構成を誇る。
後世への影響
「You Gave Me Love」はガラージやロフトをはじめとするNYアンダーグラウンド・クラブで長年プレイされ続け、英米のソウル/レア・グルーヴ・シーンでも再評価が進んだ。また、本作で卓越したアレンジ手腕を発揮したBert Reid、Raymond Reid、William Andersonは、1980年代前半にプロデューサー・チームとしても頭角を現し、NYのエレクトロ/アーバン・ファンク・シーンを裏方として牽引していく重要な布石となった。
トラックリスト
- A1 You Gave Me Love 5:55
- A2 I Don't Want To Change You 5:20
- A3 Sure Shot 6:20
- B1 You've Been Gone 5:45
- B2 I See The Light 4:50
- B3 Use Your Body & Soul 4:12
- B4 Tell Me You Love Me 5:15