David Bowie - ★ (Blackstar) (2016)
David Bowie 2016

David Bowie - ★ (Blackstar) (2016)

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David Bowie『★(Blackstar)』――最後のスタジオ作品として刻まれた一枚

デヴィッド・ボウイの『★(Blackstar)』は、2016年1月8日に発表された26作目のスタジオ・アルバムである。タイトル表記は星印だが、一般には『Blackstar』として語られることが多い。ロック、エレクトロニック、ジャズの要素を含みつつ、アート・ロックや実験性の強い構成でまとめられており、ボウイのキャリアの終盤を示す作品というより、最後の到達点として受け止められてきた。

このアルバムの位置づけは非常に明確だ。リリースの2日後、2016年1月10日にボウイが死去し、本作は結果的に最後のスタジオ作品となった。発売当初から高い評価を集めたが、その後は遺作として再解釈され、曲ごとの意味や歌詞の読み方も大きく変わった。発表時点では新作、すぐに歴史的作品へと変わったアルバムである。

制作と音の手触り

制作は長年の盟友トニー・ヴィスコンティが共同プロデュースを担当し、ニューヨークのサックス奏者ドニー・マキャスリンら、ジャズ寄りの演奏家が参加している。実際に聴くと、ロック・バンドの骨格の上に、管楽器のフレーズやリズムの揺れが重なり、従来のボウイ作品よりも空間の使い方が大きい。ギターが前面に出る場面もあるが、中心にあるのはリフの快感より、音の配置そのものだ。

収録曲のうち「Blackstar」と「Lazarus」は特に知られている。前者は長尺で、拍の取り方や展開の変化がはっきりしている。後者はアルバムの中でも比較的歌としての輪郭がつかみやすく、映像作品とも結びついて広く知られることになった。どちらも、メロディーを単純に前へ押し出すのではなく、言葉と音の距離を保ちながら進む作りである。

収録曲と既発曲の扱い

本作には、2014年末にシングルとして出た「Sue (Or In A Season Of Crime)」と「Tis A Pity She Was A Whore」の再録版が含まれている。ただし、ここに収められた演奏はシングル版とは別録音で、内容もかなり異なる。既発曲をそのまま並べるのではなく、アルバム全体の流れに合わせて組み直している点が、この作品の構成意識をよく示している。

歌詞面では、断片的な言い回しや象徴的な語が多く、意味を一つに固定しにくい。発売当時から、過去作の引用、自己言及、終末感の読み取りが行われたが、いずれも聴き手の解釈に委ねられる部分が大きい。音楽的にはジャズ・ロックや実験的なアート・ロックの文脈に置かれやすく、同時代の一般的なロック・アルバムとはかなり距離がある。

チャートと評価

商業的にも強い成績を残した。イギリスではアルバム・チャート1位、アメリカのBillboard 200でも初の1位を獲得している。2017年の第59回グラミー賞では「Blackstar」がBest Rock PerformanceとBest Rock Songを受賞し、アルバム自体もBest Alternative Music Album、Best Recording Package、Best Engineered Album, Non-Classicalを含む複数部門で評価された。作品そのものだけでなく、パッケージや音作りまで含めて評価された点が印象的である。

この盤について

ここにあるのは2016年ヨーロッパ盤で、Celebrate Recordsでプレスされた初回ヨーロッパ盤にあたる。背面には「© & ℗ 2015 ISO Records」の表記があり、マトリクス表記やプレスリングの有無で識別できる仕様になっている。ゲートフォールド仕様で、透明のビニール・ウォレットにレコードを収め、16ページの12インチ角ブックレットが付属する。さらにダウンロード・コード付きクーポンも同梱されている。フロントには「The new album includes “Blackstar” & “Lazarus”」のステッカーと、保護者向け注意表記のステッカーが貼られている。

盤としては180グラム仕様で、視覚面でも資料性が高い。初回ヨーロッパ盤にはCelebrate Records製とMPO製があり、後発の再発ではクレジット表記やランアウトの違いが見られる。こうした細部も、発売直後から本作が注目されていたことを示している。

まとめ

『★(Blackstar)』は、ボウイの過去を振り返るだけの作品ではなく、最後の時点でどこまで更新できるかを示したアルバムだと言える。ジャズの演奏感、ロックの構造、電子的な処理が一つの流れにまとまり、しかもその直後に遺作として読まれることになった。その経緯まで含めて、2010年代のボウイを代表する一枚である。

トラックリスト

  1. A1 ★ (Blackstar) 9:57
  2. A2 'Tis A Pity She Was A Whore 4:52
  3. A3 Lazarus 6:22
  4. B1 Sue (Or In A Season Of Crime) 4:40
  5. B2 Girl Loves Me 4:51
  6. B3 Dollar Days 4:44
  7. B4 I Can't Give Everything Away 5:47

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