Erasmo Carlos - Carlos, Erasmo... (1971)
Erasmo Carlos 1971

Erasmo Carlos - Carlos, Erasmo... (1971)

Rock Pop Funk / Soul Latin Pop Rock Soul Samba MPB

『Carlos, Erasmo...』について

Erasmo Carlosが1971年にPhilipsから発表した『Carlos, Erasmo...』は、1960年代のビート・ポップ/ティーン・アイドル運動「Jovem Guarda」の象徴だった彼が、当時のヒッピー・サイケデリック文化やTropicáliaの先鋭性に触発され、自らの音楽性を劇的に刷新した金字塔である。長髪と髭をたくわえた風貌とともに、ブラジリアン・ロック/ソウルの新たな地平を切り拓いた。

制作背景・エピソード

本作のプロデュースはトロピカーリアの重要人物Manoel Barenbeinが手掛け、アレンジにはRogério Duprat、Arthur Verocai、Chiquinho de Moraesというブラジル音楽界の屈指の才能が集結した。さらにバックの演奏には、伝説的サイケ・ロック・バンドOs MutantesのSergio Dias(ギター)、Liminha(ベース)、Dinho Leme(ドラムス)に加え、名ギタリストLanny Gordinが全面参加。ファズギターと重厚なファンク・グルーヴが渦巻く極上のアンサンブルを構築している。

収録曲には、当時ロンドンに亡命中だったCaetano Velosoがエラスモのために書き下ろした「De Noite Na Cama」や、Taiguara作の「Dois Animais Na Selva Suja Da Rua」、大麻への暗喩が軍事政権の検閲を掻い潜った「Maria Joana」など、時代の空気を宿した先鋭的な楽曲が並ぶ。

時代の文脈

1971年のブラジルは、軍事政権による強権的な弾圧と検閲(AI-5発令後)が最も過酷を極めていた暗黒期であった。Caetano VelosoやGilberto Gilが国外追放されるなどカウンターカルチャー勢力が激しい弾圧を受ける中、かつて健全なポップ・スターと見なされていたErasmo Carlosが、反体制的な精神性と魂の渇望を露わにした本作は、当時の若者文化に強烈なインパクトを与えた。

代表曲「É Preciso Dar Um Jeito, Meu Amigo(どうにかしなきゃいけないんだ、友よ)」の切実な叫びは、閉塞した時代を生きる人々のアンセムとして受け止められ、ラジオを通じて広く共感を呼んだ。

後世への影響

後年、本作はブラジリアン・サイケデリック・ロック、サンバ・ソウル、ファンク、MPBが奇跡的な調和を遂げた南米ロック屈指の名盤として評価を高めた。オリジナル盤は世界中のコレクターやDJの間で羨望の的となるレア盤となり、Light in the AtticやPolysomなどによる復刻を経て世界的な再評価を獲得した。

「Gente Aberta」や「De Noite Na Cama」は現代のヒップホップ/ビートメイカーたちにサンプリングされ、ポスト・トロピカーリアの決定打として愛聴されている。ローリング・ストーン・ブラジル誌をはじめとする複数の音楽メディアでも「ブラジル音楽史上最も偉大なアルバム」の一角に選出されている。

トラックリスト

  1. A1 De Noite Na Cama 2:45
  2. A2 Masculino, Feminino 4:34
  3. A3 É Preciso Dar Um Jeito, Meu Amigo 3:45
  4. A4 Dois Animais Na Selva Suja Da Rua 3:07
  5. A5 Gente Aberta 2:25
  6. A6 Agora Ninguém Chora Mais 2:36
  7. B1 Sodoma E Gomorra 2:15
  8. B2 Mundo Deserto 2:35
  9. B3 Não Te Quero Santa 2:45
  10. B4 Ciça, Cecília 3:35
  11. B5 Em Busca Das Canções Perdidas Nº 2 2:44
  12. B6 26 Anos De Vida Normal 2:17
  13. B7 Maria Joana 3:45

動画プレイリスト

公開: 2026年10月
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