Gilberto Gil - Realce (1979)
Gilberto Gil『Realce』について
1979年8月にブラジルで出たジルベルト・ジルの『Realce』は、『Refazenda』『Refavela』に続く「Re」三部作の締めくくりにあたる作品。ブラジル盤はElektraのBR 32.038で、ジャケットには1978年の表記がある。
制作背景・エピソード
プロデューサーのマルコ・マッツォーラが、当時アメリカ・ツアー中だったジルをロサンゼルス録音に誘ったことから制作が進んだ。背景には、ブラジルのスタジオは外国のスタジオに劣ると見なされがちだった状況があるという。録音の大半はロサンゼルスで行われ、「Não Chore Mais」だけがリオのトランスアメリカ・スタジオで録られた。ミックスはサンセット・サウンドで、録音も担当したウンベルト・ガティカが関わっている。
演奏には、ジルのボーカルとギターに加え、TOTOのスティーヴ・ルカサー、マイケル・ボディカー、リック・シュロッサーらロサンゼルスのセッション・ミュージシャン、さらにルバン・サビーノ、トゥカ、ジャルマ・コヘアといったブラジル勢が参加。ホーンの編曲はジェリー・ヘイが手がけている。表題曲「Realce」は、より国際的な感触が必要だというマッツォーラの考えから、外国人ミュージシャンだけで演奏された。
曲作りの面では、表題曲「Realce」はディスコの影響を受けた曲として語られる一方、ジル自身は東洋哲学と瞑想に没頭していた時期に書いたものだとしている。そこでは道教の「無為」が核になっており、きらびやかな表面の下に、自然の災厄、永劫回帰、存在の循環、愛情と宇宙のエネルギーのつながりといったテーマが置かれている。「Superhomem – A Canção」は、カエターノ・ヴェローゾが1978年の映画『スーパーマン』について話していたのを聞いたことがきっかけで書かれた。「Sarará Miolo」はレゲエとバイアォンを混ぜた曲、「Marina」はドリヴァル・カイミの作品。
「Não Chore Mais」はボブ・マーリーの「No Woman, No Cry」をジルがポルトガル語にしたもの。原曲の舞台を、ヒッピーたちがギターを弾きマリファナを吸い、警察の弾圧を受けていたリオのアテーホ・ド・フラメンゴへ移し、友人たちが姿を消し、ひとつの時代が終わっていく喪失を穏やかに歌っている。ジルは「過去は私たちに借りがある。だが未来には信用を与えよう」と語っている。
後世への影響
ジルはマラカナンジーニョでアース・ウィンド&ファイアーと共演した際に表題曲「Realce」を歌い、バンドのパーカッショニスト、ラルフ・ジョンソンとボーカルを分け合った。表題曲はその「ポップさ」やディスコ調の響きから軽く見られることもあるが、ジル本人は自分の内面と知的な変化を映した曲だと擁護している。
2003年のCD再発では、ルイス・ゴンザーガの「Macapá」など7曲がボーナス・トラックとして追加された。AllMusicではアルヴァロ・ネデールが5点満点中3点を付けている。
トラックリスト
- A1 Realce 4:48
- A2 Sarará Miolo 4:51
- A3 Superhomem - A Canção 4:06
- A4 Tradição 4:53
- B1 Marina 4:16
- B2 Rebento 2:55
- B3 Toda Menina Baiana 3:52
- B4 Logunedé 4:01
- B5 Não Chore Mais = No Woman, No Cry 4:34
動画プレイリスト
このアーティストについて
Gilberto Gil(ジルベルト・ジル)は、1942年6月26日にブラジル・バイーア州サルヴァドールで生まれたシンガー、ギタリスト、ソングライターだ。ラテ...
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