Fred Wesley And The Horny Horns Featuring Maceo Parker - A Blow For Me, A Toot To You (1977)
Fred Wesley And The Horny Horns Featuring Maceo Parker『A Blow For Me, A Toot To You』
フレッド・ウェズリー率いるホーン・セクション、ホーニー・ホーンズのデビュー作が『A Blow For Me, A Toot To You』。1977年4月17日にAtlanticから出た作品で、フレッド・ウェズリーとメイシオ・パーカーが前面に出たホーン主体のアルバムとしてまとまっている。ウェズリーは1960年代からジェームス・ブラウンのバンドでトロンボーンを吹き、「Say It Loud – I'm Black and I'm Proud」などのヒットに参加してきた人物。70年代にはJB'sのリーダーとして作曲や編曲にも深く関わり、1975年にブラウンのもとを離れてジョージ・クリントンのパーラメント/ファンカデリックに加わった。
制作背景・エピソード
ホーニー・ホーンズは、同じくジェームス・ブラウン・バンド出身のメイシオ・パーカー、トランペットのRick Gardner、Richard "Kush" Griffithと組まれたホーン・ユニット。P-ファンクやブーツィーズ・ラバー・バンドの作品でホーンを担っていた。プロデュースはジョージ・クリントンとブーツィー・コリンズ。録音はデトロイトのユナイテッド・サウンド・スタジオとハリウッドのハリウッド・サウンド・スタジオで行われた。
参加者もP-ファンク一派が中心で、ブーツィー・コリンズはベース、ギター、ドラムを担当。さらにバーニー・ウォーレルのキーボード、Garry Shider、Glenn Goins、Michael Hamptonのギター、Jerome BraileyとFrankie "Kash" Waddyのドラムがクレジットされている。追加のホーンとしてブレッカー・ブラザーズのマイケル・ブレッカーとランディ・ブレッカーも加わった。曲の大半はクリントン、ブーツィー、ウォーレル、Goinsらによるもので、冒頭の「Up For The Down Stroke」はパーラメント曲のホーン主体による再演。シングルにもなった。最後の「Peace Fugue」だけはウェズリー自身の作曲で、ジャケットのイラストはRonald "Stozo" Edwardsが手がけている。
時代の文脈
本作は、ジェームス・ブラウン仕込みのファンクとソウルを身につけたウェズリーとパーカーが、P-ファンクのサウンドの中でホーンを前面に出した作品である。Ace Records(BGP)の再発盤の紹介は、本作をP-ファンクの『Mothership Connection』などと並べて語っている。録音当時のパーラメント周辺は、パーレットやブライズ・オブ・ファンケンシュタインなどの制作も並行して進んでおり、スタジオに人が集まる状況の中でこのアルバムも作られた。1979年には2作目『Say Blow By Blow Backwards』が出た。ウェズリーは1978年にカウント・ベイシー・オーケストラに加わり、その後ジャズの世界でも活躍していく。
チャート面では、アルバムはBillboardのソウル・アルバム・チャートで31位、ポップ・アルバム・チャートで181位。「Up For The Down Stroke」はR&Bチャートで93位を記録した。本作は1993年に日本のP-Vineを皮切りに再発され、新しいリミックスとクリントンのインタビューが加えられた。2021年にはSpeakers Cornerから180グラム盤でも復刻されている。
後世への影響
「Four Play」はヒップホップで繰り返しサンプリングされた曲として知られ、デジタル・アンダーグラウンド「Packet Man」(1990)、ギャング・スター「Step in the Arena」(1991)で使われた。「Peace Fugue」もナズ「Life We Chose」(1999)にサンプリングされている。ホーニー・ホーンズ自体も、その後レッド・ホット・チリ・ペッパーズ「If You Want Me to Stay」やディー・ライト「Groove Is in the Heart」(1990)に参加していく。
AllMusicのAlex Hendersonは本作に5つ星中4.5を与え、Speakers Corner盤を評したRobbie Gersonは、「Up For The Down Stroke」の催眠的なグルーヴ、表題曲でのウェズリーの「とことん汚い」トロンボーン・ソロを挙げ、「Four Play」をアンサンブルが最もまとまり、ウェズリーの最も長く繊細なソロが聴ける、文化的に最も長く影響を残した曲とした。さらに「Peace Fugue」での穏やかな対位法の上を行く演奏を挙げている。
トラックリスト
- A1 Up For The Down Stroke 9:10
- A2 A Blow For Me, A Toot To You 7:20
- A3 When In Doubt: Vamp 4:21
- B1 Between Two Sheets 6:50
- B2 Four Play 8:03
- B3 Peace Fugue 6:00