Idris Muhammad - Black Rhythm Revolution! (1971)
Idris Muhammad 1971

Idris Muhammad - Black Rhythm Revolution! (1971)

Jazz Funk / Soul Soul-Jazz

Idris Muhammad『Black Rhythm Revolution!』

ニューオーリンズ出身の伝説的ドラマー、イドリス・ムハンマド(旧名レオ・モリス)が1971年に名門プレスティッジ・レコードから発表した記念すべき初リーダー作。ファッツ・ドミノやサム・クック、ルー・ドナルドソンらのリズムを支えてきた名手が、改宗を経てイドリス・ムハンマドへと名義を改め、自らフロントに立って放ったブラック・ミュージック史に燦然と輝く金字塔である。録音は1970年11月2日、ニュージャージー州イングルウッド・クリフスのヴァン・ゲルダー・スタジオで行われ、ボブ・ポーターがプロデュース、ルディ・ヴァン・ゲルダーが録音エンジニアを務めた。

制作背景・エピソード

参加メンバーには、ハロルド・メイバーン(ピアノ/エレピ)、メルヴィン・スパークス(ギター)、ジミー・ルイス(エレクトリック・ベース)、ヴァージル・ジョーンズ(トランペット)、クラレンス・トーマス(テナー/ソプラノ・サックス)、バディ・コールドウェル(コンガ)といったソウル・ジャズ界屈指の精鋭が集結した。

A面ではチャールズ・ライトの「Express Yourself」やジェームス・ブラウンの「Super Bad」といった同時代のファンク/R&Bアンセムを取り込み、豪快なジャズ・ファンク編成で爆発的なグルーヴを創出。ジャック・マクダフ作の「Soulful Drums」では、ニューオーリンズ伝統のセカンドライン・ビートとポリリズムを融合させた圧巻のドラム・ソロを披露している。一方のB面には「Wander」「By The Red Sea」という10分前後の長尺モーダル/スピリチュアル・ジャズが収められ、瞑想的かつ東洋的な美しさを湛えたコンポーザーとしての非凡な才能を見せつけた。

時代の文脈

1970年代初頭のプレスティッジは、従来のハード・バップから、ブラック・パワー・ムーブメントと深く共鳴する先鋭的なソウル・ジャズ/ジャズ・ファンク路線へと舵を切っていた。本作はその新時代を象徴するカタログ番号10000番台(PRST-10005)としてリリースされた。

タイトル『Black Rhythm Revolution!(黒きリズムの革命)』が示す通り、本作はアフリカ系アメリカ人の身体性とリズムの根源に迫る強烈な意思表示であった。ニューオーリンズ仕込みの跳ねるシンコペーションと、ニューヨークの緊迫感あふれるジャズ・ファンクが衝突した生々しいドキュメントであり、ビルボードのジャズ・チャートでも存在感を示した。

後世への影響

本作のドラム・パターンは、クライド・スタブルフィールドやバーナード・パーディと並んで、ヒップホップやブレイクビーツ文化における最大の鉱脈となった。「Express Yourself」や「Soulful Drums」は、ビースティ・ボーイズの「B-Boy Bouillabaisse」やファットボーイ・スリム、DJシャドウをはじめ、無数の楽曲にサンプリングされている。1990年代以降のアシッド・ジャズやレア・グルーヴのシーンでも最高峰のフロア・クラシックとして崇められてきた。

サイドマンとして数多くの録音を支えてきたドラマーが、自らのルーツとリズム哲学を完璧に具現化した傑作として、今日でもジャズ・ファンク史の必聴盤として輝きを放ち続けている。

トラックリスト

  1. A1 Express Yourself 5:30
  2. A2 Soulful Drums 4:35
  3. A3 Super Bad 5:25
  4. B1 Wander 11:05
  5. B2 By The Red Sea 8:55

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Idris Muhammad

Idris Muhammad

Idris Muhammad(アイドリス・ムハマッド)は、1939年11月13日にアメリカ・ルイジアナ州ニューオーリンズで生まれたドラマーだ。2014年7月29日にフロ...

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