However - Calling (1984)
However『Calling』について
Howeverは1977年にワシントンD.C.周辺で結成された、米国のアヴァンギャルド/プログ・ロック・バンド。その2作目にあたる『Calling』は、1982年から1984年にかけて録音・制作され、1984年にCuneiform RecordsのRune 2として登場した。バンドの公式サイトでも案内されているように、本作は後年に再編集版が加わる前の、最初期のまとまりを持つ作品として位置づけられる。
制作背景・エピソード
録音にはBill Kotapish、Peter Mark Princiotto、Bobby Read、Joe “Stellar” Princiotto、Don “Whitz” Berkemeyer、Terresa Gayleらが関わったとされる。複数のメンバーが楽器を兼ねる体制で、ギター、ベース、ドラム、サックス、クラリネット、フルート、シンセなどを分担しながら制作が進められたという。こうした編成は、固定された役割に頼るよりも、曲ごとに音色を組み替える形で進んでいたことを示している。
さらに『Calling』には、1994年から1995年にかけて大幅な改訂が加えられた。新曲の追加、既存曲のリミックス、リマスターが行われたとされ、1984年盤とは別に、後年の手直しを経た版が存在する。今回の1984年盤は、その最初のリリースにあたる。
なお、同梱物として歌詞とクレジットを収めたシートが付属している。
時代の文脈
Howeverは、1980年代前半の米国インディー/アンダーグラウンド・プログレの流れの中で語られることが多い。ワシントンD.C.圏では、Happy the ManやMuffinsのような技巧派・実験志向のバンドが活動しており、Howeverもその周辺に置かれている。『Calling』はバンドの2作目で、長尺曲と短いブリッジ的な曲が混在する構成が特徴として紹介されている。
公開されている紹介文では、前作よりも叙情的で落ち着いた側面に重心が移ったとされ、プログレッシブ・ロックとジャズ・フュージョンの折衷、複雑な展開、室内楽的な音色の変化が取り上げられている。メインストリームの流れとは別の場所で、構成の緻密さを持つ作品として扱われている。
後世への影響
確認できる範囲では、明確なカバーやサンプリング、著名アーティストへの直接的な影響は見当たらない。ただし、後年に改訂版が作られ、スペイン語圏の紹介記事でも米国70〜80年代の実験ロックを語る文脈で取り上げられている。コレクターやプログレ愛好家の間では、再発見された作品として流通してきた形跡がある。
主要なチャート実績や売上の数字は見当たらず、一般的なヒット作としてよりも、アンダーグラウンド盤としての存在感が先に立つ1枚。1984年の初出盤としての『Calling』は、後年の改訂版とは別に、当時のバンドの姿をそのまま留めた記録になっている。
トラックリスト
- A1 Stop Sign 2:10
- A2 Spheres Of Action 3:22
- A3 Favour Me Oblivion 4:53
- A4 Sigh 2:07
- A5 On The Face Of The World 6:50
- A6 Heroe's Return 4:07
- B1 Airplay 3:15
- B2 Calling 2:42
- B3 Little Ricky (The Next Generation) 5:50
- B4 Wild / Cold With Monotony & Trio 8:48
- B5 The World War 0:30
- B6 Chips 2:33