IF - IF 2 (1970)
IF 1970

IF - IF 2 (1970)

Rock Jazz Jazz-Rock

If『If 2』について

『If 2』は、英国のジャズ・ロック・バンド、Ifが1970年に発表した2作目のアルバムである。前作『If』に続いて制作された本作は、バンド名のとおり短い言葉の印象よりもずっと内容の濃い作品で、管楽器を軸にしたアンサンブルと、ロックの推進力を組み合わせた構成がはっきりしている。Ifは1969年結成のグループで、70年代初頭のブリティッシュ・ジャズ・ロック/プログレッシブ・ロックの流れの中で活動したバンドだが、この『If 2』はその中でも、演奏の密度と曲の流れがよくまとまった1枚として位置づけられる。

作品の輪郭

本作では、6分台から8分台の長尺曲が中心になっている。楽曲は単純なリフの反復だけで押し切るのではなく、歌のパートとインストゥルメンタルの展開を行き来しながら進む。サックスやフルートの使い方が重要で、デイヴ・クインシーとディック・モリッシーの管楽器が、バンドの輪郭をかなり明確にしている。ギター、オルガン、リズム隊が前に出る場面でも、管楽器が音の層を崩さずに残るので、ロック寄りの勢いとジャズ寄りの組み立てが同居している印象になる。

録音はロンドンのIsland StudiosとニューヨークのHit Factoryで行われ、プロデュースはLew Futtermanが担当した。英国のジャズ・ロック勢の中でも、こうした国際的な録音環境は当時らしい要素で、音像にも少し開けた感じがある。米国盤はCapitol Recordsからのリリースで、カタログ番号はSW-676。ジャケットやラベルの違いを含めて、同時期のUS盤らしい仕様も楽しめる。

曲の流れと聴きどころ

収録曲の中では、『Shadows and Echoes』がよく知られる1曲で、ライオネル・グリグソンとマーガレット・バズビーの共作としてクレジットされている。作品全体の中でも、やや柔らかい側面を担う曲として扱われることが多い。とはいえ、単に静かなだけではなく、バンド全体の演奏に支えられていて、アルバムの中で浮くことはない。こうした曲が入ることで、全体が一方向に傾きすぎず、アルバムとしての流れが保たれている。

他の曲も、リズムの切り替えや管楽器のフレーズが細かく入り、いわゆる“ジャズ・ロック”の要素が前面に出る。英国の同時代バンドでいえば、ColosseumやBlood, Sweat & Tears的なブラス主体の感覚とも少し重なるが、Ifの場合はよりブリティッシュ・プログレ寄りの構成感がある。演奏の見せ場をただ並べるのではなく、歌ものとしての骨格を残したまま組み立てている点が、この時期のバンドらしい特徴だろう。

アルバムとしての位置づけ

『If 2』は、バンドの初期2作目という位置にありながら、すでにIfというグループの個性がかなり固まっている。後年の回顧では、前作に劣らない出来、あるいは前作以上に聴きやすいという見方もされている。商業的な大ヒット作ではないが、バンドの代表的な時期を示す1枚として扱われることが多い。Ifは70年代の活動期間こそ長くないものの、管楽器を含む編成でロックとジャズをつなぐ役割を果たしたバンドのひとつであり、本作もその流れの中で理解しやすい。

また、英国盤ではIslandからのリリースとして知られ、米国盤はCapitolから出ているため、地域ごとの流通も含めて当時のプログレ/ジャズ・ロック作品らしい広がりがある。オリジナルの1970年という時点で見ても、ハードロック、プログレ、ジャズ・ロックが並走していた時代の空気がそのまま入った作品といえる。

総括

『If 2』は、派手なヒット曲で押すアルバムではなく、演奏の組み立てと楽器の役割分担で聴かせる作品である。管楽器の存在感、長めの曲構成、歌とインストの往復、そのあたりがまとまっていて、Ifというバンドの方向性を確認しやすい。前作からの延長線上にありながら、よりバンドの輪郭が見えやすい1枚として残っている。

トラックリスト

  1. A1 Your City Is Falling 5:04
  2. A2 Sunday Sad 8:18
  3. A3 Tarmac T. Pirate And The Lonesome Nymphoniac 5:12
  4. B1 I Couldn't Write And Tell You 8:23
  5. B2 Shadows And Echos 4:24
  6. B3 A Song For Elsa, Three Days Before Her 25th Birthday 5:11

動画

Share
記事一覧に戻る

あわせて聴きたい "Jazz-Rock"

toast