Tropea - Short Trip To Space (1977)
John Tropea 1977

Tropea - Short Trip To Space (1977)

Jazz Funk / Soul Fusion Jazz-Funk

Tropea『Short Trip To Space』

ジョン・トロペイが「Tropea」名義で1977年に発表した2作目のソロ・アルバム。ニューヨークのセッション・ギタリストとして、エウミール・デオダートの「Also Sprach Zarathustra(ツァラトゥストラはかく語りき)」のギター・ソロや、ポール・サイモン、ローラ・ニーロらの作品で名を連ねてきた人物が、自身の名義でまとめた一枚である。リリースはマイアミのT.K.プロダクション傘下、Marlinからのもの。

制作背景・エピソード

本作には、当時のニューヨーク・スタジオ・シーンを代表する演奏家が集められている。ドラムはスティーヴ・ガッドとリック・マロッタ、ベースはウィル・リー、キーボードはドン・グロルニック、ヴィブラフォンにマイク・マイニエリ、パーカッションにラルフ・マクドナルド、さらにブレッカー・ブラザーズのマイケル&ランディ・ブレッカーが参加。加えて、ラリー・ファスト(Synergy)のシンセサイザーも導入されている。

クレジット上では「Can't Hide Love」に「Inspired by original Earth, Wind & Fire version」とあり、同曲をもとにしたアレンジであることが示されている。ほかにも「The Funk You See, Is The Funk You Do!」のようなファンク色の強い曲から、7分超のタイトル曲「Short Trip To Space」まで、編成の厚みを生かした構成が並ぶ。なお、アート・ディレクションはPalm Musicによる。

また、ライナー的な記載として、ラリー・ファスト/SynergyはPassport Records、ブレッカー・ブラザーズはArista Records、デヴィッド・スピノッツァはA&M Recordsの提供クレジットが付いている。

時代の文脈

1977年は、ジャズ・フュージョンが洗練を深める一方で、ディスコが全米で大きな存在感を持っていた時期。『Short Trip To Space』は、ニューヨークの緻密な演奏と、マイアミのT.K.系レーベルが持つダンス志向の空気が同居した作品として語られている。Marlinはヘンリー・ストーンが設立したレーベルで、1970年代後半の活動期に出た本作も、その流れの中に置かれている。

トロペイにとっては、ソロ名義で自分のギターを前面に出しつつ、同時代の一流プレイヤーを束ねたアルバムでもある。ジャズ、ファンク、ソウルの接点にあるレパートリーを、当時の録音現場の顔ぶれでまとめた一枚として位置づけられる。

後世への影響

本作は後年、レア・グルーヴやロフト・クラシックとしてDJやクリエイター層から支持を集めたとされる。DJマンキューソのThe Loft、デヴィッド・モラレス、DJ Cosmoらのプレイリストに組み込まれたという情報もある。再発や再評価を経て、70年代後半のジャズ・ファンク/クロスオーバー作品として扱われてきた。

とくに「Can't Hide Love」は、アース・ウィンド&ファイアーの原曲を踏まえたインスト解釈としてクレジットに明記されており、アルバムの中でも参照点がはっきりした曲になっている。「The Funk You See, Is The Funk You Do!」やタイトル曲とあわせて、当時のニューヨーク録音とマイアミ系レーベルの接点を示す作品として残っている。

なお、盤面のランアウト情報はエッチング主体で、STERLINGの刻印が入る仕様。

トラックリスト

  1. A1 The Funk You See, Is The Funk You Do!
  2. A2 Can't Hide Love
  3. A3 Southside
  4. A4 You Can't Have It All
  5. B1 Short Trip To Space
  6. B2 Blue Too
  7. B3 Love's Final Moment
  8. B4 Twist Of The Wrist

動画プレイリスト

公開: 2026年10月
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