Keith Noble With Rado Klose - Mr. Compromise (1970)
Keith Noble With Rado Klose『Mr. Compromise』について
Keith Noble With Rado Klose名義の『Mr. Compromise』は、1970年に録音・制作された英国の私家盤的な作品として扱われている。Keith Nobleは、キャリア初期にブルース・バンドで活動し、のちに「A Summer Song」の共作者として知られる人物で、このソロLP『Mr. Compromise』は彼の稀少な作品として位置づけられている。Rado Kloseは、旧称Bob Kloseとして知られ、Pink Floydの最初期メンバーでもある。
制作背景・エピソード
この作品は、Keith NobleとRado Kloseが関わった録音で、のちに「Eden」レーベルの小規模なデモ・プレスとして出たとされる。Kloseはリード・ギターで参加し、作品の色合いに大きく寄与したとみられている。再発盤の紹介では、Nobleの作曲性について、ジャジーなボサノヴァ風ポップ、Kinks、Hollies、Byrdsを思わせる電気バンド曲、瞑想的なサイケ・フォークまで含むと評されている。加えて、再発盤にはRichard Allenによる詳細なライナーと写真入りのインサートが付属し、スリーブは再封可能なプラスチック製で、ハイプ・ステッカー付き。
時代の文脈
1970年の英国では、サイケデリック以後のフォークやアンダーグラウンド・ロック、シンガーソングライター系の作品が並行して展開していた。この『Mr. Compromise』は、そうした流れの中でも大きな流通に乗った作品ではなく、旧友同士の関係から生まれた私的な録音として伝えられている。Keith NobleはPink Floyd草創期の前史に属する人物として見られており、Rado Kloseの参加も含めて、Pink Floyd以前の人的ネットワークが別の形で残された記録として語られている。1970年の英国ロック史の主流からは外れつつも、後年の再発によって周辺史の資料として再び注目された作品である。
後世への影響
明確なカバーやサンプリング、直接的な影響関係は確認されていない。一方で、近年の再発と紹介を通じて、Pink Floyd前史の文脈で再評価されている。特にRado Kloseの参加は、Pink Floyd史を見直す際の補助線として扱われている。
補足
主要チャートでの記録は確認されていない。商業的な大ヒット作というより、少部数のプライベート・プレスに近い扱いで残った作品として知られている。
トラックリスト
- A1 Mr. Compromise 3:28
- A2 Narcissus 3:53
- A3 Secretary Jane 4:07
- A4 Red-Current Tide 1:57
- A5 Up And Down Way (Of It All) 3:43
- A6 Only When I Laugh 2:53
- B1 Dandelions Have Their Day 4:52
- B2 Weather 7:01
- B3 King Of The Icemen 5:40
- B4 Ashes And SIlver 5:29