Legião Urbana - Dois (1986)
Legião Urbana 1986

Legião Urbana - Dois (1986)

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Legião Urbana『Dois』――ブラジル80年代ロックを決定づけた2作目

Legião Urbanaの『Dois』は、1986年にブラジルでリリースされた2作目のアルバムである。デビュー作『Legião Urbana』(1985年)で一気に注目を集めた彼らが、その勢いを保ったまま、さらに作家性を前面に出した作品として知られている。中心にいるのは、歌詞の書き手でありフロントマンでもあるRenato Russo。彼の言葉は、80年代ブラジルの若者の感覚や都市生活の空気を、直接的な表現で切り取っている。

この盤はブラジル盤オリジナル、EMIのカタログ番号31C 064 422961。録音は1986年1月から3月にかけてEMI-Odeonで行われた。プロデュースはMayrton Bahia、Renato Russoも共同プロデュースに名を連ねている。前作のポストパンク色を引き継ぎつつ、アコースティックな響きやフォーク・ロック寄りの運びが増え、曲の輪郭がよりはっきりした印象を残す。音の密度で押し切るタイプではなく、歌詞とメロディの運びで聴かせるアルバム。

制作背景とアルバムの位置づけ

本作は、バンドにとって重要な転換点でもある。Renato Russoは当初、『Mitologia e Intuição』という2枚組構想を持っていたが、レーベル側の判断で1枚のアルバムにまとめられたという。候補曲は約20曲あり、そこから12曲に絞り込まれた。前作の成功を受けて、2作目でどう振る舞うかという重圧もあったようで、その緊張感がアルバム全体の張りにつながっている。

Legião Urbanaは、ブラジルの80年代ロックの中でも特に大きな存在だ。パンク/ポストパンクの切れ味を土台にしながら、歌詞では社会や個人の感情をそのまま置くのではなく、少し距離を取って描く。その書き方が、同時代のブラジルのロック・バンドの中でも際立っている。U2のような大きなスケール感を持つバンドと並べて語られることはあっても、Legião Urbanaはより言葉の重心が前にある。

収録曲の核にあるもの

アルバムの代表曲としてまず挙がるのが「Eduardo e Mônica」。性格も趣味もまるで違う男女が恋に落ちる物語を、会話のような流れで描いた曲で、明確なサビに頼らない構成が特徴的だ。商業的には冒険に見えたはずだが、結果として大きなヒットになった。のちにこの曲をもとにした映画が制作されたことからも、ブラジルでの浸透ぶりがわかる。

「Tempo Perdido」もこのアルバムを語るうえで外せない。最後の一節「Somos tão jovens」は特に有名で、後年のRenato Russo伝記映画の題名にも使われた。時間の流れや若さの感覚を真正面から扱いながら、押しつけがましくならないところがこの曲の強さだ。ほかに「Índios」「Quase Sem Querer」もよく知られ、アルバムの中で存在感が大きい。

クレジットを見ると、「Eduardo e Mônica」と「Música Urbana 2」は1982年、「Daniel na Cova dos Leões」と「Tempo Perdido」は1985年の作、それ以外は1986年の作となっている。長い時間をかけて温めた曲と、アルバム制作期に書かれた曲が同居している点も、この作品のまとまり方に関係している。

サウンドと聴きどころ

実際に聴くと、前作よりも演奏の隙間が見えやすい。ギターは必要以上に厚塗りされず、ベースとドラムが曲の推進力を作る場面が多い。そこにRenato Russoの声が乗ると、曲の中心が演奏よりも言葉に寄る。フォーク・ロック的な親しみやすさがありながら、ポストパンク由来の直線的な緊張も残っているため、単純に柔らかくなったわけではない。

80年代ブラジルのロックは、政治的な空気と都市の若者文化が重なった場所で発展したが、『Dois』はその中でも、個人の感情や関係性を丁寧に描く側へ少し重心を移している。大きなスローガンではなく、日常の会話や小さな感情の動きで曲が進む。その書き方が、結果として長く聴かれる理由になっている。

評価と反響

セールスは150万枚以上とされ、ブラジルでダイヤモンド・ディスクに認定された。Legião Urbanaの作品の中でも特に売れたアルバムのひとつであり、後年の評価も高い。Rolling Stone Brasilの「ブラジル音楽史上最高のアルバム100」では21位に入っている。

Legião Urbanaにとって『Dois』は、デビューの勢いを一過性で終わらせず、作詞作曲の核をはっきり示した作品として位置づけられる。ブラジルの80年代ロックを語るとき、ここを起点にして聴かれることが多いのも自然な流れだ。歌詞、メロディ、バンドの演奏、その三つが過不足なく並ぶアルバムである。

トラックリスト

  1. A1 Daniel Na Cova Dos Leões 4:00
  2. A2 Quase Sem Querer 4:42
  3. A3 Acrilic On Canvas 4:40
  4. A4 Eduardo E Mônica 4:32
  5. A5 Central Do Brasil (Instrumental) 1:34
  6. A6 Tempo Perdido 5:00
  7. B1 Metrópole 2:50
  8. B2 Plantas Embaixo Do Aquário 2:55
  9. B3 Música Urbana 2 2:42
  10. B4 Andrea Doria 4:58
  11. B5 Fábrica 4:56
  12. B6 "Índios" 4:23

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Legião Urbana

Legião Urbana

Legião Urbana(レジォン・ウルバナ)は、1982年にブラジルの首都ブラジリアで結成されたロック・バンドだ。ブラジリアン・ロックを代表するグループ...

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