The Golden Palominos - Visions Of Excess (1985)
The Golden Palominos『Visions Of Excess』
1985年作の『Visions Of Excess』は、Anton Fierが主導するThe Golden Palominosの2作目。前作からの流れを受けつつ、より曲本位の方向へ寄せたアルバムとして知られている。フランス盤はCelluloidからのリリースで、録音はRadio City Music Hall Studio、ミックスはRPM Studio、さらに「B4」はGrog Kill Studioでミックスされ、Sterling Soundでマスタリングされた。
制作背景・エピソード
制作の中心にいたのは、Anton Fier、ベースのBill Laswell、ギターのJody Harris、鍵盤のBernie Worrellという布陣。そこへ多くの客演が加わり、アルバム全体の輪郭が組み立てられた。特に大きいのは、R.E.M.のMichael Stipeが「Boy (Go)」「Clustering Train」「Omaha」で歌唱を担当している点で、この作品の顔として語られることが多い。Syd Strawも「(Kind of) True」「Buenos Aires」で歌っており、存在感のある参加者として挙げられている。
レコーディングはニューヨークのRadio City Music Hall Studioを中心に進められ、曲ごとに複数の録音・ミックス拠点が使われた。作品クレジットには “For Jim Gordon and Bonzo” の一文も添えられている。こうした細かな記載も含めて、スタジオ作業の積み重ねで形になったアルバム。
時代の文脈
The Golden Palominosは1981年にAnton Fierを軸として始まったアメリカの音楽プロジェクトで、『Visions Of Excess』はその2作目にあたる。The New Yorkerは彼らを「主にスタジオで機能するダウンタウン系の集合体」と捉えている。1985年という時点で、ニューヨーク地下音楽の文脈にある集団的な制作と、ゲストを招いたアルバム作りが重なっている。
AllMusicは本作を、前作のノイズ・ファンク路線からの大きな転換として扱い、よりポップ志向へ移った点を強調している。Billboardはこの作品を「地下シーンの挑戦的だが商業性もあるスタジオ・アグリゲート」と評した。Los Angeles Timesは、このアルバムを「大きく、広がりのある音だが、ニューヨーク的なクールさで抑えられている」と述べている。キャリア面では、Anton Fierがゲストを集めながらも、まとまりのあるアルバムを作れることを示した時期として位置づけられている。
聴きどころとして挙げられている曲
AllMusicのジェイソン・アンケニーは、「Boy (Go)」と「Omaha」をアルバムのハイライトとして挙げている。あわせて、「(Kind of) True」と「Buenos Aires」で歌うSyd Strawの存在も高く評価している。作品全体については、前作からの急旋回と見なされ、地下の名手たちが集まった構成と、曲ごとの役割分担が印象点として語られている。
評価の補足
AllMusicではユーザー評価の件数が94件あり、Robert ChristgauはB+としている。大きなチャート実績については、今回の確認範囲では明確な上位入りは見当たらない。
トラックリスト
- A1 Boy (Go) 5:27
- A2 Clustering Train 6:05
- A3 Omaha 3:10
- A4 The Animal Speaks 4:05
- B1 Silver Bullet 5:07
- B2 (Kind Of) True 4:45
- B3 Buenos Aires 3:45
- B4 Only One Party 4:30
動画プレイリスト
このアーティストについて
The Golden Palominos(ザ・ゴールデン・パロミノス)は、ドラマー/パーカッショニスト/プロデューサーのアントン・フィア(Anton Fier)を中心に、...
The Golden Palominos のプロフィール・作品一覧The Golden Palominos の他のレビュー