Limonada - Limonada (1970)
Limonada 1970

Limonada - Limonada (1970)

Rock Prog Rock Garage Rock Rock & Roll

Limonada『Limonada』について

Uruguayのバンド、Limonadaが1970年に残した同名アルバムの2008年盤。メンバーはWalter Cambón、Luis Sosa、Ricardo Lanza、Dardo Martínezで、前身にEl Kintoの流れを持つグループとして知られている。ロックを軸に、Garage Rock、Prog Rock、Rock & Rollの要素を横断する内容で、1960年代末から1970年代初頭の南米ロックの空気がそのまま刻まれた一枚といえる。

この2008年盤は、Lion ProductionsによるUSリリース。オリジナルは1970年の作品で、再発盤としての位置づけになる。Lion Productionsはサイケデリック・ロック周辺の再発で知られるレーベルで、この盤も当時の南米ロックを現在のリスナーへ届ける役割を担ったもの。オリジナルの時代感を残したまま、改めて聴き直せる形で出ている点がポイントになる。

バンドの背景と位置づけ

Limonadaは1969年から1971年に活動したウルグアイのバンドで、El Kintoに関わっていたミュージシャンたちによって結成された。El Kintoはウルグアイ音楽史のなかでも重要な存在として語られることが多く、その流れを汲むLimonadaにも、単なるロックバンド以上の文脈がある。英米のロックをそのままなぞるのではなく、当時のラテンアメリカのロックが持っていた独特の推進力や編成の柔軟さが感じられるグループである。

このアルバムは、そうしたバンドの活動期をそのまま映した作品として捉えやすい。派手な装飾で押すタイプというより、曲の骨格、演奏の輪郭、リズムの運びで聴かせる場面が多い。Garage Rock的な直進性と、Prog Rock的な展開の意識、そしてRock & Rollの基本形が同居しているところが、この作品の見どころになる。

オリジナル盤と2008年再発盤

1970年のオリジナル盤に対して、2008年盤は再発として出されたもの。再発盤では、当時の南米ロックを掘り起こす文脈が前面に出てくる。Lion Productionsのカタログの性格上、こうした作品は埋もれた地域ロックの記録として再評価されやすく、Limonadaもその流れの中で紹介されてきた。オリジナル盤を手にするのが難しい作品に、別の入口を作った盤ともいえる。

音の印象としては、時代相応のラフさを残したロック作品らしい輪郭があり、演奏の生々しさが前に出るタイプ。録音の細部を磨き上げるというより、バンドの動きそのものを聴かせる作りで、60年代末から70年代初頭のロックの感触がそのまま残っている。

注目曲について

収録曲の中では、まずタイトル曲の「Limonada」が核になる。バンド名と同じ題を持つ曲は、その作品全体の性格を示すことが多いが、このアルバムでも同様で、バンドの基本姿勢を端的に示す存在として聴き取りやすい。リフの押し出し、リズムの前進、演奏のまとまりといった要素がまとまって見えやすく、アルバムの入口として機能する。

この曲では、Garage Rock寄りの荒さと、Rock & Roll由来の分かりやすい推進力がまず耳に入る。そのうえで、単純な反復だけで終わらず、展開の付け方にProg Rock的な意識がのぞくところがLimonadaらしい。南米ロックの同時代作品と比べても、英米の模倣に寄り切らず、バンド内の演奏感で押し切る印象がある。

もう一つの注目点は、楽曲ごとに表情が変わるところ。速い曲では勢いが前に出て、演奏の粗さがそのまま魅力になる一方、テンポを落とした場面では、ギターやリズム隊の間合いが少しずつ見えてくる。ここでの聴きどころは、個々の音色よりも、バンド全体の進み方。曲がどう組み立てられているかを追う楽しさがある。

アルバム全体の印象

『Limonada』は、派手なヒット曲で押すタイプの作品というより、バンドの現場感をそのまま残したアルバムとして受け取りやすい。曲単位で見ても、どれか一曲だけが突出するというより、作品全体で当時のロックの呼吸を伝えてくる。El Kintoの系譜を踏まえたバンドとしての連続性も感じやすく、ウルグアイ・ロックの初期を知るうえでの手がかりになる作品である。

同時代のラテンアメリカ・ロックの中では、サイケデリックな広がりよりも、バンド演奏のまとまりと曲の運びに目が向く盤。1960年代末から1970年頃のロックが持っていた、まだジャンルの境界が固まりきる前の感触が残っている。再発盤として聴くと、そうした時代の空気を現在の耳で追えるところに、この作品の価値がある。

トラックリスト

  1. A1 Ojos Que Miran Lejos 2:01
  2. A2 Barrio De Casas Bajas 1:50
  3. A3 Pasteles Verdes 2:58
  4. A4 Veo Luz En La Ventana 2:16
  5. A5 Dejenme Dormir 2:53
  6. A6 Lejos Estas 3:01
  7. B1 Siempre Caminar 3:38
  8. B2 Pies Descalzos 2:16
  9. B3 Cambiar La Rosa 3:08
  10. B4 No Puedo Comprender 3:20
  11. B5 A "Nonica" 2:40
  12. B6 Viejo Tambor 2:54

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