Mike Francis - Features (1985)
Mike Francis 1985

Mike Francis - Features (1985)

Electronic Italo-Disco

Mike Francis『Features』(1985)レビュー

Mike Francisの『Features』は、1985年にイタリアのConcordeから出たアルバムで、同年の空気をそのまま閉じ込めたような一枚だ。前作で1984年のヒット曲「Survivor」によって広く名前を知られるようになったあと、その流れを受けて制作された作品で、彼のソロ・キャリアの中でも重要な位置にある。

Mike Francisは本名をMichele Francesco Puccioni。1961年4月26日にフィレンツェで生まれ、2009年1月30日にローマで亡くなっている。10代の頃から音楽活動を始め、1980年代前半にはイタリアのポップ・シーンの中で存在感を強めていった。『Features』は、その初期代表作のひとつとして見ておきたい。

ローマ録音の1985年作

本作は1985年5月から6月にかけてローマのRCA Studiosで録音・ミックスされ、マスタリングもRCA Mastering Studiosで行われている。制作クレジットにはCat's Concorde Label向けのプロデュース表記があり、当時のイタリア産ポップ/ダンス作品らしい、スタジオ主導のきっちりした作りがうかがえる。

参加クレジットも興味深い。Amii StewartとSimona Pironiが、RCAの協力のもとでゲスト参加している。とくにAmii Stewartとのデュエット「Together」は、このアルバムを語るうえで外せない曲だ。1985年7月にイタリアのシングル・チャートで9位まで上昇しており、アルバムの中核を担う代表曲として機能している。

ソウルとイタロ・ディスコの接点

Mike Francisの持ち味は、ソウル寄りの歌声とイタロ・ディスコ、AOR的な整ったサウンドの組み合わせにある。『Features』でもその特徴ははっきりしていて、ビートは当時のヨーロッパのダンス・ポップらしく明快だが、歌の置き方には黒人音楽由来の滑らかさが残る。イタリア産のダンス・ポップでありながら、アメリカ西海岸系の洗練も感じさせるあたりが、彼の個性になっている。

収録曲にはBill Withersの「Lovely Day」と10ccの「I'm Not In Love」のカバーも入っている。どちらも原曲の知名度が高い曲だが、Mike Francisはそれを単なる模倣にせず、自分の声質と80年代の制作感覚に引き寄せている。カバー曲がアルバムの中で浮かず、オリジナル曲と同じ温度で並んでいる点がこの作品の面白さだ。

「Survivor」の次に置かれた作品

『Features』は、「Survivor」で一気に広がった認知を、そのまま次の段階へつなぐ役割も持っている。ヒット曲ひとつで終わらせず、アーティスト像を固めるための作品として機能している印象が強い。とくに「Together」の成功は、Mike Francisが単独のシンガーとしてだけでなく、デュエットやコラボレーションの場でも存在感を出せることを示している。

同時代のイタリアでは、イタロ・ディスコが国際的に広がり、シンセサウンドを軸にしたポップが数多く作られていた。その中でMike Francisは、単純に踊らせる方向だけに寄らず、歌の輪郭を前に出していた。ここが同時代のダンス・プロジェクトと少し違うところで、ソロ・シンガーとしての性格が最後まで残っている。

アルバムの手触り

実際に聴くと、音の設計はかなり整っている。ドラムやシンセの輪郭がはっきりしていて、ベースラインも前に出る。そこにMike Francisの柔らかい声が乗ることで、曲全体がきつくなりすぎない。派手な音色の連打よりも、ボーカルとリズムのバランスで聴かせる作りだ。

アルバム全体を通して、ダンスフロア向けの推進力と、夜のラジオ向けの落ち着きが同居している。イタロ・ディスコの枠に収めるには歌が深く、AORとして見るにはビートがはっきりしている。その中間にある感触が、『Features』の持ち味として残る。

まとめ

『Features』は、Mike Francisが1980年代半ばのイタリア・ポップ/ダンス・シーンで築いた立ち位置を示すアルバムだ。ヒット曲「Survivor」の後に出た作品として、彼の歌声、カバー選曲、ゲストとの共演、そしてローマ録音という制作背景まで含めて、当時の空気がまとまっている。Amii Stewartとの「Together」、Bill Withersや10ccのカバー、そしてソウルとイタロ・ディスコの接点。こうした要素が、1985年という年の作品としてきれいに並んでいる。

トラックリスト

  1. A1 Prelude 0:58
  2. A2.a) Features Of Love 5:07
  3. A2.b) Prelude 0:38
  4. A3 Iron It Out 5:24
  5. A4 Upside Down 5:52
  6. A5 Lovely Day 4:49
  7. B1 You Can't Get Out Of My Heart 4:26
  8. B2 Hip Hop Bee Bop On 4:34
  9. B3 I'm Not In Love 4:42
  10. B4 Together (New Version) 4:59
  11. B5 Special Girl 4:05

動画プレイリスト

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