Ricardo Marrero & The Group - A Taste (1976)
Ricardo Marrero & The Group『A Taste』
ニューヨークのラテン音楽シーンで活躍したキーボード/ヴィブラフォン奏者リカルド・マレーロ(Ricardo Marrero)が率いたグループ、リカルド・マレーロ&ザ・グループの1976年のデビュー作。ボクシング・プロモーターのドン・キングが運営に関わっていたとされるニューヨークの節税対策用レーベル(いわゆる「タックス・スキャム・レーベル」)の代表格「TSG Records」(TSG-805)からリリースされた。ごく少数のプレスにとどまったことから、長年レアグルーヴ界の「究極の聖杯(ホーリー・グレイル)」と称されてきた幻の一枚である。
制作背景・エピソード
本作の大きな特徴は、後にソロとして大成功を収める若き才能たちが初期メンバーとして集結していたことにある。後にGRPやアリスタで世界的R&B/ジャズ・シンガーとなるアンジェラ・ボフィル(Angela Bofill)がリード&バッキング・ボーカルで参加し、同じくGRPを代表するラテン・ジャズの名フルート奏者となるデイヴ・ヴァレンティン(Dave Valentin)がフルートを担当。さらにマイク・ヴィニャス(ベース)、ティト・マレーロ(ドラム)、エラスト・ベルナルド(パーカッション)らが加わり、若き熱気あふれるアンサンブルを繰り広げている。
収録曲には、怒涛のラテン・ファンク「Babalonia」、アンジェラ・ボフィルの情感あふれる歌唱が際立つ「My Friend」、デイヴ・ヴァレンティンのフルートとマレーロのエレピが軽やかに舞うメロウ・グルーヴ「Tiny」、軽快なサルサ・ファンク「Algo」などが並ぶ。
時代の文脈
1970年代中期のニューヨークにおいて、サルサ隆盛のファニア全盛期と、ジャズ・ファンクやディスコの勃興が交差する中で生まれたニューヨリカン・サウンドの傑作。ラテン、ジャズ、ソウル、ファンクを横断する洗練されたクロスオーバー・サウンドを展開している。
一方で、TSG Recordsはプロモーションや全国流通を目的としない税金対策レーベルであったため、プレス枚数はごく僅かに限られ、発売当時は一般の商業ルートに乗ることなくアンダーグラウンドに埋もれていた。
後世への影響・評価
1980年代末から90年代にかけて英米や日本のレアグルーヴ/クラブ・ジャズ・シーンで再発見されると、その希少性と楽曲クオリティの高さから一躍神格化された。「Babalonia」はクラブDJを狂喜させるキラー・アンセムとなり、「My Friend」はフリー・ソウル〜モダン・ソウルの最高峰バラードとして絶大な支持を獲得。
オリジナルLPは常に数千ドル規模の高額で取引されるメガ・レア盤として知られ、日本ではP-VINE(Pヴァイン)などから度々リイシューされたことで、ラテン・ファンク/レアグルーヴ史における至高の名盤として広く定着している。
トラックリスト
- A1 Tiny 4:38
- A2 Algo 3:42
- A3 And We'll Make Love 2:30
- A4 Vengo 4:13
- B1 Get Yourself Together 4:29
- B2 Babalonia 5:45
- B3 My Friend 6:18
- B4 A Taste Of Latin 4:12
動画プレイリスト
このアーティストについて
リカルド・マレロ&ザ・グループ(Ricardo Marrero & The Group)は、1970年代半ばから後半にかけてアメリカ・ニューヨークで活動した伝説的ラテン・...
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