Gwen McCrae - Melody Of Life (1979)
Gwen McCrae『Melody Of Life』
フロリダ州ペンサコーラ出身のソウル・シンガー、グウェン・マックレーが1979年に発表した『Melody Of Life』は、マイアミ・ソウルの流れの中で作られた全7曲のアルバムである。1975年に「Rockin' Chair」で全米R&Bチャート1位、全米ポップ9位を記録した後、夫ジョージ・マックレーとの離婚や作品面での停滞を経て、再起を期して制作された作品。レーベルはマイアミのCatで、ヘンリー・ストーンが立ち上げたTKプロダクション傘下のソウル専門レーベルにあたる。
制作背景・エピソード
本作では、これまでのマイアミの制作陣から離れ、同郷の盟友である歌姫ベティ・ライトにプロデュースを一任した。全7曲中6曲でベティ・ライトが共作に入り、彼女のバックバンドEternityとアレンジャーのマイク・ルイスも参加。ディープ・ソウルの熱い歌心と、最新のシンセ・ファンクや洗練されたディスコ・サウンドが見事に融合した作品となった。
Catレーベルのオリジナル盤(CAT-2614)は、ラベル中央のCatロゴ直下に「distributed by: T.K. Productions, Inc.」の表記がなく、下部のリム部のみにクレジットが入る仕様となっている。
時代の文脈
1970年代末のマイアミでは、ヘンリー・ストーン率いるTKプロダクションが、ディスコ・ブームの過熱とその反動の間で揺れていた。本作はその転換期に出たアルバムで、リリース当時はチャートインを逃したものの、マイアミ・ソウルを代表する二大女性シンガー、グウェン・マックレーとベティ・ライトががっちりと手を組んだ奇跡的なコラボレーションとして、後年高く再評価されることとなった。
サウンド・聴きどころの評され方
厚みのあるシンセベースと切れ味鋭いホーン、情熱的なヴォーカルが疾走するオープニングの「All This Love That I'm Givin'」はもちろん、弾むようなベースラインと晴れやかなホーンが新たな愛の喜びを歌い上げるモダンソウル・ダンサー「The Joy」が白眉。
一方で、繊細なフルートと流麗なストリングスをバックにしっとりと歌い込む「I Can Only Think Of You」や、サザン・ソウル直系のディープな熱唱で圧倒するバラード「Ease The Pain」、ゴスペル仕込みの豊かな表現力が胸を打つタイトル曲「The Melody Of Life」など、緩急に富んだ全7曲の構成が絶賛されている。
後世への影響
このアルバムで特に広く知られるのが「All This Love That I'm Givin'」である。ニューヨークの伝説的クラブ、パラダイス・ガラージでDJラリー・レヴァンがヘヴィプレイしたことで、ガラージ/ディスコ・クラシックとしての揺るぎない地位を確立した。さらに1999年には、フランスのフィルター・ハウス・デュオであるカシアス(Cassius)が本曲を大々的にサンプリングした「Feeling For You」を世界的大ヒットに導き、現在も数多くのハウス/クラブDJやディガーから愛され続けている。
トラックリスト
- A1 All This Love That I'm Givin' 4:08
- A2 I Can Only Think Of You 5:34
- A3 Maybe I'll Find Somebody New 3:36
- A4 I Found A Love 4:36
- B1 The Joy 4:38
- B2 Ease The Pain 3:34
- B3 The Melody Of Life 6:07
動画プレイリスト
このアーティストについて
Gwen McCrae(グウェン・マクレー)は、1943年12月21日にフロリダ州ペンサコーラで生まれたアメリカのソウル・シンガーだ。本名はGwendolyn Patricia...
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