James Brown - Super Bad (1971)
James Brown 1971

James Brown - Super Bad (1971)

Funk / Soul Funk

James Brown『Super Bad』

ジェームス・ブラウン(James Brown)が1971年に発表したアルバム『Super Bad』は、長年所属した名門キング・レコード(King Records)からポリドール(Polydor)へと移籍する直前の過渡期に生まれた作品である(UK盤など欧州ではPolydorからリリース)。歓声がオーバーダビングされた「疑似ライヴ(スード・ライヴ)」の体裁をとっているが、実際には1968年12月から1970年6月にかけてシンシナティのキング・スタジオやナッシュビルのスターデイ・キング・スタジオで録音されたスタジオ音源で構成されている。

制作背景・エピソード

本作最大のハイライトは、約9分半に及ぶ長尺の表題曲「(Call Me) Super Bad (Parts 1, 2 And 3)」。1970年6月に録音されたこのトラックは、元祖ザ・ジェイビーイズ(The J.B.'s)の核となった若きブーツィー・コリンズ(Bootsy Collins:ベース)と実兄キャットフィッシュ・コリンズ(Catfish Collins:ギター)、名ドラマーのジャボ・スタークス(Jabo Starks)による弾丸のようなファンク・グルーヴが炸裂する歴史的テイクである。テナーサックス奏者ロバート・マッカロウ(Robert McCollough)のブロウの最中に、JBが「Blow me some 'Trane, brother!(コルトレーンばりのブローを聴かせてくれ!)」と煽る掛け声も語り草となっている。

1970年3月、旧来のバックバンドがギャラ闘争により集団離脱した直後、オハイオの若手バンド「ペースセッターズ」を電撃起用して結成された新生ザ・ジェイビーイズ。ブーツィー兄弟が在籍したわずか1年あまりの蜜月期において、ファンクのビート構造を根本から革新した瞬間の熱気が真空パックされている。

サウンドと収録曲

猛烈なファンク・チューン「Giving Out Of Juice」が収録される一方で、本作はJB本来のディープ・ソウル・シンガーとしての魅力が横溢するバラード「Sometime」「A Man Has To Go Back To The Crossroads」も収録。さらにエヴァリー・ブラザーズの「Let It Be Me」やジミー・ウェッブ作「By The Time I Get To Phoenix」をJB流の灼熱のソウルへと昇華させたカバーなど、ハード・ファンクと濃厚なディープ・ソウルが同居する多彩な構成となっている。

後世への影響・評価

表題曲「Super Bad」の極太なベースライン、ホーンのキメ、タイトなドラムブレイクは、ヒップホップ黎明期から現代に至るまで無数のプロデューサーによってサンプリングされ続けている。パブリック・エナミー、ビッグ・ダディ・ケイン、ビースティ・ボーイズ、アイス・キューブなど、ゴールデンエイジ・ヒップホップを形作った最重要ファンク・クラシックのひとつである。

シングル「(Call Me) Super Bad」は米ビルボードR&Bチャートで堂々の1位を獲得(全米Hot 100でも13位)。アルバムも米ビルボード総合アルバム・チャートで61位、R&Bアルバム・チャートで4位を記録した。キング・レコード時代を締めくくる歴史的ターニングポイントの記録として、ファンク史に燦然と輝く名盤である。

トラックリスト

  1. A1 (Call Me) Super Bad (Parts 1, 2 And 3)
  2. A2 Let It Be Me
  3. A3 Sometime
  4. B1 A Man Has To Go Back To The Crossroads
  5. B2 Giving Out Of Juice
  6. B3 By The Time I Get To Phoenix

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

James Brown

James Brown

James Brown(ジェームス・ブラウン、本名James Joseph Brown Jr.)は、1933年5月3日にサウスカロライナ州で生まれ、2006年12月25日にアトランタで逝...

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