Rikard Sjöblom's Gungfly - Alone Together (2020)
Rikard Sjöblom's Gungfly 2020

Rikard Sjöblom's Gungfly - Alone Together (2020)

Rock Prog Rock

Rikard Sjöblom's Gungfly『Alone Together』

スウェーデンの新世代プログレッシヴ・ロックを牽引する奇才シンガー/マルチ奏者、Rikard Sjöblom(リカルド・シェーブロム)が率いるソロ・プロジェクト、Rikard Sjöblom's Gungfly(ガングフライ)の通算6作目となるスタジオ・アルバム『Alone Together』(2020年)。技巧派バンドBeardfish(ビアードフィッシュ)のリーダーとして知られ、現代英国プログ・シーンの最高峰Big Big Train(ビッグ・ビッグ・トレイン)の主要メンバーとしても活躍する彼が、欧州の名門インサイド・アウト・ミュージック(Inside Out Music)から放った傑作である。従来のシンフォニックな大編成キーボード・ロックから一転、生々しいバンド感を重視したパワートリオ編成を軸に制作され、ヴィンテージなハード・ロックの肉体性と緻密なプログレッシヴ・ロックの構造美が最高潮に達した一作である。

制作背景・エピソード

本作においてシェーブロム(ヴォーカル、ギター、キーボード)は、ディアマン兄弟であるペッター・ディアマン(ドラム)とラスマス・ディアマン(ベース)を迎えたトリオ編成を中心に据えてレコーディングを敢行した。これまでのソロ諸作で見られた複雑なオーケストレーションや多重録音による装飾を敢えて削ぎ落とし、ライヴ感あふれるロック・アンサンブルの推進力を徹底追求。歪ませたハモンドオルガンと荒々しいファズ・ギター、そしてタイトかつアグレッシブなリズム隊が激突する、骨太で躍動的なサウンドが生み出された。

時代の文脈

2020年は世界的なパンデミックによって人々が物理的な分断と孤立を余ぎなくされた未曾有の年であり、本作のタイトル『Alone Together(孤独でありながら共に)』は、そうした時代の空気を鮮烈に象徴するものとなった。楽曲自体のアイデアはそれ以前から温められていたものの、現代社会における人間同士の距離感や内省的なテーマは、当時の世界情勢と期せずして深く共鳴した。1970年代のプログレッシヴ・ロックやクラシック・ロックの黄金律を受け継ぎながら、21世紀のオルタナティヴな息吹を注ぎ込み続ける北欧モダン・プログの成熟を克明に物語っている。

サウンド・聴きどころ

アルバムの冒頭を飾る「Traveler」は、13分を超える圧巻のプログレッシヴ・エピックである。変幻自在な変拍子の嵐と重厚なハード・ロック・リフ、そしてジャズ・フュージョン的なインタープレイが目まぐるしく展開し、聴き手を一気に引き込む。続く「Happy Somewhere in Between」や「Clean as a Whistle」では、フランク・ザッパを想起させる変則的なファンク・グルーヴと、北欧特有のキャッチーで哀愁漂うメロディが絶妙なバランスで共存。さらに後半では、孤独の先にある温もりを歌い上げた9分半の壮大なタイトル曲「Alone Together」、繊細なアコースティックの小品「From Afar」を経て、ラストの14分半に及ぶ大曲「On the Shoulders of Giants」へと至る。先人たちへの敬愛を随所に織り交ぜながら、ドラマティックなカタルシスを描き出す構成力は圧巻である。

後世への影響

本作は、レトロ・プログの枠組みを軽やかに飛び越え、ブルース、ファンク、ポップ、ジャズを自由に横断するリカルド・シェーブロムの唯一無二のコンポーザー/アレンジャーとしての評価を決定づけた。ザッパ譲りの知的なユーモアと、ジェントル・ジャイアントやディープ・パープルに連なる緻密かつアグレッシブなバンド・サウンドの融合は、2020年代におけるクロスオーバー・プログ/モダン・プログレッシヴ・ロックの新たなベンチマークとして、同時代のアーティストたちに刺激を与え続けている。

評価・チャート

本作はリリース直後から、英国の権威ある音楽誌『Prog Magazine』をはじめとする世界のロック・メディアから「シェーブロムのキャリア史上、最もソリッドで力感に満ちた傑作」と絶賛を浴びた。限定発売されたアナログ盤が瞬く間に完売するなど熱心なファンから熱狂的な支持を集め、スウェーデンが誇る天才ミュージシャンの真価を余すところなく刻み込んだ名作として確固たる地位を築いている。

トラックリスト

  1. A1 Traveler 13:03
  2. A2 Happy Somewhere in Between 6:16
  3. A3 Clean as a Whistle 6:18
  4. B4 Alone Together 9:32
  5. B5 From Afar 2:45
  6. B6 On the Shoulders of Giants 14:46
  7. CD-1 Traveler 13:03
  8. CD-2 Happy Somewhere in Between 6:16
  9. CD-3 Clean as a Whistle 6:18
  10. CD-4 Alone Together 9:32
  11. CD-5 From Afar 2:45
  12. CD-6 On the Shoulders of Giants 14:46
  13. Bonus Tracks
  14. CD-7 Grove Thoughts 3:25
  15. CD-8 Shoulder Variations 5:17

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Rikard Sjöblom's Gungfly

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