Rob - Make It Fast, Make It Slow (1978)
Rob 1978

Rob - Make It Fast, Make It Slow (1978)

Folk, World, & Country Funk / Soul Funk Soul Afrobeat Gospel

Rob『Make It Fast, Make It Slow』

ガーナのアフロ・ファンク/コズミック・ソウルを象徴するシンガー、ロブ(RobことRob 'Roy' Raindorf)が1978年に名門エッシーボンズ(Essiebons)から発表したセカンド・アルバム。ディガーやビートメイカーの間で神格化されている、西アフリカ産レア・グルーヴ屈指のメガ・レア盤である。

制作背景・エピソード

ロブは1949年アクラ生まれ。隣国ベナンのコトヌーにある音楽学校でピアノを学び、名門オーケストラ・ポリ=リズモ(Orchestre Poly-Rythmo de Cotonou)やブラック・サンティアゴスといったトップ・バンドとの共演で実践的な作曲・編曲技術を吸収した。ガーナ帰国後、強力なホーン隊を擁するバンドを求めていたロブは、西部タコラディを拠点とする軍楽隊出身のファンク・アンサンブル「Mag-2」に出会い、バック演奏を依頼した。

Mag-2の中心人物であるギタリストのアムポンサー(Amponsah)が緻密なコード進行やホーン・アレンジの大半を手がけ、録音はアクラのエッシーボンズ・スタジオで敢行された。スペーシーなキーボードの響き、ヘヴィなホーン・セクション、そしてロブの呪術的かつソウルフルな歌声が一体となり、唯一無二のサウンドスケープが生み出された。

時代の文脈

疾走感あふれるアフロビートを前面に出した前作『Funky Rob Way』(1977年)に対し、本作では催眠的なミッドテンポのファンクやゴスペル調のソウルへと音楽性を深化させた。表題曲「Make It Fast Make It Slow」や「Loose Up Yourself」に顕著な、引きずるような重厚なビートと哀愁に満ちたホーン・リフは、ナイジェリアのフェラ・クティ流アフロビートとは趣を異にする、ガーナ独自のスロウ・ファンクの到達点を示している。

1980年代に入ると、ガーナ国内の音楽シーンはディスコ/ブギーの流行やハイライフの変容期を迎え、ロブは新たな活動拠点を求めてドイツ・ハンブルクへと移住した。本作は、70年代後半の黄金期ガーナで彼が残した記念碑的録音となった。

後世への影響

2000年代以降、UKのSoundway Recordsによる名コンピレーション『Ghana Soundz』への収録や2012年の公式リイシューを機に、世界的な再評価が決定づけられた。とりわけ不世出のプロデューサーJ・ディラ(J Dilla)が表題曲「Make It Fast Make It Slow」をサンプリングし、ギルティ・シンプソン(Guilty Simpson)の「Make It Fast」(Stones Throw)や遺作アルバム『Jay Stay Paid』で使用したことで、ヒップホップ界でも不朽のクラシックとして確固たる地位を築いた。

盤について

1978年のガーナ・オリジナルLP(Essiebons INLS 6129)。当時現地でのプレス枚数は極めて限られており、アフリカン・レアグルーヴ界において最高峰のコレクターズ・ピースとして世界的な需要を誇っている。

トラックリスト

  1. A1 Loose Up Yourself 3:25
  2. A2 Make It Fast Make It Slow 3:27
  3. A3 Not The End 3:53
  4. A4 I've Got To See You Again, Lord 3:53
  5. B1 He Shall Live In You 5:27
  6. B2 But You 3:25
  7. B3 Bargain 5:20
  8. B4 Back On You 2:45

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Rob

Rob

RobことRob 'Roy' Raindorf(Reindorf表記もある)は、ガーナのアクラ出身のシンガー/キーボード奏者だ。1949年5月13日生まれで、ガーナから出てきた...

Rob のプロフィール・作品一覧

Rob の他のレビュー

Share
戻る

あわせて聴きたい "Funk"

toast