Menahan Street Band - Make The Road By Walking (2008)
Menahan Street Band 2008

Menahan Street Band - Make The Road By Walking (2008)

Funk / Soul Latin Funk Soul Afrobeat

Menahan Street Band『Make The Road By Walking』

Menahan Street Bandが2008年に発表した1stアルバム。ブルックリンのDaptone周辺で活動していたミュージシャンたちが集まり、インストゥルメンタル・ソウル/ファンクとして形にした初期作で、Dunhamレーベルの第1弾でもある。録音はブルックリンの250 Menahan Streetで行われ、ミックスはDaptone Studios。オールドスタイルのティップオン(厚紙貼り合わせ)・ジャケット仕様で出たアナログLP盤だ。

制作背景・エピソード

中心にいたのはギタリストのThomas Brenneckで、The Dap-KingsやThe El Michels Affair、Budos Bandなどで活動していた面々が合流した。参加メンバーには、Homer Steinweiss、Nick Movshon、Leon Michels、Dave Guy、Thomas Brenneck、Mike Dellerら、エイミー・ワインハウスの名盤『Back to Black』の演奏も支えた精鋭が名を連ねる。8トラックのオープンリール・レコーダーを持ち込み、Brenneckの自宅アパート(250 Menahan Street)で録音されたという経緯を持つ。また、この自宅スタジオの近所に住んでいた無名のシンガー、Charles Bradleyを発掘し、のちにバンドがバックを務めて世界的ブレイクへ導く拠点ともなった。

レーベル面では、Dunham RecordsがDaptone傘下で立ち上げられ、この作品がその最初のリリースとなった。ブルックリンのBushwickにあったBrenneckの寝室から始まり、後にWilliamsburgの広いロフトへ移ったというレーベルの履歴も、この作品の出発点と重なる。

時代の文脈

2000年代後半、デジタル録音が主流の中で、60〜70年代のソウル/ファンクの録音手法とアナログ・テープの質感を追求した作品として位置づけられている。単なる復刻ではなく、ニューヨークのヒップホップ世代に近い感覚でドラムブレイクを前面に置き、映画音楽のような情景喚起力を持つインストゥルメンタル・ソウルを展開した点が大きな特徴となっている。

サウンドの特徴と聴きどころ

高らかに鳴り響くブラス・リフと、乾いた太いドラムブレイク、ギターのカッティングが完璧なグルーヴを生むタイトル曲「Make The Road By Walking」をはじめ、哀愁とスリルが漂う「The Traitor」、さらに映画『ロッキー』のビル・コンティ作曲によるテーマ曲を重厚なディープ・ソウルへと再構築した「Going The Distance」など、全編にわたって極上のシネマティック・インスト・ファンクが堪能できる。

後世への影響

本作で世界的に知られるのがタイトル曲「Make The Road By Walking」のサンプリングだ。Jay-Zがアルバム『American Gangster』(2007年)のリードシングル「Roc Boys (And the Winner Is...)」で大々的にサンプリングし、世界的大ヒットを記録(ローリング・ストーン誌の2007年年間ベストシングル1位を獲得)。このサンプリング印税によってBrenneckが本格的なスタジオを建設できたという逸話も残る。

さらに「The Traitor」もKid Cudiの「Solo Dolo」や50 Centの「Flight 187」にサンプリングされるなど、ヒップホップ界屈指のサンプリング・ソースの宝庫としても高い評価を得ている。2000年代以降の現行ヴィンテージ・ソウル・リバイバルを象徴する名盤として現在も愛聴されている。

トラックリスト

  1. A1 Make The Road By Walking
  2. A2 Tired Of Fighting
  3. A3 Home Again!
  4. A4 Montego Sunset
  5. A5 Karina
  6. A6 Untitled
  7. B1 The Traitor
  8. B2 The Contender
  9. B3 Birds
  10. B4 Esma
  11. B5 Going The Distance
  12. B6 Untitled

動画プレイリスト

公開: 2026年10月
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