The Allman Brothers Band - The Allman Brothers Band (1969)
The Allman Brothers Band 1969

The Allman Brothers Band - The Allman Brothers Band (1969)

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The Allman Brothers Band / The Allman Brothers Band (1969)

The Allman Brothers Bandのデビュー作で、バンド名そのものをタイトルにした1969年の1枚だ。後年「サザン・ロックの原点」として語られることが多いが、当時の位置づけはもっと素朴で、ブルースを土台にした新しいバンドの初期像をそのまま刻んだ作品という印象が強い。すでに完成された個性を持ちながらも、まだ大きな商業的成功の手前にいる時期の記録である。

制作の背景と録音の空気

録音はニューヨークのAtlantic Recording Studiosで行われた。制作面ではTom Dowdが関わる予定だったが、実際にはAtlanticのハウス・エンジニアだったAdrian Barberが担当したとされる。短い期間でまとめられたアルバムで、収録曲の多くはそれ以前のライヴで演奏されていた曲群だ。そのため、スタジオ盤でありながら、演奏のまとまりや呼吸の合い方にライヴ・バンドとしての実感がある。

レコードとしてはUSのATCO Records盤、カタログ番号はSD 33-308。テクスチャーのあるゲートフォールド仕様で、A面ラベルには“Capricorn Record Series”の表記がある。プレス情報としてはPresswell由来の“PR”が確認でき、ランアウトに“W”が入るものはAudiodisc製ラッカーブランクの使用を示す。こうした初期US盤らしい要素も、この時代のアトランティック系レーベルの雰囲気をよく伝えている。

サウンドの核

このアルバムの中心にあるのは、ブルースだ。そこに南部ゴスペルの感触、ジャズ的な間合い、アフロ・ラテン的なリズム感が混ざる。デュアン・オールマンとディッキー・ベッツのツイン・ギターは、単なるリードとバッキングの関係ではなく、互いのフレーズを受け渡しながら前へ進む構造になっている。グレッグ・オールマンの歌は、派手な技巧よりも、曲の重心を下に置く役割が大きい。

実際に聴くと、音数の多さよりも、各楽器の入り方と抜け方が印象に残る。特にリズム隊の推進力が強く、ドラムが二人いる編成の意味がはっきり出ている。曲によっては、演奏が一斉に熱を上げるというより、少しずつ密度を増していく感じがある。スタジオ盤でも、既にライヴで鍛えたバンドの足腰が見える内容だ。

代表曲としての「Whipping Post」

この作品を語るうえで外せないのが「Whipping Post」だ。後年まで代表曲として扱われることが多く、ライヴでも重要な位置を占めていく。曲の進行はシンプルだが、演奏が進むほど緊張感が増していく構成で、バンドの持つ粘り強さがよく出ている。「Dreams」も初期Allman Brothersの核にある曲として知られ、のちの評価の中で存在感を強めた楽曲だ。

収録曲全体を通してみると、まだ大作志向が前面に出すぎていないぶん、各曲の輪郭がはっきりしている。ブルース・ロックのフォーマットを使いながら、単純なコピーに留まらないところがこのデビュー作の重要な点だろう。

作品の位置づけ

The Allman Brothers Bandは1969年結成で、このアルバムが最初のスタジオ作品になる。のちにバンドは長く活動し、1970年代の南部ロック・シーンを代表する存在になっていくが、その出発点としてはかなり明確だ。ここでは、すでにデュアン・オールマンとディッキー・ベッツの双頭ギター、二人のドラマー、そしてグレッグ・オールマンのボーカルという基本形がそろっている。つまり、後年の完成形が最初からかなり見えているデビュー盤でもある。

同時代のアメリカン・ロックの中では、Canned HeatやGrateful Deadのようにブルースや即興性を重視するバンドと並べて語られることがある。ただし、この作品は西海岸のサイケデリック色よりも、南部の空気とブルースの骨格が前に出る。後のSouthern rockという言葉が定着していく流れを考えると、この1枚の役割は小さくない。

評価の流れ

発売当時は大きなヒット作ではなかったが、のちの回顧では評価が高い。初期の売上は控えめだった一方で、ライヴ活動を通じてじわじわ支持を広げ、バンドの基盤を作った作品として位置づけられている。デビュー作でありながら、単なる初期資料ではなく、その後のAllman Brothersの方向性をかなり早い段階で示したアルバムとして見られている。

ATCOの1969年盤として聴くと、作品の中身だけでなく、当時のレーベルやプレスの雰囲気まで含めて時代が見えてくる。ブルースを軸にしながら、南部のバンドらしい重心と、ジャズ的な流れを同居させた出発点。The Allman Brothers Bandという名前をそのまま背負った、最初の一歩の記録である。

トラックリスト

  1. A1 Don't Want You No More 2:25
  2. A2 It's Not My Cross To Bear 5:02
  3. A3 Black Hearted Woman 5:08
  4. A4 Trouble No More 3:45
  5. B1 Every Hungry Woman 4:13
  6. B2 Dreams 7:18
  7. B3 Whipping Post 5:17

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