Cream - Disraeli Gears (1967)
Cream 1967

Cream - Disraeli Gears (1967)

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Cream『Disraeli Gears』(1967) レビュー

Creamの『Disraeli Gears』は、1967年にUKのReactionレーベルから出た2作目のスタジオ・アルバムで、バンドの名前を一気に広く知らしめた作品だ。Eric Clapton、Jack Bruce、Ginger Bakerという3人の強い個性が、ブルース・ロックを土台にしながらサイケデリックな色彩をまとっていく流れが、この1枚にははっきり出ている。Creamはロンドンで結成された英国のロック・バンドで、しばしば世界初のスーパーバンドとして語られるが、その看板にふさわしく、演奏の密度と音の押し出しがかなり強い。

このアルバムが重要なのは、単に代表作だからではない。バンドの初期像をそのまま固定した作品でもある。デビュー作よりも曲の輪郭が明確で、ブルース由来の粘りと、当時のロックが向かっていたサイケデリックな感覚が同居している。後の『White Room』期へつながる前段階として見ると、Creamの方向性がここでかなり整理されているのが分かる。

収録曲と代表曲の存在感

この盤を語るうえで外せないのは、やはり「Sunshine of Your Love」と「Strange Brew」だ。「Sunshine of Your Love」はJack Bruceのベース・リフが核になっていて、そこにClaptonのギターが重なる。テンポを落としたことで、リフの重さが前に出る仕上がりになっている。ブルース・ロックの文脈では頻繁に引き合いに出される曲で、後のハードロックにも影響を残した定番の一つだ。

「Strange Brew」はClapton、Felix Pappalardi、Gail Collinsの共作として知られる。Pappalardiは単なる録音担当ではなく、素材をまとめて曲として成立させる役割を担った人物として見られている。Creamの演奏に、当時のスタジオ制作の感覚を持ち込んだ存在だ。アルバム全体の色合いをサイケデリック寄りに整えた点でも、この曲は象徴的だ。

「Tales of Brave Ulysses」も印象が強い。ジャケットを手がけたMartin Sharpが、Claptonとロンドンで過ごす中で関わった曲として知られ、作品全体の視覚イメージと音の方向性がつながっている。歌詞だけでなく、音の処理にも当時らしい実験性がある。

制作背景とサウンド

録音はアメリカのAtlantic Studiosで行われた。UK盤のReactionと、同時期のATCO盤では、コレクターの間で音の印象やプレスの違いがしばしば話題になる。今回のUK Reaction盤は、フルラミネート・ジャケット仕様で、裏面下部に“Manufactured in Great Britain by POLYDOR RECORDS LTD., LONDON”の表記が入る。イギリス盤らしい作りの丁寧さがあり、見た目の完成度も高い。

音の面では、Creamの3人編成が持つ隙の少なさが前面に出る。Jack Bruceのベースは単なる低音補強ではなく、曲の輪郭を動かす役割を持つ。Ginger Bakerのドラムは、細かい装飾よりもフレーズの推進力で曲を押していく。Claptonのギターは、その上で歌うように伸びる。3人それぞれが主張しながら、結果としてまとまりが出る構造だ。

タイトルとジャケットの話

タイトルの『Disraeli Gears』は、Claptonが自転車の“derailleur gears”について話した際、ロード・クルーのミック・ターナーが聞き違えて口にした言葉に由来する、という逸話が残る。こうした軽い遊びが、そのままアルバム名になっているのが面白い。

ジャケットはMartin Sharpによるもの。蛍光色、羽根、花、渦を巻くようなコラージュが組み合わされたデザインで、ロック史の中でもかなり記憶に残る部類に入る。音楽の内容と同じく、1967年という時代の空気を強く吸っているビジュアルだ。後年まで評価が高いのも納得できる仕上がりで、音盤としての存在感を大きくしている。

作品の位置づけ

『Disraeli Gears』は、Creamのディスコグラフィーの中で、バンドの知名度を米国で大きく押し上げた作品として重要だ。実際、アルバムはアメリカで高いチャート成績を残し、後にGrammy Hall of Fameにも選ばれている。Rolling Stone誌の歴代アルバムランキングでも上位に入っており、評価は長く安定している。

同時代の英国ロックの中でも、CreamはThe WhoやJimi Hendrix Experienceと並べて語られることが多い。とくにブルースを基盤にしながら、音量や即興性を前に出すやり方は、後のハードロックやヘヴィなロックの入口にあたる。『Disraeli Gears』は、その流れを分かりやすく示す1枚として残っている。

クリームというバンド名の通り、3人の演奏が濃く混ざり合ったアルバムだ。ブルース・ロックの骨格、サイケデリックな色づけ、代表曲の強さ、そしてジャケットまで含めて、1967年の英国ロックをそのまま封じ込めたような内容になっている。

トラックリスト

  1. A1 Strange Brew
  2. A2 Sunshine Of Your Love
  3. A3 World Of Pain
  4. A4 Dance The Night Away
  5. A5 Blue Condition
  6. B1 Tales Of Brave Ulysses
  7. B2 Swlabr
  8. B3 We're Going Wrong
  9. B4 Outside Woman Blues
  10. B5 Take It Back
  11. B6 Mother's Lament

動画プレイリスト

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