The Beatles - Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (1967)
The Beatles / Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
The Beatlesの8作目のスタジオ・アルバムとして、1967年5月26日に英国で発表された作品。ポップ・ミュージックの枠を広げた一枚として語られることが多く、バンドの作品の中でも転換点にあたるアルバムである。レコードとして見ると、ParlophoneのUK盤オリジナル・プレスは黒地に黄のレーベルで、PCS 7027の番号を持つ。今回の盤も1967年リリースの初出年アイテムで、当時の英国盤らしい細部が残る仕様になっている。
作品の位置づけ
この時期のThe Beatlesは、単なるヒット曲の集合体ではなく、アルバム全体をひとつの流れとして組み立てる方向へ大きく進んでいた。本作では、架空の楽団「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」がステージに立つ、という体裁がアルバム全体を貫いている。もともとは少年時代を題材にした楽曲群として始まった企画が、先行シングルとして切り離された「Strawberry Fields Forever」と「Penny Lane」を経て、現在の形にまとまっていった経緯が知られている。
制作は1966年12月から1967年4月にかけて、EMIスタジオなどで進められた。ジョージ・マーティンのプロデュースのもと、テープ・ループや編集を使った作り込みが目立つ。バンド自身の演奏感を前面に出しつつ、スタジオそのものを楽器のように扱っている点が、このアルバムの大きな特徴になっている。
収録曲と聴きどころ
冒頭のタイトル曲から、すでに普通のロック・アルバムとは少し違う空気がある。観客の歓声を思わせる導入から始まり、曲間のつながりも含めて「ショー」を聴いている感触が強い。「With a Little Help from My Friends」はリンゴ・スターの歌唱が中心で、アルバムの中では親しみやすい位置に置かれている。「Lucy in the Sky with Diamonds」「Getting Better」「Fixing a Hole」などは、メロディの輪郭がはっきりしていて、同時に音の配置に工夫がある。
中盤の「She's Leaving Home」は、ストリングス主体の編成で、当時のロック・バンドの表現としてはかなり異色だが、曲の内容は淡々と進む。A面後半の「Being for the Benefit of Mr. Kite!」は、断片的な素材を編集して組み上げた制作の代表例で、サーカスの看板のような題材がそのまま音像に結びついている。「Within You Without You」はジョージ・ハリスンの色が強く、インド音楽の要素を取り込んだ構成が印象に残る。
そして終盤、「A Day in the Life」でアルバムは締めくくられる。ここは本作の代表曲として扱われることが多く、静かな部分から大きな音のうねりへ移る構成がよく知られている。ラストの余韻まで含めて、1枚の作品としての設計がはっきりしている。
当時の評価と影響
発売後は商業面でも批評面でも大きな成功を収め、全英チャートで27週、全米で15週首位を記録した。1968年のグラミー賞では「Album of the Year」を含む4部門を受賞している。ジャケットもピーター・ブレイクとジャン・ハワースによるコラージュ作品として有名で、マイケル・クーパー撮影の集合写真をもとに、当時の著名人のイメージを大量に配置した構成になっている。
この作品は、ロックをシングル中心の消費からアルバム単位の鑑賞へ押し上げた代表例として扱われることが多い。The Beach Boysの『Pet Sounds』や、同時代のサイケデリック・ロック、英国のアート志向のポップ作品と並べて語られる場面も多い。後の多くのロック・バンドやコンセプト・アルバムに影響を与えた盤であり、The Beatlesのキャリアの中でも、実験性と大衆性が強く結びついた位置にある。
このUKオリジナル盤について
今回のUK盤はParlophoneの初回プレス仕様で、黒黄ラベル、UKの再販価格条件表記、そして「The Gramophone Co. Ltd.」の周回表記が見どころになる。さらに、初回UKステレオ盤らしく、赤白の“Psychedelic Jester”内袋と、切り抜き式のフルカラー・インサートが付属する。盤面には、A面のみ「KT」税コードがエンボスされた個体で、初期英国盤を見分ける要素として重要なポイントになっている。
音としては、曲ごとの輪郭が明確で、細かな音響効果や編集の積み重ねが前面に出る。ヘッドフォンで聴くと、左右の配置や効果音の動きがわかりやすい。ロック、ポップ、サイケデリックの要素が同居しているが、どれか一つに寄せるより、アルバム全体の構成そのものが主役になっている盤である。
The Beatlesの作品群の中でも、この一枚は「バンドが何を変えたか」を端的に示す記録として残っている。曲単体の強さと、アルバム全体の設計が同時に成立しているところが、今なおよく話題になる理由になっている。
トラックリスト
- A1 Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
- A2 With A Little Help From My Friends
- A3 Lucy In The Sky With Diamonds
- A4 Getting Better
- A5 Fixing A Hole
- A6 She's Leaving Home
- A7 Being For The Benefit Of Mr. Kite !
- B1 Within You Without You
- B2 When I'm Sixty-Four
- B3 Lovely Rita
- B4 Good Morning Good Morning
- B5 Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)
- B6 A Day In The Life
- B7 Untitled
動画プレイリスト
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Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Remastered 2009)
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With A Little Help From My Friends (Remastered 2009)
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Lucy In The Sky With Diamonds (Remastered 2009)
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Getting Better (Remastered 2009)
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Fixing A Hole (Remastered 2009)
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She's Leaving Home (Remastered 2009)
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Being For The Benefit Of Mr. Kite! (Remastered 2009)
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Within You Without You (Remastered 2009)
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When I'm Sixty Four (Remastered 2009)
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Lovely Rita (Remastered 2009)
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Good Morning Good Morning (Remastered 2009)
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Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise / Remastered 2009)
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A Day In The Life (Remastered 2009)