The Rolling Stones - Aftermath (1966)
The Rolling Stones 1966

The Rolling Stones - Aftermath (1966)

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The Rolling Stones『Aftermath』(1966) レコード紹介

The Rolling Stonesの『Aftermath』は、1966年にUKのDeccaから出たスタジオ・アルバムで、バンドの初期作品の中でも重要な位置を占める一枚だ。ローリング・ストーンズは1962年にロンドンで結成された英ロック・バンドで、この時期にはすでにシングル・ヒットとアルバム制作の両面で存在感を強めていた。『Aftermath』は、その流れの中で、単なるR&B志向のグループから、作家性のはっきりしたロック・バンドへ移っていく節目として捉えられることが多い。

このUK盤はDecca SKL 4786。録音は1965年12月から1966年3月にかけて行われ、ロンドン録音中心だった初期作とは違い、全編がアメリカのRCA Studiosで制作された点も特徴的だ。ステレオでの発表もこの作品が初めてで、当時のストーンズ作品の中では音像の広がりがはっきり感じられる。ブルースを土台にしながら、ポップな曲調や長尺曲まで含む構成で、60年代中盤のロックが拡張していく空気がそのまま入っている。

アルバム全体の位置づけ

『Aftermath』の重要性は、収録曲がすべてMick JaggerとKeith Richardsの共作で固められていることにある。それまでのストーンズは、ブルースやR&Bのカバーを軸にしたグループとしての印象が強かったが、このアルバムでは完全にオリジナル曲中心へ移っている。ここで作曲面の軸が定まり、以後のストーンズの核になる書き方が見えてくる。

もうひとつ見逃せないのが、Brian Jonesの役割だ。ギターだけでなく、シタール、アパラチアン・ダルシマー、マリンバ、琴など、当時のロックでは珍しい楽器を曲ごとに持ち込んでいる。とはいえ、アルバム全体は奇抜さだけに寄っておらず、Chicago bluesの感触を残したまま、編曲の幅を広げているところが面白い。The BeatlesやThe Kinks、The Whoが同時代にポップやロックの枠を押し広げていたのと同じく、ストーンズもこの時期にアルバム単位の表現へ踏み込んでいる。

聴きどころ1: 「Paint It Black」

このUK盤の代表曲としてまず触れたいのが「Paint It Black」だ。冒頭のシングル曲として知られ、アルバムの入口を強く印象づける。曲の中心にあるのは、東洋的な響きとして受け取られてきた旋律と、硬いリズムの組み合わせだが、実際にはBrian Jonesの楽器選択が曲の輪郭を決定している。ロックの範囲に収まりきらない音色が前面に出ていて、1966年という年の空気をはっきり感じさせる。

この曲は、単に派手なヒット曲というより、アルバム全体の方向性を示す役割を持っている。暗い題材を扱いながらも、演奏はきっちり整理されていて、感情の直接的な吐き出しだけにはならない。ストーンズの中でも、初期の泥臭いブルース感から少し距離を置いた、構成の強い一曲という印象だ。

聴きどころ2: 「Under My Thumb」

「Under My Thumb」も『Aftermath』を語るうえで外しにくい。リズムの置き方が明確で、言葉の運びも含めて、バンドの作曲力が前面に出た楽曲だ。ここではギターのリフが曲を引っ張りつつ、ベースとドラムが細かく呼吸を合わせている。単純に勢いで押すのではなく、間の取り方で聴かせるタイプの演奏になっている。

この曲は、後年のストーンズ像につながる要素をすでに含んでいる。ブルース由来の身体感覚を残しながら、ポップソングとしての輪郭もはっきりしているため、初期の荒さと中期以降の洗練の中間にあるような位置づけに見える。アルバム中でも特に、バンドが「演奏するロック・グループ」から「自分たちの曲を持つバンド」へ変わっていく過程を示す一曲だ。

長尺曲「Goin' Home」

終盤の「Goin' Home」は、当時のロック作品としてはかなり長い部類に入る楽曲で、10分を超える構成が印象的だ。ここでは即興的な展開が続き、ブルース・ジャムに近い手触りが強く出る。『Aftermath』がオリジナル曲中心のアルバムでありながら、ストーンズ本来のルーツを手放していないことがよくわかる場面でもある。

アルバム全体を通して聴くと、前半のシングル志向の曲と、後半の広がりのある曲が並び、曲集としての起伏がはっきりしている。ヒット曲だけで押し切るのではなく、バンドの演奏感、作曲感、実験性を同居させているところに、この作品の面白さがある。

UK盤としての見どころ

このレコードは1966年当時のUKオリジナル盤で、米国盤とは収録内容が異なる。ストーンズの60年代作品は、UK盤とUS盤で曲順や収録曲が違うことが多く、『Aftermath』もその代表例だ。UK盤はアルバムとしてのまとまりが強く、曲の流れを追いやすい構成になっている。Deccaの黒いラベルとSKL番号も、当時の英国ロック・アルバムらしい雰囲気を持つ。

『Aftermath』は、ストーンズの初期の中でも「曲を書くバンド」としての自覚がはっきり見える作品だ。ブルース、ポップ、実験的な音色、長尺の展開が一枚に収まり、1966年のロックがどこへ向かっていたのかを示す記録としても読める。派手な名盤というより、後のストーンズを理解するための基礎資料のような存在だと感じる。

トラックリスト

  1. A1 Mothers Little Helper 2:40
  2. A2 Stupid Girl 2:52
  3. A3 Lady Jane 3:06
  4. A4 Under My Thumb 3:20
  5. A5 Doncha Bother Me 2:35
  6. A6 Goin' Home 11:35
  7. B1 Flight 505 3:25
  8. B2 High And Dry 2:52
  9. B3 Out Of Time 5:15
  10. B4 It's Not Easy 2:35
  11. B5 I Am Waiting 3:10
  12. B6 Take It Or Leave It 2:47
  13. B7 Think 3:10
  14. B8 What To Do 2:30

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