Rolling Stones - Let It Bleed (1969)
The Rolling Stones 1969

Rolling Stones - Let It Bleed (1969)

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Rolling Stones『Let It Bleed』――1969年のUK盤で聴く、バンドの転換点

The Rolling Stonesの『Let It Bleed』は、1969年を代表するアルバムのひとつだ。UK盤はDeccaのカタログ番号SKL 5025で、フロント・ラミネート仕様のスリーブ、ポスター付き、さらに印刷済みインナー・スリーブという当時のUK盤らしい作りになっている。カバー裏にはステレオとモノラルを見分けるためのindicator holeがあり、青がステレオ、赤がモノラルという、レーベル運用の細かな工夫も見える。盤面はDeccaの無枠ロゴが使われた時期のもので、1960年代末のUKロック作品としての実物感が強い。

この作品は、英米でのスタジオ・アルバムとしてはバンドの中盤から後期へ移る節目に置かれる。前作『Beggars Banquet』の延長線上にありながら、より重く、より荒い手触りが前面に出ている。録音はOlympic Studiosで1968年11月から1969年11月にかけて進められ、UKでは1969年12月5日、USでは11月28日に発売された。ブライアン・ジョーンズの参加は限られ、実際に演奏へ深く関わった曲は少ない。彼は1969年6月にバンドを離れ、その直後に亡くなっているため、本作は彼の在籍末期と、その後をつなぐ記録でもある。

「Gimme Shelter」と「You Can’t Always Get What You Want」

このアルバムを語るうえで外せないのが冒頭の「Gimme Shelter」と、最後を飾る「You Can’t Always Get What You Want」だ。「Gimme Shelter」は、リフの段階から緊張感が強く、メアリー・クレイトンのヴォーカルが入る瞬間に曲の輪郭がはっきりする。クレイトンは深夜に急遽呼ばれて録音に参加し、短いテイクであの歌を残したことで知られる。作品全体の空気を決める1曲で、以後のローリング・ストーンズ像に直結する代表曲になっている。

ラストの「You Can’t Always Get What You Want」では、ロンドン・バッハ合唱団のコーラスが入る。ゴスペルや合唱の要素をロックの中に組み込んだ構成で、バンドのシングル曲とは少し違う、アルバム全体を締める役割が明確だ。曲の終わり方まで含めて、1960年代の英国ロックが持っていた大きなスケール感が残っている。

同時代の文脈と、アルバムの位置づけ

1969年の英国ロックは、サイケデリックの余韻が薄れ、ブルースやアメリカーナへの回帰が進んでいた時期だ。The Rolling Stonesはその流れの中でも、The Beatlesのスタジオ志向とは別の方向で、土の匂いのするロックを押し出していた。『Let It Bleed』はその路線をさらに先へ進めた作品で、同時代のブルース・ロックやクラシック・ロックの中でも、音の重心が低い。音数を詰め込むより、リフ、リズム、コーラスの配置で引っ張る作りになっている。

アルバム発表の翌日にはオルタモント・フリー・コンサートが起きている。Meredith Hunter刺殺事件を含むこの出来事は、1960年代後半のロック・カルチャーの終わりを象徴するものとして語られることが多い。『Let It Bleed』の不穏さや緊張感は、結果的にその空気と重なって記憶されている。

UK初回盤の特徴

  • レーベル: Decca
  • カタログ番号: SKL 5025
  • UK盤の初期仕様: フロント・ラミネート・スリーブ
  • 付属物: ポスター、印刷済みインナー・スリーブ
  • 表記の特徴: 「With the London Bach Choir」が初期印刷ではそのまま記載
  • 後年盤との違い: その表記が黒塗りで隠された版もある

また、このUK盤はカバーとラベルでカタログ番号表記が異なり、表側が先行する形になっている。Deccaの英国盤らしい実用的な仕様で、ステレオとモノラルの併売期ならではの作り込みも見どころだ。のちに青いDeccaのboxed label版でも再発されており、初回盤と後年盤で見た目の印象がかなり変わる。

まとめ

『Let It Bleed』は、Rolling Stonesが1960年代末に到達したひとつの到達点だ。ブルース・ロックを土台にしながら、カントリー、ゴスペル、フォークの要素を自然に混ぜ込み、バンドの持つ荒さと構成力を同時に残している。ブライアン・ジョーンズ期の終わり、ミック・テイラー加入前夜、そしてオルタモント直前という時間の重なりも、この作品に独特の重みを与えている。UK初回Decca盤は、その空気を当時の仕様のまま閉じ込めた一枚として、作品の内容と物としての魅力がきれいにつながっている。

トラックリスト

  1. A1 Gimmie Shelter 4:30
  2. A2 Love In Vain 4:18
  3. A3 Country Honk 3:00
  4. A4 Live With Me 3:35
  5. A5 Let It Bleed 5:27
  6. B1 Midnight Rambler 6:52
  7. B2 You Got The Silver 2:51
  8. B3 Monkey Man 4:12
  9. B4 You Can't Always Get What You Want 7:28

動画プレイリスト

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