The Wild Swans - Space Flower (1990)
The Wild Swans『Space Flower』
リヴァプールのポストパンク・バンド、The Wild Swansが1990年にSire Recordsから発表したセカンド・アルバム。中心人物は、元The Teardrop Explodesのポール・シンプソンで、前作『Bringing Home The Ashes』から続く流れの中で、この作品では制作陣と演奏陣を入れ替えながら録音が進められた。録音は地元カービーのAmazon Studios 1と2で行われ、ミックスはロンドンのMayfair Mewsで実施。カラーペーパーのインナー・スリーブ付きで出た点も、当時のUK盤らしい仕様になっている。
制作背景と参加ミュージシャン
本作では、プロデューサーにイアン・ブロウディを起用。後にThe Lightning Seedsとして広く知られるブロウディが、制作面で大きな役割を担っている。演奏面でも、リヴァプールの音楽シーンに近い顔ぶれが集まった。ギター/コーラスにはThe Icicle Worksのイアン・マクナブ、ドラムにはクリス・シャロックが参加している。シャロックはその後、The La’sやOasisでも活動する人物として知られる。こうしたメンバー構成のもと、The Wild Swansは地元で録ったアルバムを1990年にまとめ上げた。
時代の文脈
1980年代末から1990年代初頭の英国では、ストーン・ローゼズの登場をきっかけにマッドチェスターや「セカンド・サマー・オブ・ラブ」と呼ばれる動きが広がり、60年代回帰の空気も強まっていた。本作はその時期に、前作の耽美的なネオアコ/ニューウェイヴ路線から離れ、バーズ直系の12弦ギターやサイケデリック・ポップの要素を前面に出した内容として制作されている。作品の中では、「Melting Blue Delicious」や「Butterfly Girl」、「Tangerine Temple」、「Space Flower」、「Sea Of Tranquility」といった曲が挙げられており、特にラストの「Sea Of Tranquility」は10分超の構成になっている。
このアルバムは、リリースの翌年にバンドが解散する直前の作品でもある。2000年代後半には再結成も行われたが、当時の本作は商業的な大ヒットには届かなかったとされる。
後世への影響
後年の評価では、イアン・ブロウディが手掛けたポップなプロダクションが、直後のThe Lightning Seedsのブレイクや90年代ブリットポップの先駆けとして見直されている。英米のネオサイケ/ギター・ポップのリスナーのあいだでは、リヴァプール・ポップの隠れた名盤として扱われてきた。作品そのものは大きなチャート成果よりも、制作に関わった人物のその後の活動と、収録曲の並びで語られることが多い一枚。特にタイトル曲の「Space Flower」や、終盤の「Sea Of Tranquility」は、このアルバムを特徴づける曲として挙げられている。
トラックリスト
- A1 Melting Blue Delicious 2:53
- A2 Butterfly Girl 2:54
- A3 Tangerine Temple 3:39
- A4 Immaculate 2:55
- A5 Space Flower 5:12
- B1 Chocolate Bubblegum 3:13
- B2 I'm A Lighthouse 4:15
- B3 Magic Hotel 3:02
- B4 Vanilla Melange 1:10
- B5 Sea Of Tranquility 10:16
動画プレイリスト
このアーティストについて
The Wild Swansは、イングランド・リヴァプール出身のポストパンク・バンドだ。1980年、ポール・シンプソンがティアドロップ・エクスプローズ脱退後に...
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